非暴力平和隊・日本

非暴力平和隊実現可能性の研究【第3章 第2節(3)】

第3章 現地諸関係の最善の実践例

ドナ・ハワード、コーリー・レヴィン

3.2 平和隊

3.2.3 当該地域の他のINGO、GOとの関係

武力紛争の時期に続いて、往々にして地域はINGOで溢れ、彼等が地域の人達の自立を支援する時に、新しい援助資金のことでもめたり或いは入れ替わり立ち代りすることがある。

このような事は暴力がエスカレーションしている間やその前ではそれ程でもないが、いずれにしても、INGOやGOはそれぞれが持てる特殊技能がお互いに活用できるよう協力することが重要である。

団体は研究し、その他のINGOも通常お互いに仕事を支援しあっている。WfPは中米に於いてSIPAZ、メノナイト、アメリカン・フレンズ・サービス・コミッティ(AFSC)やthe Interreligious Task Forceと共に働いている。PBIはクエーカー・ピース・サービス(QPS)他のINGOの助力でスリランカに入国した。SIPAZはチアパスでの仕事でCPT、WfPやMPTと協調しINGOの救援部隊に同行しようとしている。オシエクチームはノルウエイ、アメリカ、スウエーデン、APSのパートナー達と良い関係をもって働いている。

スリランカのセルバクマールに対する保護の場合に見られるように、往々にして業務を達成する為に一つ以上のINGOが必要とされる。ICRCは監獄にいる彼を訪問し彼の事件を書類にまとめた;ロンドンにあるアムネスティ・インターナショナルがPBIにコンタクトしそのことを助言した;スリランカの人権擁護団体がPBIとセルバクマールとの会談をアレンジし、アムネスティ・インターナショナルが緊急行動宣言を発表した。この種、情報の共有と仕事の分担は PBIやアムネスティ・インターナショナルのようなINGOでは典型的な活動である。同様に、1994年のスリランカでの選挙監視のため国内の二つの連合体はPBIと他の二つのINGOからなる第3者グループに合流した。

CPTの市民不服従活動は時によっては他のINGOを敬遠させ、GOを確実に不信にさせる。いくつかの国際的グループは移民当局との折衝の際そうした活動家と一緒にされるのを恐れてCPTと距離を置きたがる。

バルカンのCPSは後方支援と安全、善意、そして計画の目標などを一緒に連絡を取り合うことで協調しようと努力している。例えば、NGOの会合に参加するとか安全についてのブリーフィングへの出席、UN/KFOR/OSCEでのパスポートのチェックと登録、ドイツ軍(Kosovo/aでの ForumCPS)による郵便物の配送、KFOR/SFORに撤退者リストの登録などである。

このような早い段階でのコンタクト(連絡の取り合い)様々な理由の為の大使館への登録を含む:保護、何故ならば、政府が資金援助を求められている場合大使館はプロジェクトについての情報を求められるかもしれないし、ボランテイアがCOで代わりの仕事をしているからである。

WfPは長期派遣チームや代表団について政府や国際団体と積極的に会合を持とうとしている。これは初期のニカラグア/ホンジュラス国境での仕事で見られるごとく、最初からそのようであった。その時には、彼等はErnesto Cardenal、Sergio Ramirez、内務大臣Tomas Borge、軍事評議会議長Daniel Ortegaなど政府関係者と会っている。WfPは、WfPが地域の人達にどの様に統治するかについては口出ししないという明確な方針を持っている為、政府関係者は、しばしば、彼等との会談に積極的であることを知っている。しかしながら、彼等が資金や軍事力の為に米国に依存し、WfPがそれらを供給する米国の外交政策(例えばコロンビアの義勇兵)に反対の立場を取っている時には、この非干渉主義は政府関係者との友好的な関係を保障するものではない。

SIPAZのボランテイアは大使館、政治団体、軍の指導者達を訪問する。彼らの使命は可能な限りの多層なレベル、出来るだけ多くのグループとの関係構築を含む。政府関係者に対して行うことの一つは彼らのために会合や訪問をアレンジすることである。例えば昨年の英国外務次官補のチアパスの農村地帯訪問である。

オシエクチームの仕事とプレゼンスは政府当局によって大目に見られているが、時には疑いの目で見られる。(特にTudjiman政府)OSCEと UNHCRとは良い関係が存在する。例えば、BerekとPopovacでの仕事を始める為、PTは国家信頼再構築委員会、市当局、OSCEと取り決めを行った。BPTは、UNHCにより2週間ごとに開催され、他のNGOとネットワークで結ばれリソースを分かち合うことの出来る難民保護の為のワーキング・グループ会議を活用した。

現地における他の活動と同様、他の団体との連携は、グループのその他の役割や紛争との関係の十分な分析に基づくものでなければならない。この事例はクロアチアでのBPTが、国連やヨーロッパ監視員が地域の人たちから蔑視されていた為、彼らと距離を置くとの決定を下したことである;それ故、BPTは国連の車を使用しなかったし国連のパスポートを大っぴらに持ち歩かなかった。別の状況下では、その様な関係は全く異なっていただろう。ケース・バイ・ケースの分析がここでは要求されるのだ。国際軍事団との良好な関係も実践的な意味で役立つこともあるが、グループの世間に与えるアイデンテイに影響を及ぼすのは当然である。

こうした国際的視野での良好な関係保持は明らかにプログラムの目標を達成可能にする。

それは、適切であるなら、INGOに役立つ地域のパートナーを紹介するようなおまけの恩恵をもたらす。そして又、INGOやGOの運営を熟知していれば、これらのグループは紛争解決や正義の為に活動しているのではないということが明らかになる。そこで、不正の告発の機会と責任が生じる。(例えば、Pax ChristiによるOHRがDayton合意での要求事項を迅速に実行に移していないとの批判)

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