非暴力平和隊・日本

非暴力平和隊実現可能性の研究【第4章 第1節】

第4章 非暴力平和隊の職員

マライケ・ユンゲ、ティム・ウォリス

4.1 はじめに

紛争地域に人々を配備することにかかわるいろいろな団体の特性が、非常に違っているために、この分野での人材管理に対する最善のやり方を定義することは困難である。平和に関係する明確な指令なしに、紛争地域への大規模な派遣団を管理している団体がある一方、平和維持、平和構築、ならびに紛争解決の活動にたずさわってはいるが、どちらかと言えば小規模な団体もある。 NPの目的は、この2つの面を備えた団体を創立することにあるので、私たちの調査は、広い範囲の団体とプロジェクトを考慮した。以下は、調査された団体を分類し、それらのNPに対する関連性について簡潔な説明をしようとする試みである。

a) 平和チーム組織/市民平和活動
これらの組織には、PBIのようなNGOや「ドイツ市民平和活動」の中に含まれている諸組織および紛争地域で活動している「開発機関」を含んでいる。これらの組織は通常、深刻な危機状況において大規模な展開を管理することよりはむしろ、ある国に長期間にわたって滞在し、彼らが活動している地域において、平和を確実なものにするために持続可能な貢献をすることを目指している。これらのプロジェクトの長期的性格により、平和活動家は、最短でも1年間、あるいはさらに長期間にわたって滞在するよう求められることがしばしばである。

b) 緊急時の救援組織
この範疇に入る組織は、自然災害や多くの難民問題あるいは健康問題を支援するために、通常はある地域に多数のスタッフを配備することによって、深刻な緊急事態に対して、極めて短時間の間に対応する組織を含んでいる。彼らの委託事項は、必ずしも平和関連である必要はないが、これらの派遣団の大規模な特性、および、これらの組織の迅速な対応能力は、一般的に、大規模な活動のための 最善のやり方を定義することについて重要な情報を提供する。

c) 政府間組織
これらの組織は、国連、国連ボランティア計画(UNV)、OSCE、およびEUを含んでおり、通常は、ある種の公的命令のもとで多くの民間人を紛争地域に配備している。一般に、これらの政府間組織は、他の範疇のNGOとは、新人募集手順と雇用条件が非常に違っている。しかし、彼らの活動は、その規模と範囲の点で、NPに対して提唱されているものと非常に重なり合っているので、彼らの職員採用方針を調べることもまた同じように重要である。

d) 新人募集機関
これらのプログラム(RedR、CADANDEM、NORDEM、「海外奉仕」を含む)は、その組織自体ではプロジェクトを運営してはいないが、派遣スタッフを他の組織に提供している。彼らは、職員の新人募集(そして時には、トレーニングも)を専門にしており、あらかじめ選別済みの予備の隊員を構成する適役の人々の「登録者名簿」を管理している。諸組織は、その名簿によって、短期間あるいは長期間のプロジェクトのためにメンバーを呼び出すことができる。

したがって、これらの組織の新人採用および職員の評価の分野における専門知識は、私たちの調査にとって非常に貴重なものである。

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