非暴力平和隊・日本

Rumors of Peace 2001〜2004:第4号(2002年2月)

私たちは、ここに第三者による非暴力介入に関するもっとも総合的な調査研究の一つである非暴力平和隊のフィージビリティ・スタディの発行を公表することを光栄に思います。
ウェブサイト http://www.nonviolentpeaceforce.orgでアクセスすることができます。

1. あなたの希望を燃え立たせよう!

9月11日の悲劇についてネィティブ・アメリカンのおじいさんが孫に語っていました。私の心の奥底で二匹の狼が闘っているように感じている、とおじいさんは言いました。一匹は復讐心に燃えて、荒れ狂っていて、暴力的なんだけど、もう一匹は愛らしくて憐れみ深いんだ。どっちの狼が勝つんだろうね?と孫は聞いた。おじいちゃんは答えた、私が勇気づけをした方だよ、と。(テド・ボゥマン「夢がしぼんでしまった時に望みを見つける」より)

The ultimate weakness of violence is that it is a descending spiral, begetting the very thing it seeks to destroy.
Instead of diminishing evil, it multiplies it.
Through violence you may murder the liar, but you cannot murder the lie, nor establish the truth.
Through violence you murder the hater, but you do not murder hate.
In fact, violence merely increase hate.
0M Returning violence for violence multiples violence, adding deeper darkness to a night already devoid of stars. Darkness cannot drive out darkness; only light can do that.
Hate cannot drive out hate:
Only love can do that.

マーチン・ルサー・キング・ジュニア
(訳者注:この警句の訳文はすでにいくつか出版されていると思われます。たとえば幻冬社発行の「非戦」(監修・坂本龍一)120頁は大部分同じです。著作権の問題があるので、ここでは原文のままとしておきました。)

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2.最初のパイロット・プロジェクトの創造

今年非暴力平和隊は最初のパイロット・プロジェクトのための基礎を据えています。重要な活動としては、パイロット・プロジェクトの派遣先の決定、国際非暴力平和隊の結成大会を組織し主催すること、隊員のトレーニングのための国際的カリキュラムの開発、非暴力平和隊の組織的能力の強化が含まれています。

3月中旬には、パイロット・プロジェクトの候補地12か所を3か所に絞り込むために、暫定運営委員会がケベックで開かれます。非暴力平和隊調査チームは、その3か所についてそれぞれに徹底的な調査をおこないます。その結果は、11月の結成大会に提出され、そこでパイロット・プロジェクトの派遣地が決められるでしょう。結成大会は、ガンディーの葬式がおこなわれた場所に近いインドのニューデリーで開催します。

新たなメンバーが非暴力平和隊運営委員会に対して豊富な経験と指導能力を寄せてくれるでありましょう。南アフリカの国防次官のノヂズウェ・マドララ・ロゥトレッヂ氏、パレスチナの非暴力活動家で国際非暴力の理事であるムバラク・アワド氏、非暴力平和隊日本グループの共同代表であり北海学園大学助教授である君島東彦氏、インターナショナル・アラートの政策・主張部長であるユーヂーニァ・ピザロゥペズの4人です。

ティネカ・キュァトおよびメァリィ・ルー・オトは2月にインドを旅行し、運営委員会委員であるラダクリシュナン博士とともに、成立大会のための諸準備とイベント・コーディネータの雇用をやります。ディビッド・ハートソーおよびメァリィ・ルーは、「テロリズムに対するガンディー主義のアプローチ会議」に出席し、ディビッドはそこでNPについての発表とワークショップを実施します。ディビッドはその後タイのバンコックでの平和創造会議でも発表します。

同時に国際チームは、最初の平和隊に対するカリキュラムを開発中です。ビジネスマンのボランティァ・グループが詳細にわたる3年間のビジネス計画を開発中です。またもう一つの広報専門家のボランティァ・グループは、非暴力平和隊を社会の主流に組み入れることを促進するようなマーケッティング・プランを進めています。

平和隊のボランティァは、世界中でつながりを築き上げることを続けています。最近イスラエル/パレスチナから戻ったジャン・パッションは、今は西アフリカにおり、ガーナで国際トレーニング学校のためのトレーニングを指導しています。彼は、シェラレオネ、リベリア、セネガルも訪れます。フィル・マクマナスは、エクアドルとコロンビアの国境に沿って起きている暴力に対処するためのエクアドルでの会議に非暴力平和隊の代表として出席します。ニック・メレは、韓国立法府議員の招きにより、南北の間の和解を促進することに非暴力平和隊が果たせるかも知れない役割を探るために2週間韓国に滞在しました。

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3.あなたのご支援を!

今年は平和隊にとって重要な年です。成立大会が11月にニューデリーで開催されます。パイロット・プロジェクトの現場決定を含めて多くの決定がなされるでしょう。パイロット・プロジェクトに参加する人々のためのトレーニングをいま開発中でありお金を必要としています。私たちは今年中に約100万ドル(約1億3500万円)、来年は500万ドル(約6億7500万円)の募金を集めようとしています。(この金額は、世界が軍隊のために使っているお金の4分間分です)

私たちは、あらゆる支援を必要としています。もしあなたが、どのような方法であれ、この資金集めにご協力していただけますならば、たいへんありがたく感謝致します。

  • 私たちのやっている活動を支援していただけそうな基金あるいは個人の方とつながりをお持ちでしょうか?
  • 平和隊のことについて友人の方々に知っていただくためのホームパーティを開こうと思われませんか?
  • その方の周りで、私たちが資金集めのイベント立ち上げられるような有名人の方をご存じでしょうか?
  • 非暴力平和隊の価値観を分かち合えるような、そして非暴力平和隊をその集会に招いていただけるような地域社会に属しておられませんでしょうか?

もし上記のどれかに「はい」と答えられたならば、あるいは最初の非暴力平和隊パイロット・プロジェクトのための資金集めについて何かご意見をお持ちでしたならば、lenief@nonviolentpeaceforce.orgにご連絡願います。あなたがパイロット・プロジェクトを発足させることができるのです。

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4.非暴力平和隊青年部コーディネータの意見(マイケル・ポカワ)

何故私が昨年中、非暴力平和隊のための青年部を組織して来たのかについて説明します。私は、青年たちが彼らの家族の安寧な暮らしと国の安全保障を享受しながら、成長する青年たちについての経験は持っていませんでした。わたしの体験は、西アフリカの小さな国シェラレオネで戦争と爆弾によって特色づけられました。

1994年の4月に私はバスで、シェラレオネの内陸部へ半島状の山を通って旅行しました。国の中は平穏のように思われました。私は何年もあっていない父方の祖父母に会いに行く途中でした。そのころ両親の生まれた種族の地域には反逆者たちが占拠しているというニュースがありました。その反逆者たちは、彼らに合流してその日の命令を実行することを拒否した者の腕を切り落としていました。しかし、私にとっては祖父母に会う期待のほうが暴力の脅威よりももっと重要でした。

バスが止められ、乗客たちは外に出るように命令されました。その反逆者たちは私を知っている人たちでした。シェラレオネの子供たちで、学校に一緒に通った友人たちでした。私たちの何人かを彼らが知っていたので私たちは助命されました。その日が終わりに私たちは解放されましたが、持ち物は奪われ、裸にされてバスの中に並んで座らされました。

私の話は一回だけですが、私はあの日のことを絶対に忘れません。現在の世界の状態を考察すると、内戦と国際戦争の勃発は、犠牲にされた人たちと、戦争を始めることで利益を得た人たちの数知れない話が残されています。

私たちの時代に最悪の人権問題を記録した一つであるシェラレオネでの私の体験から、私は非暴力の技術を学び、そのような暴力紛争を変える手助けをするための国際的リーダーシップを発展させることを選択しました。これは難しいでしょうが、私が選んだ選択肢なのです。私たちのそれぞれが選ぶべき選択肢なのです。

青年グループの長として、活気に満ちた若い男女が暴力の原因を探究しているのを見ていますが、彼らがそのような活動をする創造的な場がありません。国際的な平和を形成し推進するための技術を備えた国際的な非暴力のリーダーとして若い男女を指導する必要があります。

歴史上、青年たちは国家に奉仕するために命を捧げて来ました。若い男女が誇らしげに軍服を着て、彼らの国のために死ぬことを厭わないでいる、と聞くことがあります。いま私たちは、非暴力平和隊の一員として世界に奉仕するという同じ思いを持つように訓練された若い人たちのための機会を創造しているのです。非暴力平和隊青年部の私たちは「取って代わる組織」となるでしょう。

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5.使命の表明

民間人による常設の国際非暴力平和隊を創立することを促進すること。非暴力平和隊は、紛争地域に派遣され、殺戮と破壊を防止し人権を保護することによって地元のグループが非暴力的に取り組み、対話により、平和的解決を追求できる環境をつくり出すことを目的とします。

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