非暴力平和隊・日本

スリランカ活動報告(月報・四半期)

スリランカ報告 2010年8月

NPスリランカ8月 月報要旨

原文:http://www.nonviolentpeaceforce.org/august-2010-sri-lanka-report-0

1.概況

(1)LTTEとの戦闘終結時のスリランカ軍最高司令官サラ・フォンセッカは、ラジャパクサ大統領に対抗し今年1月の大統領選挙に立候補したが敗退した。その後、フォンセッカ元最高司令官は国家反逆罪の罪で逮捕され軍事裁判で有罪を宣告され、恩給も含め軍籍に関するすべての実績・権利をはく奪された。今最高裁に提訴中である。また、別の軍事裁判で軍の調達に関する違反事項に関しても審議中。

(2)スリランカNPは継続してNP本部プログラム責任者代行シュヴァイツァーが指揮を執っている。NPの今後の活動について政府当局と対話を続けるとともに、資金提供者にも現状を報告し今後の対応について協議中。人権擁護活動家プロジェクトの後任の責任者(Elizabeth Ogaye)についてもビザがキャンセルされた。

2.NPスリランカ活動(主要活動分野ごと)

(1)徴兵された元少年、少女兵の安全強化
 バティカロアではUNICEF主催の定例会議に出席、YMCA、サルボダヤ、セーブ・ザ・チルドレンの他、人権委員会(HRC)など政府関係機関も出席。家族メンバーによる児童の誘拐事件が最近増大していることが報告され(この背景は不明…要約者)、出席者はこのような事件は直ちにHRCに報告し、フォロー・アップと調査を行うことになった。ヴァヴニヤでは政府の児童保護局担当者の北方地域への視察訪問に同行を提供。また、いくつかの村での子供の権利保護委員会の立ち上げ、ネットワーク化をNPが監視することになった。

(2)コミュニティ・レベルでの非武装市民平和維持活動のトレーニングを個人、CBOs(コミュニティ組織)に実施
 バティカロアでは8月28−29日実施を予定されていたある村でのトレーニングは、この地域への知事訪問によって急きょ延期されたが、準備段階として2名の村民にトレーニングを実施した。また、政府社会サービス省とこの類のトレーニングをこの地域で実施するための覚書を取り交わす話し合いを進めている。非武装市民平和維持活動のトレーニングをヴァヴニヤ地域の子供の権利保護委員会関係者とも連携して実施することを検討中。

(3)人権擁護活動家の安全の強化
 コロンボの本件担当部門の活動がTifanny, Aliの追放、更にはAliの後任者(Elizabeth Ogaye)のビザキャンセルによりコロンボの当該部門は閉鎖し、バティカロアとヴァヴニヤの一部活動を除き完全に停止した。
昨年7月から1年間の活動評価(NP内部での検討、人権擁護活動家、パートナー団体、政府関係部門とのインタビューなど)についても人で不足のために進捗は遅れている。

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スリランカ報告 2010年7月

NPスリランカ7月月報 要旨

原文:http://www.nonviolentpeaceforce.org/july-2010-sri-lanka-report

1.概況

(1)7月2日、タミルの政党・指導者たちが「タミル政党フォーラム」を結成、現在の政治情勢にかんがみ、あらゆるタミル人組織をフォーラムに統合してタミル人が現在当面している諸問題解決を図ることを決議

(2)7月7日のNPスリランカ責任者Tiffanyと人権擁護者部門責任者Aliの国外退去の後、NP本部プログラム責任者代行シュヴァイツァーがスリランカに到着し指揮を執っている。2週間、すべての日常業務を休止してスタッフ全員が集まって現状の評価と分析を行った。

2.NPスリランカ活動(主要活動分野ごと)

(1)徴兵された元少年、少女兵の安全強化
 バティカロアでは国内外NGO月例会議に出席、6ヶ月間安全を脅かす問題はなく、当面、再定住と社会復帰に活動の重点を置くことを打ち合わせた。会議にはUNDP,UNICEF、Oxfamなども参加。ヴァヴニヤでは児童の人権に関する1日ワークショップ開催、7名の青年が参加。また、政府の児童保護局担当者から「マニクファーム」(戦闘終結後大量の一般市民が強制収容されたところ)にいる児童の視察訪問に際しNPに同行を求めてきている。また、児童保護局主催でNGOとの2度にわたる会合が持たれ、相互の情報交換とNPが推進している児童保護プログラムをすべての再定住地域で行うことが話し合われた。地域の警察上層部との連携も保たれている。

(2)コミュニティ・レベルでの非武装市民平和維持活動のトレーニングを個人、CBOs(コミュニティ組織)に実施

 バティカロアでは既にトレーニング実施済みのコミュニティを訪問、トレーニングの成果を確認し、そのコミュニティの周辺に活動が広げられている状況にある。(土地問題、汚職、誘拐などの諸問題を警察など関係当局も引き込み話し合いでの解決を図る)

(3) 人権擁護活動家の安全の強化
 Tifanny,Aliの追放によってコロンボの本件担当部門の活動は停止状況にある。現在は、スタッフ、人権擁護活動家、パートナーの安全な環境づくりを心がけ、これからの活動の在り方を関係者と話し合っている。ヴァル チェナイではOCPC(NPが支援して立ち上げたタミル/ムスリム平和と共存委員会)から活動の報告を受け、また、DS(村落の政府行政部門長)主催の会議に要請があって出席したが、そこで新たに選出の政治家や政府代表たちを紹介され、彼らの要請に応えてコミュニティの諸情勢について報告した。同時にNPの活動についてもプレゼンテーションし、コミュニティ・レベルでの非武装市民平和維持活動のトレーニングについても紹介した。(EUの資金援助により)開始した本プロジェクト(人権擁護活動家の安全の強化)が1年を経過したので、活動自身は停止中であるが、次年度の活動に備えて過去1年間(初年度)の評価を着手。Aliに代わる責任者はElizabeth Ogayeである。 

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スリランカ報告 2010年5月

NPスリランカ5月月報 要旨

内容はこれまでの月報と重複するものが多いので、それらは箇所書きにしました。そして、スリランカの責任者Tiffanyと人権擁護活動家グループ責任者のアリのビザが更新されなかったことに関連があると思われる事項(EU人権調査団への協力)のところは、詳しく訳しました。
原文:http://www.nonviolentpeaceforce.org/may-2010-sri-lanka-report

NPスリランカの活動は現在3分野:

(1)元少年/少女兵の安全・保護
(2)非武装市民平和維持活動(UCP:unarmed civilian peacekeeping)の個人・コミュニティへのトレーニング
(3)人権擁護活動家(HRD:human rights defenders)の安全の確保

いずれの分野においても政府(中央、特に地方)行政機関との協力関係が緊密になっています。紛争当事者がいなくなった現状での活動の性格と限界を示しているかと思います。

しかし、第三の分野(人権擁護活動家支援プロジェクト)はEUの資金によって昨年後半から始められたプロジェクトで、EUや国連とスリランカ政府とが人権問題に関して対立している状況下ではNPの活動は難しくなってきた感じがいたします。

(1)元少年/少女兵の安全・保護

  • 職業訓練センター(VTC:vocational training center)の有効活用に関し政府関係機関と協力
  • 少女殺害事件調査の人権委員会(HRC:human rights commission)調査員の同行/プレゼンス提供
  • 社会復帰後の安全の問題・就職の問題等に関する政府機関主催(GA:government agency、DS:district agency、DCDC:district child development committee)会議に出席。政府諸機関関係者との関係強化
  • 元少年/少女兵との集会開催(政府諸機関との緊密な関係のもと):どのように自分を守るか 毎月開催予定  6月の“子供の権利についてのUN主催会議”に招待予定

(2)非武装市民平和維持活動(UCP:unarmed civilian peacekeeping)の個人・コミュニティへのトレーニング
・・・個人・コミュニティのエンパワーメント

  • 4月終了のUNDPプロジェクトの地域への展開
  • トレーニング受講者のコミュニティでの実践事例の共有:事件が起こった際にコミュニティで情報を共有し、地元の政府機関、警察に通報する(警察は犯人を知っているので釈放に協力する?)
  • 標準行動手順(SOP)/緊急時対応手順の作成
  • 地方行政機関・警察との協力関係構築

(3)人権擁護活動家(HRD:human rights defenders)の安全の確保

  • UN特別手続きのトレーニング(内容下記:講師:弁護士協会ほか)  コロンボ、ヴァヴニアに引続きバティカロアで実施  ※NPパートナー団体の“人道支援団体コンソーシアム”(CHA:consortium of humanitarian agencies)と共催
    ○基本的人権の原理
    ○基本的人権の法的根拠
    ○国連人権委員会
    ○国連基準に沿った人権侵害の報告の仕方
  • 人権侵害の記録・報告システムについて人権擁護活動家を保護し、人権委員会(HRC)を支援
  • ヴァルチェナイの“平和と共生のための調整会議“(OCPC:organization for coordinating peace and co-existence)の活動の政府行政機関、警察へのプレゼンテーションを支援
  • NPは政府機関の活動を支援し、市民社会団体との連携を強化
  • ヴァヴニア:“人道支援団体コンソーシアム”による人権擁護活動家の人権侵害に関する調査支援並びにワークショップ開催のサポートを約束
  • マナー地域:脅迫を受けているジャーナリストの監視的訪問
  • 大統領選挙、総選挙前後のオンライン・メディアに対する同行活動

5月、NPヴァヴニア・チームは、スリランカ政府諸機関を強化するため、そして、人権委員会とのパートナーシップ協定に基づき、2009年11月から12月にかけて発生した人権侵害事件(行方不明、誘拐、不当逮捕など)の記録作成について7日間人権委員会支部を支援した。
また、NPヴァヴニア・チームは人権委員会や国内外20のNGOが参加したフォーラムに出席、そこでの議題には次のようなものが含まれる;

・人権委員会がキリノッチ(LTTE本部のあった都市)で行う予定の人権に関する広報活動

・国連難民(UNHCR)による2009年8月から2010年3月にかけての女性に対する暴力事件調査結果・・・大半の事件が戦争終結時300,000人の国内難民がいたとされるマニク農場(Manik Farm)で起きている。

5月7日コロンボでEU調査団主催のスリランカにおける人権問題の現状分析とすり政府に対する提案の提出に関する会議が開催された。スリランカ全土での人権擁護活動家支援活動とコロンボに人権擁護活動家支援グループを置いているNPは、会議開催準備並びに50名に及ぶスリランカ各地からの人権擁護活動家の出席などの支援のためEUから招待された。丸一日の会議には国際NGOやEUの大使館関係者が出席し、合同会議、パネル討議、ワークショップなど行われた。NPSLから4名が参加。主要議題は次のようなものであった;

○ 市民の権利と政治的権利
○ 表現の自由
○ 子どもの権利
○ 少数者の権利
○ 男女問題
○ 国内難民問題

会議の評価:問題を深く掘り下げるには不十分であったが、スリランカの人権擁護活動家とコロンボにある国際NGOを結び付けたことに意義があり、このような会議をこれからも開催することに期待を持った。

(NPJ理事:大橋祐治)

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スリランカ報告 2010年4月

4月8日総選挙ではラジャパクサ大統領率いる与党が大勝、しかし、憲法改正に必要な議会の三分の二には6議席足りなかった。投票率は、1月の大統領選挙に比べ低く、全国平均で50%、ジャフナでは10%に過ぎなかった。

選挙の結果、ラジャパクサ大統領の兄弟並びに息子が政権の重要なポジションを掌握した。長兄は国会議長に、弟は国防次官(継続)、経済開発省のトップに就任、大統領の息子も議会に選出された。

選挙の二日前に議会が開催され、緊急事態諸法が一カ月延長された。また、フォンセッカ前軍最高司令官(大統領候補)に対する軍法会議の二度目の延期が決定された。軍法会議の合法性の問題がある。

NPSLの主要プロジェクト活動報告

選挙監視員と不安定なコミュニティの安全確保

NPSLは資金問題のため今回の総選挙では一選挙監視団体のみに選挙監視員に対する保護的同行を提供した。
 バティカロア地域では5チームに同行、15の投票所を回った。とくに大きな問題はなく、タミル国民連合(TNA)候補を支持する人権擁護家から不正投票に関する訴えを受けて選挙監視チームに紹介した。
 バルチェナイでは18の投票所に同行した。政党支持者による投票所でのいやがらせがあったが、警察に連絡し手解決した。投票日翌日、警察と今後の改善策を協議した。
 ヴァヴニヤ地域では3名の監視員に同行し22の投票所を巡回した。ムスリム、タミル、シンハリそれに国内難民が接して住んでいる地域である。大きな問題はなかったが、投票の数日後、一人の選挙監視員が選挙の不正に関する報告によって脅しを受けていると言ってきたので、その人をスリランカ人権委員会まで同行した。

 2009年11月から開始したNPSLの選挙プロジェクトは終了した。3つの選挙監視団体から、NPSLの活動に関する評価について話し合ったが、NPSLの資金不足による総選挙での支援のスケールダウンにより彼らは困難に当面したが、NPSLの支援と献身について感謝された。

内戦によって影響を受けた児童の安全の確保

 NPSLは4月からヴァヴニア地域に児童保護プログラムの活動の重点を移した。(バティカロア地域での児童保護プログラム活動は必要性が低くなったため。)ヴァヴニアでは、地域のNGOを支援し国際NGOとスリランカ政府機関との協働で児童保護に関する諸問題に対応できる公的なメカニズムの強化を目標としている。

 ヴァヴニアで武装グループにより殺害された少女の家族の保護的プレゼンスを提供している。警察に通報し、犯人グループは逮捕されたが、少女の二人の兄弟のカウンセリングなどの橋渡しをした。インドの鉱山会社が占拠していたある村の学校から退去するよう働きかけていたが、一部教室が本来の教育のために使用され始め、5月末までには完全に学校から撤退する見通しとなった。

個人やコミュニティの組織が、コミュニティベースで非武装市民平和維持活動の能力を構築する

 バティカロア地域で、コミュニティベースで非武装市民平和維持活動の能力を構築を図るトレーニングを開始した。3月に4名のコミュニティ・リーダーにトレーニングのためのトレーナーのセッションを行い、4月24―25日の二日間最初のトレーニングを実施した。特に緊張関係にあるバーガー(ムスリム)、ヒンドゥ、タミル・キリスト教徒から20名が選ばれて参加したが、彼らは大変熱心でやる気満々、自分たちの役割を自覚できたという。ロール・プレイなどで他宗派の人たちのことを理解し、新しい視野を持つことができた。村に帰ってから、それぞれ非武装市民平和維持活動チームを結成しようと非常に前向きであった。NPの能力開発プログラムと人権擁護家のネットワークとを結びつけることは、将来彼らがそれぞれのコミュニティで非武装市民平和維持活動チームを構築する目的を持っている。

 トレーナーのトレーニングに参加した内の二人が警察に呼び出しを受けたので、要請に基づきナショナルスタッフ二名が一緒に同行した(二人はタミルであったのでシンハリの警察とのコミュニケーションを心配した)。警察は非武装市民平和維持活動に大変関心を持ち、地域の民族間緊張の減少と暴力発生の抑止に役立つことを認識した。警察は地域のコミュニティと警察とのつながりの重要性を強調し、彼らとの信頼構築や治安に関する住民のニーズを知ることが大変であることを認め、何か治安に関してあれば直接警察に連絡し説明するよう要請があった。そうした意味で、非武装市民平和維持活動チームのためのトレーニングは成功であった。

 コミュニティ自ら指導するトレーニングは、国連開発機構(UNDP)と共同で2009年11月から始められたが、試行プロジェクトとしては終了した。NPSLは、資金があれば本プロジェクトを範囲を広げて実施し、それぞれの村での非武装市民平和維持活動チームの実績を把握し、バティカロア全地域に導入したいと考えている。

地域の人権擁護家の安全の確保

 バティカロア・チームは、3人の人権擁護家の要請で2007年9月以来LTTEから政府支配地域になった地域に再定住した国内難民のコミュニティを訪問した。再定住以来、それぞれの武装グループによる誘拐が多発し、犯人がみつからない殺人事件もいくつかあり、スリランカ人権委員会は被害者に届け出るよう要請しているが、彼らは報復を恐れて届け出ずNPに頼ってきている。

 ヴァヴニア地域では、NPSLは選挙監視員に同行し、27の投票所を巡回、特に大きな事件はなかった。
ヴァヴニアでは、ヴァヴニアとマナー地域の13名の人権擁護家に対して国連特別手続き(UN SpecialProcedures)についてのワークショップを開催。人権擁護家の月1回の定期的会合を持ちネットワーク構築を決め、第1回の会合を5月22日に開く予定。バティカロアでも同様のトレーニングを計画。

 人権委員会とのパートナーシップ協定の一環として、4月中4日間、人権委員会の事務所で2009年にヴァヴニア地域で発生した170件の失踪と誘拐の事件の資料作りにあたることになった。人権と平和構築活動をスリランカ政府として行うメカニズム作りへの協力である。
 ヴァヴニアでの女性に関するジェンダー問題のフォーラムに参加、多発するDVやヴァニからの帰還者の高い自殺率など広範囲な問題が取り上げられ、地域や国際NGOのスタッフが参加した。ヴァニ地域へのNGOのアクセスの制約のため、最も困窮しているコミュニティに人道支援の手が差し伸べられない問題点が指摘された。

国連特別手続き(UN Special Procedures)のワーク

ショップに参加したヴァヴニア教区の司教の訪問を受けた。彼の教区は戦争中に行方不明者や殺人事件が多く、それらの記録や書類作りへの協力を求められ、支援を始めた。

4月27日に人道支援機関連合への協力の一環として、新たな再定住地域となったヴァヴニアの地区で人権関係のワークショップを地方行政府の一室で開催。NPSLは人権委員会の調査官をヴァヴニアからマナーまで同行を提供。

ヴァヴニア地域の国内難民センター、リハビリセンター、再定住地域の市民の福祉支援を行うためにニーズ調査をしている人権機関と会合を持つ。コロンボから来た人権擁護家への保護的同行の提供。

コロンボでは2月から選挙終了まで国際団体のスリランカ事務所に保護的プレゼンスを提供。選挙後の休日とスリランカの新年の期間を利用して、NPSL内部でリスクアセスメントと非常時と通常の運営についての確認作業を行った。リスクアセスメントの結果、スタッフに対する直接のリスクレベルは十分に低下したので、休日後は毎日の保護的プレゼンスはやらないことにした。

(2月から継続していた)ある国際NGOの代表の自宅の徹夜の同行は夜の自宅や周辺の見回りにレベルを下げていた。選挙前に彼は会議に参加のためスリランカを離れたが、自宅から空港まで同行した。スリランカに帰国後の彼のリスクアセスメントを行い、彼への脅威は著しく低下したので帰国後は毎日の同行と訪問を止めることにした。緊急の要請の場合には備えている。

ヴァニ地域の国内難民キャンプ住民の大半は釈放されたが、なお5万から6万の人たちが再定住のために釈放されるのを待っている。

コロンボに拠点を置くあるメディアから安全のニーズに関する診断を要請され、選挙まで夜通しの保護的プレゼンスの可能性について検討した。検討の結果、完全な保護的プレゼンスは必要ないものの、緊急事態にはNPスタッフが即時に対応することが決まった。メディアは選挙終了まで通常通り妨害や脅威なしに活動できた。

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スリランカ月報 2009年12月

 11月、政府は予定より2年早く2010年1月に大統領選実施を発表し、12月は選挙モードに突入。NPSLは選挙監視組織・団体と支援の協議を始めた。

地域の選挙監視員と脆弱な市町村の安全の改善

 大統領選挙は2010年1月26日投票。NPSLは以下の3つの選挙監視団体と協議を開始、NPSLは選挙監視員の安全確保のためのトレーニングの要請を受けた。
・PAFFREL(自由と公正な選挙のための市民の行動)
・CMEV(選挙暴力監視センター)
・CaFFE(自由と公正の選挙のためのキャンペーン)

 選挙委員会の承認を得て、専門家によるトレーニング・コースを編成、NPの支援を受けて次の団体・個人にトレーニングを実施;
・選挙監視団体 2(CMEV 45名、CaFFE 15名)
・人権団体 1、メディア会社 1

 トレーニング参加者の95%はトレーニングを高く評価し、将来も参加したいとの評価を受けた。NPSLも国際選挙監視団として海外から4名の専門家を12月末から短期間招聘を計画している。

武力紛争に巻き込まれた児童の安全の強化

 ヴァヴニヤ:児童人権擁護官や知事の要請による勾留キャンプや社会復帰センターにいる元児童兵の生活状況や安全の監視、移動時の同行など。国際赤十字社や人権委員会と協力し、行方不明の元児童兵の調査と家族との連携活動

バティカロア:地域の職業訓練センターとの協働、ならびにその後の社会復帰への支援

これらの元児童兵の安全の継続的支援の結果としてNPSLの活動は全国的に評価され、UNICEFとの協力の下、全国を対象とした児童保護行動計画がスリランカ政府,TMVP(タミルの政治組織),UNICEFによって策定され、元児童兵の総合的支援メカニズムとしての児童福祉部門が設立されることになった。

村落(コミュニティ)レベルで非武装市民平和維持活動に取り組むための個人や小集団の能力開発

2009年11月に国連開発機構(UNDP)と契約し,NPSLのスリランカスタッフがトレーナーとして非武装市民平和維持活動(UCP)のトレーニングの第1フェースを開始した。村落自身が長期にわたって安全の確保の役割を強化するためである。トレーニングの内容は;紛争や緊張地域のマッピング、戦略的パートナーの発掘、紛争緩和の戦略開発、突然緊張が高まった時の代替計画の策定など。最後の2日間で実地訓練を行った。

地域の人権擁護活動家(HRD)の安全確保の強化

EUと欧州諸国からの資金提供により本プロジェクト(HRDプロジェクト)が開始された。アンパラ、マナー、ヴァヴニヤの3ヵ所に拠点開設。NPはスリランカ人権委員会と人道支援機関協議会とパートナー契約を締結、選抜された政府職員を人権侵害の監視と報告の能力アップを図る。トレーニングのためのワークショップ開催、南部の6地域からも参加。法科大学学長の憲法修正条項第17条に関する講演「ガヴァナンスの向上に向けて・・・憲法の問題点の回顧」には、法律の専門家、人権活動家、外交官、法学生、市民社会活動家など多彩な出席者があった。
 さらにHRDプロジェクト・スタッフはスリランカ軍関係者(60名の現役、予備役)にも1日間のワークショップを行い、紛争解決、人権、人権活動家の擁護などのトレーニングを行った。近い将来、さらに2つのトレーニングが計画されている。女性の人権擁護活動家に対するワークショップもコロンボで計画されている。NP各拠点に配属されているHRDプロジェクト・スタッフが集まり月例会議も開催されている。

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スリランカ月報 要約 2009年10月

 5月内戦終結後の北部難民キャンプの帰還の問題が、スリランカ政府の目下の課題であるが、インフラの欠如と膨大な地雷除去作業が計画実施の妨げとなっている。
 経済的には、EUがスリランカの主要産業である衣料産業に関する特恵関税を人権に関する国際条約違反を理由に適用除外とする影響である。人権問題を特恵関税問題に結び付けることには様々な議論がある。
 ジャフナへの主要道路が再開されたので物資の輸送が増加し北部の物不足、物価高は解消に向かっている。幾つかの銀行も北部に支店を開設している。

NPの活動

 難民キャンプが集中している北部ヴァヴニヤ地域にNP国内スタッフが赴き拠点開設準備中である。ヴァヴニヤ州民の半数、マンナー州民の半数、最も戦闘のはげしかったムラティブ州では20%が帰還したようである。NPのヴァヴニヤでの活動は市民、関係当局に受け入れられている。NP国際スタッフの派遣は政府とのMOU(覚書)締結後となる。
 LTTEの本部のあったキリノッチでは人が見られず、ムラティブの地雷除去作業は戦闘の及んだ地域のみで行われている(それ以外ではまだ行われていない)。
 全土の非常事態宣言はいまだ有効であるが、NPの拠点のある地域の治安は安定している。ジャフナではある程度の移動の制約があり、また、NP国際スタッフのジャフナへの帰任は手続き上遅れている。ワニ州への国内難民の帰還は順調に行われている。

バティカロア地域の難民キャンプは実質的に解散し、900名ぐらいが親戚や知人のところで帰還を待っているが、地雷除去、生活手段、土地の所有権やアクセス問題、多民族の共存、行方不明家族メンバーとの合流問題、元兵士の社会復帰など様々な問題がある。帰還後の政治団体への強制加入(カルナ派の政治団体TMVPを指している)・活動参加への心配などあり、NPは地方政府当局と一緒にそうした若者や市民の諸問題をフォローしている。タミル人社会の或るところでは、海岸に沿った土地をシンハラや外国人が買い漁るのではないか、或いは、ムスリムが失った所有権を主張するのではないかとの心配している。2009年には北部地域に関心が移ったので、東部地域の人道的支援のための資金が減少するとの心配がある。

武力紛争の被害を受けた子供の安全の強化

児童に対する人権侵害に関する国連安保理事決議1612に基づき、北東部の170名の被害を受けた児童の調査にNPとして参画している。報告書は国連の武力紛争の被害を受けた児童ワーキング・グループに提出される。
 NPはヴァヴニヤで地方政府から依頼を受け、元LTTE児童兵9名の刑務所から更生施設への同行活動を行った。また、70名の元児童兵の受け入れ(引受け)家族での更生状況についてモニターするよう地元行政当局からの依頼を受けた。児童の権利と保護に関する関係者の教育も必要でありNPの貢献が期待される。
 東部地域では、地元関係機関と協力して32名の元児童兵の社会復帰のための教育やトレーニングに協力している。その中には、社会復帰に必要な書類の作成支援も含まれている。児童たちは教育を受けたいが、一方では貧困のためなんとかして家族の生活を支えなければならない者もいる。

治安回復のための既存のメカニズムの強化と
メカニズムに対する市民の信頼構築

北部では人権問題に対する体制・組織が構築されている。地区人権委員会、市民保護委員会、人道支援機関協議会など。NPジャフナ・チームはこれら機関・組織と協働している。
 再定住の状況について、国内難民が自主的に再定住の場所と将来の見通しについて自由に意思表示できるよう、彼らに同行する件につき人道支援機関協議会とMOUについて話し合っている。さらに人権問題に関するトレーニングも期待されている。ヴァヴニヤでは、或る国内難民キャンプの40名の青年に同行して軍指導者との会合に参加、青年たちの安全や社会的、心理的ニーズについて話し合った。軍当局もこのようなNPの支援を評価しており、この活動は今後も継続される。
 東部地域でも再定住に関するNPの同様の活動が行われている。軍当局、地方行政府、コミュニティ指導者、国際NGO間の会合が持たれている。市民間の信頼性の欠如は特にタミルとシンハラが隣接して定住しつつある地域で顕著である。草の根レベルの行政府指導者(GS:Government Servants)が意思疎通を図るべく努力している。ある事例では、タミル人GSが治安や他のコミュニティ問題で軍指導者と話すためにNPに仲介を要請し、タミル人GSと軍指導者の初めての会見が実現した。数十年続いた内戦によって生じた相互不信を払拭する貴重な第一歩となった。

コミュニティ・レベルでの非武装市民平和維持活動に参加する個人やCBO(コミュニティ・ベース組織・団体)の能力開発

NPは市民参加の平和維持活動のトレーニングを継続している。ジャフナでトレーニングの要請を受けているのは次のグループからである。サルボダヤ:シャンティ・シェーナ・メンバー20から25名のトレーニング、クリスチャン・エイド:彼らのパートナーNGOの内2つのNGO、地区行政府と市民保護委員会メンバーから6名。ヴァヴニヤでも同様の要請がある。
 東部バルチェナイ・チームは従来からのタミル/ムスリム・コミュニティの早期警戒ネットワークを支援、UNDP、USAIDなどからの資金援助獲得や長期的紛争抑止プログラムの開発を支援している。バティカロア・チームはGS(草の根の政府役人)のトレーニング計画を具体化中。

地域の人権擁護家の安全・警備の改善

・・・NPSLのこの活動分野は、昨年後半EUからの資金(ひも付き)に基づきNPSL内部に組織されたもので、コロンボにコーディネーター、専従会計担当など置き、拠点にそれぞれ担当のFTM(たぶん兼務)を置く。経理報告も含め活動は定期的にEUに書類で報告がなされると聞いている。(訳者注記:昨年7月末、訪問時に知った。)
 HRD(Human Right Defenders)支援プログラムを現在策定中。このプログラムの活動は地域の人権擁護家の同行であって、活動家に暴力の問題解決のための活動のスペースを与えるものである。
 NPSLとして、長期の内戦後の社会で人権活動に関する様々な挑戦を、地域に根付いた人権擁護家と協働することは双方にとっての利益であると考えている。これから全国的なネットワークを構築していく計画である。2010年の早い時期にこのためのトレーニングの実施を予定している。この計画はNPのパートナーや政府関係者にも歓迎されている。

具体的な活動状況は次の通り;
・北部、東部では、これからの変革期にあって重要な役割を果たそうとしている地域の人権活動家たちと接触中である。
・バティカロアでは150名が地方から参加して人権に関するプログラムが開かれた。NPはプレゼンスを提供した。
・コロンボでは10名の人権擁護家と連携、うち6名はNPの支援で活動のレベルの向上が図れたと報告、1名は脅迫によって活動が低迷。テロ対策特別法の実施が活動を制約している。

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スリランカ月報 9月月報【要約と英文全文】

September 2009 Sri Lanka Report

内戦終結後、スリランカ政府による25万人に及ぶ北部難民キャンプの帰還、再定住実施は、LTTE敗残兵士狩りを最優先しているため、国内外からの強い要請にも関わらず遅々として進んでいない。

Sri Lankan authorities continued throughout September to defend the government's overall post-war strategy, which has included the ongoing confinement in welfare camps of more than a quarter million Tamils.
Meticulous screening procedures continue in an attempt to weed out LTTE loyalists among the IDPs (internally displaced persons). As the annual monsoon rains threaten, there has been growing international and local pressure on the government to expedite the process and release already-screened people for resettlement or to the care of their relatives.

9月、国連は二つのグループを派遣してこ国内難民のニーズ調査を行い、20年ライ北部から難民となっているムスリムを帰還、再定住計画に含めるべきと提案した。進捗が極めて遅いため国内難民の不満が鬱積している。政府は1月末までに完了すると言っているが、同時に、地雷除去など国際的支援が必要であると言っている。

The UN dispatched two delegations to Sri Lanka this month, including Lynn Pascoe, the UN's political chief, and Walter Kaelin, the under secretary-general for human rights of refugees, who visited the country to assess the needs of the IDPs. Kaelin included the many Muslims, displaced from the North for more than 20 years, in his call for an inclusive reconstruction programme. The pace of the release of refugees was described as "too slow" with people growing increasingly impatient to leave the camps. The government reiterated its pledge to resettle all displaced people by January, but said it needs international aid, in particular for clearing land mines in the North.

スリランカ政府と国際移住組織は米英など諸国の支援により元LTTE兵士の教育、訓練、生活支援などの計画に23百万ドルを投入、再定住・社会復帰を進める計画である。同時に各地に特別法廷を設置して、犯罪の容疑のある10,000人のLTTE兵士を裁き、早期解決を図る計画である。

Sri Lanka and the International Organisation for Migration (IOM) are planning to launch a USD $23 million programme to rehabilitate former LTTE cadres with the help of countries like the USA and the UK. The programme will include education, training and livelihood components. Besides the IOM and other countries, leading Sri Lankan companies will also provide assistance to the government in these rehabilitation and reintegration efforts. Sri Lanka plans to set up a Special Tribunal to try over 10,000 LTTE suspects, said to be held in various centers across Sri Lanka, and who are alleged to have been involved in various crimes. A top government official said the aim is to settle the cases against the LTTE cadres speedily, as it could otherwise take years in the normal legal system in courts.

北部で、1978年以来となるタミル人の警官(男女)の採用を開始した。

In the North of the country, Sri Lanka is recruiting Tamil police officers, both male and female, from Jaffna for the first time since it became the epicentre of the separatist movement. The government has not recruited Tamils from Jaffna to serve in the police force since 1978.

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NPチームの活動
The Context and Work of the NP Teams

新しいカントリー・ディレクターが着任した。Tiffany Easthom、カナダ女性で司法関係学士、人間の安全保障と平和構築部門で修士の資格を持つ。4年間の国際プロジェクト・マネッジメント、インドネシア、ペルー、チリで平和構築、人権、保護プロジェクトに携る。着任前はインドネシアPBIのプロジェクト・コーディネーターであった。

September marked the start of new leadership in the NP Sri Lanka Project with the arrival of a new Country Director, Tiffany Easthom. Tiffany is Canadian and holds a Bachelors degree in Justice Studies and a Masters degree in Human Security and Peacebuilding. She has four years international project management and administration experience in Indonesia, Peru and Chile, where she managed peacebuilding, human rights and protection projects. Most recently, Tiffany was the Project Coordinator in Indonesia for Peace Brigades International.

9月は11の同行活動、25の監視や現場の訪問を行った。

Under new and inspired leadership, NPSL will further develop and implementits projects to contribute to steadily improving human rights and security for civilians in the post-conflict period in Sri Lanka. Some new cases of threats and human rights violations continued to be reported to the teams this month, followed by frequent referral to mechanisms and authorities that might be able to assist to address the problems these citizens were reporting. Eleven accompaniments occurred this month; with more than 25 monitoring and field visits to assess the prevailing conditions in various locations. Other highlights of the work of the NP teams this month are summarized below.

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武力紛争に巻き込まれた児童の安全の増加
Increasing the Safety of Children Affected by Armed Conflict

北東部のチームは、児童保護諸機関や政府と協力し、紛争に巻き込まれた児童が家族のもとに帰り社会に復帰できる手段が確保されているかどうかなどをフォロ−している。また、政府による全国的キャンペーン“子供を連れ戻そう”に協力している。

NP teams in the North and East continue to work with child protection agencies and organisations and the Government in addressing the needs of children in the post-conflict setting. Teams are following up with all families who previously sought the support and interventions of NP to help insure that children have access to the needed resources to be able to safely reintegrate back into their families and communities. NP teams cooperate with the Probation Department and coordinate with their staff on case follow-up. They also continue to assist in awareness-raising and advocacy for the government's "Bring Back the Child" national campaign.

再定住家族については、貧困が家族の生活の安定を妨げている最大の要因である。医療機関、小学校5年生以上(中学以上のこと)の学校がないなどの教育施設の不備などのインフラ問題があるが、貧困のため子供が学業をやめ働いている。職業訓練所の果たす役割は大きい。最近では、家と職業訓練所間の安全が増加している。家での生活が苦しいので職業訓練所は活動範囲を広げようとしているが資金の問題がある。また、職業訓練を終えても、働く職場がないし道具もない。特に女性がそうである。そういうわけで、ジャフナでは200人以上の子供が家族と別れて生活している。

Poverty is a large obstacle to family stability, particularly in remote areas and in rural locations where displaced persons have been resettled. In some areas the infrastructure is not yet in place to provide for the medical care or the schooling of children, with the pressures of poverty causing some children to drop out of school to assist with family income-generation. In some areas there is no accessible educational facility beyond the 5th grade level. In other areas, people more recently settled have not yet been able to get their children enrolled in school and thus they continue to fall behind. Vocational training centers played a significant role in helping many vulnerable children and youth learn a practical trade during the war. In some cases the security situation has improved to the extent that some youth are now able to live at home and travel with confidence to and from the training center. Some Centers are now reaching out to more poverty-stricken families, as issues of livelihood become ever more pressing for families, but available resources are very limited. One gap that has long been identified is that most training programs do not have sufficient funding to ensure that youth who complete the program have the tools of the trade when they finish, and in some cases there is little or no opportunity to pursue the trade in a particular area, such as being an auto mechanic, and particularly for girls. In Jaffna well over 200 children continue to be identified as separated from their families.

UNICEFの追跡調査によれば(ほんの一部にしか過ぎないが)、LTTEに徴兵された児童兵の内1,410名が、その分派(カルナ派)に徴兵された児童兵のうち77名がいまだに行方不明の状況にある。記録にあるだけでも100名の児童が殺されている。

While UNICEF's database was always known to hold only a percentage of the total number of conflict-affected children, according to their September summary, which tracks children who had been previously reported to them as involved in either the LTTE (Liberation Tigers of Tamil Eelam) Movement or in the break-away political group (the TMVP), there are still 77 unresolved cases of children involved with the TMVP, and 1410 with the LTTE. (Note: in some cases, these children have now reached their 18th birthday). Almost 100 children in the database have been documented as killed, with some parents continuing to report their missing children to UNICEF.

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市民の安全強化のメカニズムの活用とその信頼性の一層の強化
Strengthening Existing Mechanisms and Building the Confidence of Civilians to Use the Mechanisms to Increase their Security

2006年から2007年にかけてトリンコマリーからバティカロアに収容された国内難民の帰還と再定住を進めているが、一部は、トリンコマリーの元の居住地が高度防衛ゾーンから解除されていないために、他の地域に定住を強いられている。また、移住地で生活手段を取得した家族は再定住が困難である。最近、ワウニヤ地域からバティカロアに難民が移住してきているが、これらの難民と治安当局、警察、その他の当局との仲介役を果たしている。

A number of resettlement monitoring visits and activities for internally displaced persons (IDPs) occurred this month, as the Government continued its efforts in the East to return the last groups of IDPs from Trincomalee District who had been displaced to Batticaloa District since 2006 and '07. In some cases the families have now been moved to another temporary site in Trinco District, as their original communities are still considered High Security Zones. Such a process has proved quite difficult for some families, especially for those who managed to secure some stable livelihood in their area of displacement, and now must be uprooted again. Recently some additional IDPs have also come into Batticaloa District from Vavuniya in the North and are yet to be screened and resettled. The NP teams help civilians access needed information, monitor the security of their transitions, and identify their concerns and needed resources to share with government and other humanitarian actors. On-going advocacy on behalf of war-affected civilians with a variety of authorities, including the Security Forces and Police, requires NP teams to continually develop and maintain relationships with all key actors in an area.

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個人とCBO(コミュニティに根差した組織)の能力開発
Capacity-building for Individuals and Community-based Organisations

9月、NPは地方政府当局に暴力削減と非暴力による問題解決の将来の訓練計画について話し合った。トリンコマリーでは政府は調停委員会を設置しリーダシップや紛争解決などの訓練を実施しようと計画している。他地域での市民治安委員会とともに草の根の争いの解決に役立つであろう。内戦による民族の移動や人口の変動によって、土地、水、森林などの資源がコミュニティ間の主たる紛争の種になる。NPによる個人とCBO(コミュニティに根差した組織)の能力開発支援は、政府やコミュニティに歓迎されている。

September was a month of outreach by the teams to many community-basedGovernment Servants (GSs) and Divisional Secretaries (DSs) to lay the groundwork for future training programs on violence reduction and nonviolent community problem-solving. Such efforts will help further stabilize communities and the government is now investing in community structures to help in this regard. In Trinco District, for example, Tamil and Muslim community leaders in Mutur, a community that had a strong NP presence until early 2008, the government is establishing a Mediation Board and providing some training on leadership, conflict resolution, Sri Lankan law and human rights. In some areas Civil Security Committees are forming, both mechanisms that can help resolve disputes at the lowest levels. In one case of a land dispute the Valaichchenai Team was able to help bring disputants together to unravel, in cooperation with the government representative, how two different claimants to a piece of land were misled into thinking they both had rights to it. In a post-conflict environment, with many shifts of population continuing to occur, such disputes over resources-land, water, forests-could prove a major source of potential community conflicts. NP's project of offering Capacity-Building activities in several remote areas has been welcomed by the government authorities and community-based organisations and will be carried out in the coming months.

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地方の人権擁護者の安全の改善
Improving the Safety and Security of Local Human Rights Defenders

NPチームは、長期のコミュニティの安定、人間の安全保障、すべてひとの人権の保護のために取り組むのはその地域の人々であることを理解し、その信念のもとに活動することが気分けて重要であると認識している。地域の平和活動家や人権擁護活動家がより安全にそれぞれの活動に従事することを支援するのはNPの重要な役割である。このような方針に基づき様々な活動を行っている。NPによる同行は人権擁護活動家がより広範囲なコミュニティにおける人権擁護活動を継続行わしめている。このような活動により、善意の人々が報復の恐怖なしに他の人々を安全に支えることができるのことが理解されれば、コミュニティの指導者たちの励ましになるであろう。多くの紛争地域では年月のかかるものである。今月、一人の人権擁護活動かがNPの支援を受けて、親族のものが不当に拘束されている家族のために警察署に直接弁護することができた。他のケースでは、ある全国的な人権擁護組織団体が、法廷で弁護者のいない被告人の弁護を引き受けた。信頼に足るシステムや組織を奨励することが市民の信頼獲得、そして、より堅固な市民社会を造るための“有効な循環”を創造する第一歩である。

Nonviolent Peaceforce teams know that it is critical to understand and to operate on the belief that it is the local people who are the experts when it comes to addressing long-term community stability, human security, and protection of everyone's human rights. Supporting local peacemakers and human rights defenders in order that they can more securely carry out their activities is an important area of NP's work. This month the teams performed a number of accompaniments in this regard and helped create more space and opportunity for these local efforts to thrive. In many cases, NP's accompaniment has allowed human rights defenders to continue to engage in their legitimate work of protecting larger communities' human rights. Encouragement for more people to take up such leadership roles within their communities will occur as people see that there is an acceptance of such work and that people of goodwill can safely reach out to others without fear of reprisal. There is still considerable fear in many places and it will take some time for people who have lived in a conflict zone for a generation or more to claim their dignity and their rights. In one case this month a local human rights defender, with NP's support, was able to advocate directly with a local Police station on behalf of a family whose relative was wrongly detained. In another case a national human rights organisation was encouraged to involve itself in a case where a defendant had no adequate representation in court. Encouraging systems and structures to be trustworthy is the first step in helping citizens begin to trust in them, creating a 'virtuous circle' to build a stronger civil society.

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スリランカ月報 6月月報(2009年06月)

リタ・ウエブ、プログラム・オフィサー、記す

スリランカの政治情勢

スリランカ政府は5月中旬に宣言したLTTEに対する軍事的、地域的勝利を引き続き確固たるものにしようとしている。国内外の調停者からの懸念はあるが、国内難民キャンプの状況は改善しており、困難な地雷除去は北部の指定地域で継続されていると報じられている。メディアや人権団体の25万人を超す国内難民への接触に制限があること、難民の自由な移動が出来ないことが紛争終結直後の主要な懸念の声があがっている。

“福祉センター”にいる国内難民の自由な移動が引き続き制限されていることについてスリランカ最高裁へ何件かの異議申し立てが出された。厳しい治安問題が存在することは理解しつつも、司法当局が場当たり的、専断的と見なされないように、人権グループは難民キャンプにおける審査プロセスに判断基準を明確にするように要請した。LTTEに属していたと認めた者だけが一般市民から分離され、親族にはその居場所が知らされていると当局は主張している。政府はLTTEの下級幹部への体系的な大赦プログラムのガイドラインを作成中と発表した。また、政府は“恒久難民施設”を建設中との懸念に対して、政府は年内に難民の80%を再定住させる目標であることを強調している。

今月、2006年に重大人権事件16件の調査のために設立された大統領の調査委員会が解散した。16件中7件はこの間に調査され、内5件の報告書が作成中とのことであるが、未だに公開されていない。

多大の犠牲を伴い長期化した内戦から回復の途上にあるスリランカは、世界的な経済低迷のために国際的な開発援助がかなり低下すると予想され、ドルの確保に引き続き苦心するであろう。

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NPチームの活動状況

コロンボのNPスリランカ・マネジメント・チームがプロジェクトの指揮を執る新しいカントリー・ディレクター(Country Representative)の採用に尽力する間、現場チームは4つの重点分野で下記のような活動を継続した。何人かのFTMの契約が2009年上半期に切れたため、3月にフィリッピンでNPのコア・トレーニング(MPT)を受けたFTMが活動を開始すべく現地に着任した。新人スタッフへのオリエンテーションと現場チームへの組み入れを行うとともに、今月、NPは児童と国内難民の人権保護と推進やスリランカの持続可能な平和の展開のために地域と国内団体や地域社会の指導者の支援に焦点を当てた70件以上の活動を行った。

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児童、若者、家族の保護

NPSLの児童保護コーディネターの指揮の下、UNICEFの児童保護局の支援を得て、チームは児童保護活動に関して、成果、制約、学習した教訓、変化する政治的、治安上の情況の中での将来への可能性に焦点を当てつつ、全面的な見直しと評価プロセスに傾注した。家族たちは兵士として使われた子供たちの家族への合流や社会復帰、その他人間の安全保障の諸問題に関するNPの支援を引き続き求めている。 バティカロア地区で、現場の2チームは弱者である子供や若者を対象とする新たなケースワークに忙殺され、保護的同行14件、多数の追跡調査、心理社会的支援を精神健康関係者や政府の保護観察局への紹介20件余を行った。チームは政府の“子供を取り戻そうBring Back the Child”というコミュニティー意識高揚活動において児童保護局を支援した。 ジャフナでは、児童保護ネットワークが教育サービス、家族の再会案件、不具児童の保護における欠陥に焦点を当ててきた。NPチームはコミュニティーを特定して子供の人権問題に関する農村レベルの委員会の能力開発に政府の「児童の保護と権利担当官」 (CPROs)と協働した。ある地区では、NPはシングル・マザーやその家族に情報の共有と支援提供者への接触を支援することを中心議題とした児童保護会議に参加した。児童の権利と保護について地域全体の協調を改善すべく支援の要請を受けた。参画するネットワークや調整機関のお陰で、チームは子供と離れて暮らす親の安定したネットワークになるであろう児童クラブの設立を推進し、家族への情報と支援提供者の共有、地域社会の能力開発などの支援をすることができた。

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人権の推進

家族がNPに寄せる問題の多くや保護的同行の要請は人権への不安に関わるものである。バルチェナイ・チームが6月に扱った42件の新たな事例の内、その半数はバブニヤのキャンプに収容された親族が受ける人権侵害の心配に関するものであった。バティ・チームは今月50以上の家族を支援した。ある地区ではイスラム教徒の実業者の拉致が一日のハータル(ストライキ)を引き起こしたが、暴力事件に発展するのを防止するために地域の指導者と連携をした。幸いにも、彼は後に解放され、その地域の緊張情況は和らいだ。軍の検問所2箇所が今月バルチェナイとバティの間で除去され、この地区で非武装化への措置が始まりつつあるとの市民の安心醸成に役立った。 ジャフナでは、NPチームは人権と紛争解決スキルに関して63人の幼稚園の教師のためのワークショップに人権パートナーと共に参加した。ジャフナでは個人や家族の事件の届出が東部に比較してこれまで少なかったが、安全確保に関して幾つかの家族に支援を求められた。又、チームはNPの使命や保護活動を紹介してくれそうな遠隔地の地域指導者に会い、紛争後という環境の中でのコミュニティーの関心事を聴くことが出来た。タミール人社会はジャフナにおける治安部隊と市民の比率(1:10とのこと)がこの半島の現在の社会不安の雰囲気を掻き立てていると申し立てている。

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国内難民キャンプと再定住地域でのプレゼンスの提供

ジャフナのチームは、多くの人権団体と同様、10ヶ所の難民キャンプやジャフナ半島の11,000人余りの国内難民との接触が出来ていない。国内難民を収容する新しいキャンプが建設されたので学校2校が明け渡された(教育のために)。収容を認可された学校での教育活動は継続でき、キャンプの全児童が教育を受けていると報告があった。215人の年配者がキャンプから開放され、家族と再定住した。約85の家族が一箇所に再定住し、地方行政の役人が更に122家族の再定住の許可を待機していた。彼がNPにこのグループへの支援と擁護を要請したため、チームは必要な手続きと許可を国連高等弁務官事務所と治安部隊と共に調査している。チームはまた、状況をモニターするために臨時の移行センター2箇所に30家族を訪問した。 バティカロア地区には、2006年からトリンコに帰れないトリンコ出身の約200人(さらに200人が当地の再定住地域にいる)を収容している他の難民キャンプをモニターし、支援するための人権関係者と政府当事者のネットワークがあるが、チームはその一員となっている。バルチェナイでは、チームは6月に約900家族を収容する当地域の中心部の定住地域を7回訪問した。幾つかの人権機関は当地区のあるところで国際基準に反する強制的な再定住が行われ、それが緊張を高めている事例を観察したと報じた。対応のために緊急擁護会議が政府代表と人権活動家とともに開催された。

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地域に根ざした組織の能力開発支援

NPはチームの活動するコミュニティーで生計的支援は提供しないが、チームが地域社会、特に農漁村が潜在的なパートナーや支援提供者と接触するのを支援し、脆弱なコミュニティーの安定化のために遠隔地の当事者にもニーズを理解させるための支援をするのは可能である。ジャフナでは、チームはスウェーデン開発公社と支援を必要とする漁業団体の情報交換を支援した。別の地区の女性農村開発協会との会議で母子家庭とその安全確保に対する支援提供者について焦点を絞ることが出来た。 バティカロアでは、バルチェナイ・チームは今月タミール人とイスラム教徒団体のネットワークと何回も会議を持ち、彼らの調整委員会が別の国際資金提供者から資金援助の入手を可能にした。 遠隔ネットワークを代表する人も含めた98人の人々が早期警戒システムに参加し、地域の人間の安全保障を強化するために情報を共有し流言飛語を弱めるのに役立っている。双方のチームともコミュニティーや宗教指導者と緊密かつ定期的に接触し、定期的に会議を持ち、緊張の高まりや暴力の恐れのある場合に国際的保護的プレゼンスを提供している。

戦争のコストは増加の一途であるが、平和も金がかかる。国際連合の14平和維持活動(オペレーション)のコストは15年以前の経費の2倍である。非暴力平和隊にとって、年間予算約400万ドルは米国国防省が2分間に使うコストとほぼ同額である。

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スリランカ月報 5月月報(2009年05月)

リタ・ウエッブ(プログラム・オフィサー)記す

スリランカの政治情勢

 2009年5月19日、スリランカ大統領は40分のテレビ演説でLTTEに対する勝利宣言と東南アジアにおける最長期の内戦終結を報告した。演説の中で大統領は、少数民族タミルを含むすべてのスリランカ国民を保護することが彼の使命であると表明した。それに続く数日間、国内各地でまた、スリランカ移民の多い海外諸国でも自発的に、あるいは計画された勝利祝賀会が開かれた。もちろん分離独立に支持を与え或いは理解を示した離散したスリランカ人による対抗した抗議やデモもあった。すべてのスリランカ人に公正と永続的な平和を確固たるものにするため、少数民族の長期にわたる不満の要因への十分かつ真摯な対応を保証できるようスリランカ政府が迅速に動くべきとの要請が国内外から寄せられている。

 国連諸機関やその他の人道援助機関からの支援の申し出を受けて、政府は、26年間の内戦が市民に与えた甚大な経済的、精神的、物質的コストへの対応と、その多くが過去数週間、数カ月の戦闘によって被害者となった約30万人に及ぶ国内難民の緊急な人道的ニーズへの対応に動き始めた。NPSLは前々から北部ヴァヴニヤに拠点を設置する可能性を探って来たが、許可が与えられれば、新たに難民となった人々に対する保護の要請にこたえる用意を整えている。

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NPの活動状況

 戦闘の最終局面は東北部のムラティヴの一部に移っているが、NPはジャフナ、ヴァルチェナイ、バティカロアの3拠点と本部のあるコロンボで活動している。
 5月は様々な当事者(ステークホルダー)と40回以上の会合を持った。この種の会合を通じて草の根レベルでのネットワークや信頼関係構築を支持し、推進していく。また、人道的ニーズに応え、弱い立場にある市民の人間の安全保障の状況を改善するため、社会の各階層の実力者たちに実情を認識させ協調させる場ともなる。チームは24件のフォローアップと29件の新規のケースを含む多くの家族からの介入、支援の要請に対応した。介入のケースは、国際的プレゼンス或いは同行の緊急の要請;非暴力による問題の解決手法に対する個々人のあるいはコミュニティとしての信頼の構築;危機的状況や緊張が高まった際に、噂を鎮静化し或いはコミュニティの長老が出動するようなコミュニティ・ネットワークの活性化や構築;政府機関や非政府機関を通じて、家族の支援ができる有力者などに状況を理解してもらう;など様々な戦略が必要とされる。
 NPSLが活動している地域の幅広いネットワークを活用して、チームは次の4分野に焦点を当てて活動している:

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子供の保護

 戦争の環境以外の生活をしたことがない、とくに北部や東部の子供や若者たちへの直接、間接的戦争の影響は計り知れないものがある。NPは子供の保護と子どもの権利について国連諸機関や他の人権団体と共に活動しており、特に,UNICEF、監察官事務所、児童保護局、町村児童人権保護官事務所、警察、コミュニティ・レベルでの市民活動家などと協働している。また、地区やコミュニティ・レベルでの活動を補完するため州レベルの児童保護委員会を設立する計画がある。NPは紛争によって直接被害を受けた子供たちを持つ家族と連携をとり、セーブ・ザ・チルドレンと共同して、武装グループにいたことのある子供たちや若者に対して、彼らの希望を確認し、社会復帰のための支援を行っている。
 今月バティカロアでは、子どもの権利と保護に関する関係者が会合を重ねて、紛争後の状況における再定住と社会復帰の戦略について話し合った:
 子供や若者、彼らの両親の協力を要請して、どのようなことが元兵士のコミュニティ復帰に役立ったかを評価したり、元兵士達が直面したニーズと挑戦を確認したりした。子供たちや両親、政府機関の関係者、UNICEFの担当者、セーブ・ザ・チルドレン、サルボダヤ、NP合わせて約70名がこのようなプロセスに参加した。目標は、精神的ー社会的支援、職業訓練、働き場所の提供を含めて元兵士の社会復帰プログラムの改善と子供たちの保護の改善のための地方政府当局の参画の強化である。

戦闘が終結したことですべての危険が無くなったわけではなく、相変わらず武装グループへの強制的徴兵或いは再徴兵の恐怖の声が聞こえてくる。長期にわたる不安定な状況や不信の影響、貧困、インフラや諸資源の不足、脆弱なコミュニティ組織など、すべては長い期間かけて克服される必要がある。いくつかのケースでは、若者が直ぐにでも家族を養う必要があるため職業訓練プログラムを中断し熟練を必要としない仕事に就かざるを得ない。また、バティカロアでは、4月と5月に生徒が誘拐され、8歳の子供の死体が井戸で発見された事件の恐怖が残っている;もう一人はヴァルチェナイで重傷で発見された;今月バティカロアの街で4人の若者が行方不明になった。

 ジャフナでは、当局は離散した家族の再会の支援、子供の家庭のモニター、ドロップアウトした児童への対応、児童労働の監視など行っている。最近ジャフナに流入してきた国内難民の中で、380名の家族と離れて支援を必要とする子供が確認され、彼らを厚生福祉キャンプか近くの学校に入れて学校生活ができるようにした。村落レベルの児童保護委員会或いは児童クラブが活動していない地域では、チームは必要なコミュニティの能力構築を支援した。NPが長期にわたって良好な関係とプレゼンスを持っているある地域では、治安が改善されてヒンドゥー教の重要な文化的宗教的行事の一つである寺祭を3年振りに持つことができた。

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人権の推進

 すべての民族、宗教コミュニティのための人権の推進と保護は、子どもと国内難民の人々への支援と同様,NPの活動の基盤をなしている。困難な環境下で活動を遂行できるよう、スリランカ人権委員会(HRC)と協調し、地域の人権擁護活動家を支援している。NPは、スリランカの人権推進と保護のためEUからの追加の資金援助を要請中であるが、それに関連してジャフナでは二つの核となるパートナーと会合を持った。
 チームは今月、人権に関する様々な機関に安全にアクセスできるよう12件の同行を家族や個人に提供した。バティカロアでは、この地域の14の地区それぞれに一人のコンタクト・パーソンを置き、人権委員会,UNHCR,NPによってプロセスを監視する仕組みについて話し合う人権フォーラムを持った。一つの地区では,NPは地区のニーズ・アセスメントを始めてよいとの許可が地方政府から与えられた。

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国内難民キャンプと再定住地域でのプレゼンスの提供

 NPチームは、公設キャンプや福利厚生センター、或いは帰還したり再定住している地域で、国内難民のニーズに係わる調整機関(国レベル、地方レベル)に加わっている。NPは、今年のムラティブ地域での戦闘の結果、30万人が一時的に収容されているヴァヴニヤ地域での監視と保護的プレゼンスを提供するよう地域並びに国レベルの当局より要請を受けている。財源が確保され、国内難民が収容されている場所へのアクセスが政府から許可されれば,NPはチームを派遣する用意がある。

 ジャフナでは、今年に入り北部から11,000人の難民が流入し、限られた援助と物資をめぐり地域の住民と国内難民との間で緊張が高まってきており、また、コミュニティについて言えば、漁業に関する制約、政府の立ち入り禁止地域が多いための移動の制約や帰還定住を妨げていることなどについての懸念が引き続き高まっている。今月末までに9つの恒久的キャンプと2つの臨時キャンプが設置された。9つの人道支援機関が国内難民キャンプへのアクセスを許可されたが、2団体のみアクセスすることができた。地域によって手続きやプロセスが異なり、許可を出す部局が異なるためである。

 2006年撤退したノルウェー難民協議会(NRC)がジャフナに戻りつつある。撤退期間中、バティカロアではNRCはNPSLの緊密なパートナーとして行動してきた。ヴァルチェナイ・チームが事務所の一角をNRCに提供し、この地域の北部の人たちがNRCのサービスにアクセスしている。バティカロアでは2006年以来6800人以上のトリンコマリー難民が取り残されているが、その内700人以上が郷里に帰りたいと2年間も許可を申請している。チームは800人からなる幾つかの再定住地域に定期的にプレゼンスを提供している。ある定期的訪問地域で、チームは地域の人々が催した“平和と調和のクリケット大会”に招待された。このような地域の催しが再開されるようになり、長期間の武力紛争の真っただ中で育った影響から回復しつつある若者や家族に安定と正常のセンスを取り戻すのに役立っている。

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地域に根差した組織の支援

 スリランカに恒久的平和と安定をもたらすためには、地域の指導と組織が支援され強化される必要がある。NPチームは、地域の平和活動家に対するまとめ役としての役割を果たし、問題が発生する際に非暴力的に問題を解決するよう導くため、チームが生活し活動する地域で信頼関係の構築を行う。草の根レベルでは地方行政府の末端の役人(GS)との関係構築が、村の団体や地域開発団体、農業・漁業組合などに劣らず、特に重要である。

 バティカロアでは、チームは地域人道支援団体連合会(CHA)主催の下に毎月開かれる重要な地域保護ネットワークの会合に参加している。ヴァルチェナイでは、チームによって育まれたコミュニティ・ネットワークがよく機能している。その一つとしての早期警戒ネットワーク(EWN)は素早く相互に連絡できる約100人から構成されており、噂を摘み取ったり暴力の勃発を未然に防ぐのに役立っている。このネットワークは同時に、コミュニティ情報ネットワークとしても機能しており、コミュニティの重要な情報を共有している。今月の事例として;ある地域の人々が利用している他の地区の郊外で起きたバス/電車事故のニュース;30人の生徒がヴァルチェナイ病院に入院した事件とその原因が食中毒であったこと;村人が不在地主から土地の権利書を受け取ったが、これが偽物であったという事件の報告。タミルとムスリムの第二の草の根ネットワークは、安全なNP事務所の一角のスペースを利用して継続しており、民族間の境界線をまたいで共に活動している。今月、プロポーザル作りに関するUSAIDのセミナーに参加することができ、スキルの習得がなされた。このような能力開発はコミュニティを巻き込んで一体として活動する能力の維持向上という長期のポジティブな結果をもたらすものであろう。

 これらのすべての分野で、NPチームは国際、国内スタッフが生活し活動するコミュニティで、政治的立場を取らず、非暴力で、保護的市民のプレゼンスにより、コミュニティの裂け目に橋を渡す役割により大きな影響を与えつつある。

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スリランカ月報 4月月報(2009年04月)

スリランカの政治状況

 2009年4月、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放の虎(LTTE)とのあいだの戦 闘の最終段階が到来した。LTTEはスリランカの北東の端、せばまるばかりのココナッ ツの茂る回廊地帯にどんどん追い詰められていった。またそれと共に、何人ともわか らぬ数の市民たちが、逃げるすべもなく狭い砂浜の上にただ取り残されたのだった。 立証することができたのは、今月に戦闘地域から抜け出した市民の数である。政府軍 が巨大な土製のダムを突破して攻めてきた際、多くの人が死ぬ物狂いで、文字通り生 死を賭けて逃げた。家を失った市民たちの数は、ほんの数日の間に、3倍、およそ2 5万人となったのである。

 国連安全保障理事会の議長は、市民を人間の盾として用いて戦闘地域にとじこめたま まにしたことに関し、タミルの虎を非難する声明を発表した。理事長はまた安保理メ ンバー15人の名において、スリランカ政府も国際人道法を遵守し、難民向けの人道援 助物資が入ることを許可するべきであると述べた。これは安全保障理事会の公式な会 議ではなく、議長の声明に拘束性はない。

 このような事態となってもスリランカ政府は、「停戦は、その支配下の市民を解放し て武器を置くようにという国連や各国政府、隣国インドからの度重なる呼びかけを拒 否してきた抵抗勢力に対し、休息と助けを与えるだけだろう」という主張をし続け た。適切な政治的解決策と真の和解プロセスが充分なスピードで実行される希望は、 まだ残っている。

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NPの各チームがおかれていた状況とその活動

 NPは、北部のジャフナ、東部のヴァルチェナイとバチカロアという3つの活動拠点に おいて、国際的な保護的プレゼンスを提供した。また、基本的な権利と人権を守るた めに必要な手段にアクセスすることができるよう、首都コロンボの人権擁護活動家や 無防備な市民たちに付き添った。NPの活動メンバーたちは、さまざまな当事者たちと 共に35回以上の調整会議に出席した。そのような会議では、必要なネットワークづ くりの支援・促進や、信頼関係の育成が草の根レベルで行われるほか、無防備な市民 たちの身の安全にかかわる状況全般を改善するためにそれ以外の関係者たちの認識も 高められ、支援が醸成される。

ジャフナ地区では、戦闘地域から逃れてきた国内避難民(IDP)の数が11,000人と倍 増した。そのほとんどが、海を渡ってきた人々だった。彼らは(ジャフナ)半島の3 つのエリアの、およそ12箇所に収容されている。バチカロアのチームは今月、殺人・ 誘拐・逮捕・脅迫の報告をあらたに20件受けた。26家族から追加支援の要望があっ た。

今月の各チームの活動のあらましについては、NPの保護活動をおおきく4つのエリア に分け、以下に記載する。

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子どもの保護

 戦争が子どもや、若者、家族にもたらす直接的・間接的な影響は莫大である。NPは、 子どもを保護する活動において国連機構や他の人道団体(特にユニセフ)、保護観察 官や児童保護省、警察などの政府機関、そして地元の市民社会と協同している。ま た、かつて武装グループに入っていた子どもたちや若者にはどのようなオプションが あり、どのような「社会復帰」活動が必要かを特定するために、子どもたちの家族と 協同したり、セーブ・ザ・チルドレンとの調整をはかったりしている。

NPはバチカロアで、学校−8歳の少女が誘拐された場所−でのデモ行進時にプレゼン スを提供することを、ある親たちのグループから求められた。のちに、そこからそう 遠くないところにあった井戸の中で少女の遺体が発見された。ハータル(ゼネスト)が 呼びかけられ、まる一日、バチカロア地域ではすべてが停止した。親たちは子どもた ちにもっと手厚い保護が与えられることを要求した。他に2人の子どもが行方不明に なっているが、どうなったのか全くわかっていない。今月NPが実施した同行16件の 中には、無防備な若者たちや子どもを持つ家族などの身を守り、彼らが必要なサービ スや手段にアクセスできるようにするためのケースもいくつかあった。

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人権の促進

 すべての人の人権の促進と保護は、NPのやっているほとんどの仕事の土台である。NP は、スリランカ人権委員会(HRC)と協力したり、人権擁護活動家が困難な状況下で 活動を続けるのを支えたりしている。NPは、無防備な地域で活動する多くの人権擁護 活動家に対して護衛的同行を提供した。政府官吏が家族生活環境調査を行うのに同行 してほしいという要請もあった。多くの家族が、ワニ地区にいる友人や親戚の行方を 大変気にかけている。

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国内避難民キャンプと再定住地域の監視

 IDPのニーズに関わる地域レベル・全国レベルのいくつかの調整機構の中に、NPも 入っている。その中には国内避難民たち(IDP)が帰還または再定住した地域のもの も含まれる。上述したように、この数ヶ月間にスリランカ北部のワニ地域で起きた戦 闘によって何万人ものIDPが生まれ、人道上の危機が起きている。 NPは地域レベル・ 国レベルの関係者から要請を受けた。「あらゆる手段が確保され、スリランカ政府が 人道援助団体に対してIDPたちが収容されている地域に完全に入ることを認めた暁に は、これらの地域で監視と保護的プレゼンスを提供してほしい」と。

2006-2008年に東部で起きた同様のIDP危機の際、NPは貴重な経験をした。地域を守る ワーキング・グループとしての立場から、NPのジャフナとバチカロアの各チームは毎 週いまだに、IDPのキャンプや他の再定住地域を監視している。バッチではどちらの チームも、今月は増設されたキャンプと再定住地域を監視するよう、依頼された。 ジャフナではあらたな難民の流入とともに、限られた援助物資やモノを巡るIDPと地 元コミュニティとの間の緊張がすでに高まっている。

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コミュニティに基盤をおく仕組みのサポート

スリランカに恒久的な平和と安定がもたらされるためには、地域の独創性や枠組みが 支援され、強化されなければならない。地元のピースメーカーたちのまとめ役を果た し、問題が起きたときには非暴力的な解決を促すために、NPは自分たちが暮らし、活 動しているコミュニティの中でいくつもの信頼関係を築くようにしている。草の根レ ベルで特に重要なのは、最小単位の地元政府の官吏(GS)たちとの信頼関係である。 また、RDS(農村開発協会)などの村落協会や、農民・漁民団体内との信頼関係も重 要だ。ジャフナのチームは今月、4つの地域を代表するGSたちと面会した。そして、 以前は住民たちが逃げ出していた脆弱なコミュニティの中にある学校に子どもたちが 通い始めたということ、また別の2つの地域では、6つの学校がIDPの一時シェル ターにされていることなどを伝えた。さらに別の地域では、少なくとも600人の漁師 の生活に長期的影響をもたらした漁業規制解除のために、漁師たちが外部の支援を求 め続けている。

バチカロアでは、NPは2つの地域をGSたちと共に訪問した。そして、コミュニティに 基盤をおく団体の代表者やRDSと面会して地域の安全に関する意見やアイデアを聞い た。またある問題が起きやすい地域においては、紛争に苦しめられた家族の支援を区 長(DS)からNPが要請された。数ヶ月以内に対処する予定である。NPは、コミュニ ティ保護ネットワークの重要な月例会議にも参加した。これはCHA(人道援助団体の地 元コンソーティアム)の後援で開かれたものだった。

ヴァルチェナイでは、NPは新しい現場チーム責任者の就任を機に、政府官吏や軍人そ の他、さまざまなコミュニティの当事者たちと再会を果たした。NPがまとめたコミュ ニティ内のネットワークはよく機能している。早期警戒網もその一つだ。早期警戒網 に入っている約100人の人々は、根拠のないうわさをもみ消すために呼びかけに応じ て即座に対応することができるし、その必要がない場合でも、暴力的な状況が起きて しまった場合にそれを緩和させるように動くことができる。タミル人とイスラム教徒 の草の根のグループによるネットワークもあり、NPの敷地内にある安全なオフィス・ スペースを使いながら異なる民族間の溝を埋める活動を行っている。彼らは今月、皆 で一緒にシンハラ語を習い始めたほか、ワニにいるIDPたちの元に必要な衣類を送る 運動を開始した。

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2009年1月 報告・要旨

スリランカの一般情勢

 新年に入り、北部では政府軍がLTTEの本部のあるキリノッチを占領、一方では空軍基 地への自爆攻撃があった。政府軍の北部支配の侵攻を逃れて約25万人の難民が発生。 ワニ州では住民の50%が戦火を逃れて、その途上で多数の死傷者を出していると言わ れる。

 政府軍の包囲網は狭まりLTTEは追い詰められている。LTTEが一般市民を人間の盾とし て使用しているとか、14歳ぐらいの子供たちまで徴兵しているとの非難がある。確証 はとれないが戦闘員も一般市民も犠牲者の数が増加している。国際赤十字社は限られ た範囲で負傷者の救出や人道支援の活動を行っているが、政府支配地域に逃げ込んだ 一般市民が、生々しい苦難の話を伝えている。

 1月にはコロンボで著名なジャーナリストの暗殺やスリランカ最大のテレビ局へ の手榴弾攻撃があった。2006年以降、少なくとも10人のメディア関係者が殺害され、多くのメディア関係者は外国へ脱出している。2月初めのスリランカ独立記念日を前に全 土での治安が強化されている。

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NP活動拠点の環境

 ジャフナ地域では電気や電話網が頻繁に断絶し、ワニ州からの2000人に及ぶ難民の流 入もあり軍のプレゼンスが増大している。ワニ州出身者の多いジャフナ大学の学生た ちはワニ州の戦闘に対し又家族の消息を求めて1週間のストライキを行った。トリン コマリーでは日本からの特別平和使節団(調査中)の訪問やパレスチナのガザ攻撃に 対するムスリムのデモに備えて治安が強化された。バティカロア地域ではカルナ派の 政治組織(TMVP)内の抗争やTMVPとLTTEとの暗闘が報告されている。

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NPの活動状況

一般市民、特に子供、国内難民、再定住先のコミュニティなどの弱者や人権活動家た ちの安全と人権を保護することを優先して活動している。

* コロンボ・チーム(CRT)は、NP拠点からの要請に応えた活動を行っている。

* ジャフナから人権活動家を目指す2人の青年がコロンボでのNPのパートナーのもとでの研修のためにNPのゲストハウスに宿泊していたが、警察の初めての立ち入り捜索によりパートナー2名と,NPの運転手計5名が尋問のため警察に拘束された。
パートナー1名と運転手は翌日釈放されたが、残りの3名は拘束されたままである。NP は警察署の前で頻繁にプレゼンス行動を行っており、地元の弁護士などの協力により 間もなく解放されると希望している。(このインターン・シップは、今回が2回目の もの)

* ジャフナ拠点:様々な制約下において、チームは地域内の訪問を継続してい る。IDカードの没収、ハラスメントなどの問題、安全な場所の要請など家族から寄せ られている。また、地域や国際的NGOから紛争解決、紛争転換についてのトレーニン グの要請もある。国内外の諸機関、団体と協同しているが、ワニ州からの避難民につ いての適格な情報が得られないことが現在の問題。これらの情報の一貫性のある入手 によって国連など諸機関と協働して適切な対応・援助を提供することが出来る。

* トリンコマリー拠点:庭野平和財団助成金による地域内の平和委員会のリン ケージ(平和委員会相互並びに他のNGO、地方政府機関などとの関係)の強化と各平 和委員会内の強化のための支援を継続している。このための12のプロジェクトの評価 と実施の準備に当たっている。トリンコマリー地域の6つの平和委員会で1000人の個 人、10ないし20名の中核的宗教指導者が参画している。

* ヴァルチェナイ地域では、これまで手掛けてきた草の根の早期警報ネット ワーク内に98のコンタクト・ポイントが出来上がっている。これにより緊張状態を事 前に察知して行動することが出来る。国連のCHA(国連人道問題調整事務所{こくれ ん じんどう もんだい ちょうせい じむしょ})から人権フォーラムへの参加を要請 され、UNHCRからは最も不安定な2か所の国内難民/再定住地域で監視の中心的役割を するよう要請を受けた。児童保護活動(CPW)も継続している。

* バティカロア拠点:ムスリムの実業家が失踪し緊張が高まったのでバルチェ ナイ拠点と連携して緊急対応と監視活動を行った。翌日、解放されたので(拘束者は 不明)緊張状態は収まった。スリランカ政府のUNICEFによる活動計画(Action  Plan)に基づいた児童福祉センター(Child Welfare Unit)開所式に参加するなど 政府、治安部隊や民間諸団体との良好で強固な関係を維持している。

プログラム責任者 リタ・ウエブ

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スリランカ月報 3月月報 その1(2007年05月)

テーマ:スリランカ他NP月報 −翻訳−

概況

2007年3月、状況は更に悪化した。

コロンボの政治劇では、東部と北部のLTTE支配地域で2005年の選挙をLTTEがボイコットする見返りとして大統領が多額の金を彼らに与えたとして最大野党が大統領を名指しで非難した。

戦場では、スリランカ政府は東部への空爆や砲撃による武力攻勢を継続し、何千人もの市民が自宅から非難した。国防大臣はLTTE軍を打倒するには3年かかるだろうと公言し、停戦合意から公然と距離を置いた。

LTTEはコロンボから僅か45分離れた国際空港の近くのカトゥナーヤカの空軍基地へ初めての大掛かりな空爆を行った。続いて、東部のチェンカラディの軍の駐屯地への自爆攻撃を行い、何人かの兵士と市民を犠牲にした。

国連への威嚇を含め一般市民区域への砲撃のために、殆どの機関は活動を制限し、必須のスタッフを除いてバティカロアから引き上げた。ILO, UNDP, UNHABITAT(国連人間居住計画), FAO(国連食糧農業機関)の国際スタッフや赤十字の要員何人かが地域を離れた。

武装グループと軍の関係者がバティカロアの難民キャンプをパトロールしているが、そこでは児童を含む何十人もの難民が新兵徴募ないし諜報を目的として誘拐されている。有り余る証拠や多数の児童拉致を調査するとの約束にも拘わらず、政府支配地域での児童強制拉致を止めさせる効果的な措置は採られていない。

ユニセフUNICEFは2007年1月現在、北部と東部の県で6,241人の児童拉致を記録したと言い、LTTEを戦争のために6,006人を兵士として徴募したと非難した。彼らによると、分離したカルナ・グループは記録された6,241人のうち235人を拉致した。この国連機関は1,879人の児童が双方のグループに拘束されており、そのうち1,710人はLTTEに、169人がカルナ・グループに留まっていると言っている。

2006年4月以降の現在までの難民総数は約315,000人に達し、難民400,000人という国連難民高等弁務官事務所UNHCRが予想した最悪の筋書きに早くも近づきつつある。この人数に津波難民200,000−250,000人と2002年以前に非難した315,000人が加わる(合計すると830,000の難民と言うことになる)。更に、16,200人以上がインドに非難している。バティカロア地区の新しい難民だけで160,000人を超すと報告されている。バティカロアの地域事務局の職員が提供した最近の数字によると、バティカロアの人口422,674人の3分の1以上が避難民となり、食糧不足が発生しつつある。

難民の強制送還の多くの事例が報告されている。これが引き金となって、UNHCRは国連の国内難民への基本的指針に違反する政府主導の送還プロセスと正式に絶縁した。UNHCRは治安部隊による威嚇、嫌がらせ、脅迫、肉体的暴力の多数の事例に関する報告を行った。

UNICEFは難民キャンプの環境はおぞましいと評し、排泄物、生ごみと過密がキャンプに深刻な健康被害を起こしていると警告した。「地面には糞便と多くの小便の跡が散らかっている。子供たちは壁、テントや水源の近くで小便をしている。学校の設備は薪として燃やされている」とUNICEFは声明で述べている。

スカンジナビア主導のスリランカ停戦監視団(SLMM)によると、過去15ヶ月に4,000人を超す死亡と超法規的殺人があった。2007年には月に約360人の殺人と言う比率に急騰した。1日に10人以上が殺害されていることになる。

2006年、スリランカの人権委員会は1,000件の強制的拉致を記録に残した。2007年には、ジャフナだけで既に87人の失踪者−1日に1人以上−を報告した。

新たな、恐ろしい傾向として、首を切断され、手を縛られ、顔を損傷したバルチェナイバルチェナイ死体が公共の場で発見され、威嚇と恐怖のムードを高めている。弁護士たちはこれらの事件の目撃証人を抱えてはいるが、彼らは自分の身の安全のために警察や裁判所での公然の証言をしたがらない。

政府批判を封殺し、戦争の人権と市民生活への影響に目をつぶらせるために、人道的支援を提供するジャーナリスト、学者、人権擁護者や活動家は殺人、拉致、暴力、暴力の予告による意図的な目標にされている。

最近の世界報道自由度指標(Worldwide Press Freedom Index 2006年)では、スリランカは2002年の51位から2006年には141位に降下した。140位にはジンバブエ、142位はコンゴ民主共和国が位置している。

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スリランカ月報 3月月報 その2(2007年05月)

テーマ:スリランカ他NP月報 −翻訳−

チームの活動

バティカロア地区の治安状況はまったく予知不可能である。LTTEの政治局本部を含めた駐屯地、コカデチョライが治安部隊に攻落された現在、LTTEは今後更にゲリラ作戦を行使するであろう。戦闘はNPSLの活動にネガティブな影響を与えている。多くの道路が閉鎖され、携帯電話回線が何ヶ月も通じておらず、ために効果的な連携が阻害されている。

3月、バッティのNPSLは国連と他のINGOと共同で難民キャンプを監視することにより、強制送還に対応した。NPSLの訪ねたキャンプでは強制送還は発生せず、難民に彼らの権利に関する情報を配布することが出来た。大多数の難民家族は治安の不在のために(ムートル地区へ)帰りたがらなかったが、留まれば食料の配給が止まることを危惧した。難民キャンプへの共同訪問の可能性について人権委員会との討議が行われた。バッティのNPSLはまた1件の難民拉致を首尾よく阻止した。

バルチェナイのNPSLとの緊密な協力で、二つの家族支援会議が開催された。バルチェナイのNPSLはLTTEとTMVPに自分たちの子供が拉致されたと申し立てている75人を超す父母ために安全な会合場所を提供した。LTTEの児童権利法とTMVPの行動規範のコピーが父母の自己弁護活動に使用するめに彼らに配布された。両親が命の尊さを謳った横断幕を自分たちの手形で作った。

バッティとバルチェナイのNPSLは全ての利害関係者との対話の一環として、また、母親たちとTMVPの政治代表との会議を促進するためにTMVP事務所を訪れた。こうした努力のために、多くの家族が一箇所に集まることが出来、それにより、彼らを孤立から脱却させ、彼らの子供の解放に導く戦略を討議することが出来た。NPSLと現地市民支援グループのメンバーが推進したこうした会議は集団行動への彼らの自信を高めた。

バルチェナイのNPSLは今月32家族の訪問を受けた。また、危険にさらされた若者への安全な場所への更なる要求を受け、6人の少年に安全を手配することが出来た。UNICEFの最近の基金のおかげで、危険にさらされた50人の若者に安全な場所を用意することが出来た。更なる基金が入手可能になることを期待して、米国にあるサルボダヤ支部に要請し、目下、その回答を待機中である。

トリンコマリー地区の南で紛争が大幅に拡大してはいるが、トリンコ市の治安状況は比較的平穏である。市内の店は夕刻時に以前より長く開いており、市民は夜間にも外出している。当市の軍司令官によると、街の治安状況は可なり改善されたとのことである。

それにも拘らず、今月、日中に、この地区の北部と南部両方に猛烈な砲撃があった。3月12日以降、バティカロアからの難民は当局と治安部隊が準備したバスでトリンコマリーに帰った。これらの難民は村に漸次帰る心算で、キリベディーの中継キャンプに落ち着いている。

しかし、中継キャンプは何千人もの難民を受け容れる準備は出来ておらず、地域(エアチャランパタイ)によっては安全でないと言う事実にも拘わらず、彼らの多くは自宅へ帰ることを決めた。

辺境の農村での事件の増加がムートルとセルウイラ地区、特に難民の滞在する村で顕著である。治安部隊による何件もの殺人、拉致、嫌がらせ、逮捕、殴打が報告されている。タミール人住民は治安部隊を恐れ、夜は学校や寺院に泊まっている。近づきたくない多くの検問所のおかげで彼らの移動は制限されている。その結果、彼らの日常生活が脅かされている。当局はキニヤの2ヶ所の学校に留まる難民のためにラクリへの“下見”訪問を企画した。トリンコのNPSLはこの訪問に難民の要求で同行した。

地区チーム(トリンコマリーとムートル事務所の合同活動)としての最初の担当任務の一つとして、トリンコのNPSLはクリスチャン・エイドの現地パートナーと共同活動で、隣接するムートルの平和委員会に似た7人のメンバーからなるキニヤにおける新しい平和委員会の設立を促進した。ムートル平和委員会は150人のメンバーの3輪自動車運転手委員会の創設のような地区分科委員会の創設に向けて進展をみた。トリンコ市のサンガマ平和委員会は、トリンコのNPSLが人権能力開発の現地パートナーにスペースと信頼関係構築により立ち上げることの出来たトレーニングと研究集会に興味を示した。

トリンコのNPSLはムートルの平和委員会メンバーのための人権トレーニングに参加した。約30名が参加した。国際婦人の日の一環として別のクリスチャン・エイドのパートナーが開催した“平和への母の声”デモに出席した。現地の人権グループと共に、トリンコのNPSLは暴力の被害者の女性を孤立から脱却させる女性支援グループの創設を促進する手段を検討している。

トリンコの漁民を取り巻く支援は、市町村議会も含めCHA(人道援助協議会)や現地の人権グループと一緒に継続されており、漁業への制限が続く限り代替収入の案を話し合う会議を招集することに同意した。この間、関係者を集め、夫々と会議を持ったトリンコのNPSLが関与した結果、SLNは幾つかの制限を緩和し、漁民に制限の詳細を説明した。更なる提案がILOや漁業省の参画を得てコロンボの新しい委員会により作成され、国防省に検討される予定である。

NPSLはまた危険にさらされた家族に継続的に保護的同行を提供してきた。彼らは一家族による事件の時系列的記録を作ることを支援した。これはコロンボにおける彼らの避難所を設置することに利用されよう。トリンコのNPSLは5人の逮捕者を出した治安部隊による一斉捜査に介入した。現在、全員が解放されている。

ジャフナには、この地区が拉致事件の増加を体験したものの、幾分常態の感覚が戻りつつある。新しい緊急事態法の一部である所謂“自主投降者法Surrendee Act”の下で多くの若者が安全を求めている。殺人や拉致から避難しようとして65人を超す若者が警察の保護拘留下にあり、解放の前の社会復帰と職業訓練を待っている。

カトウナーヤカ空軍基地へのLTTEの空爆に続いて、治安部隊はジャフナの北部での海の虎Sea tigerによる攻撃を考慮して警戒態勢に入っている。その結果、漁民は漁業を制限され、食糧の供給が未だ不足している地域で更なる問題の種となっている。

ジャフナのNPSLは人権委員会のメンバーを含め、何人かの人権擁護者に保護的同行を引き続き提供した。これらの人権擁護者は難民キャンプ、地域社会、家族や自主投降者などを訪問する実情調査の間、より自由に業務を遂行し、要注意案件に取り組むことが出来る。

ジャフナのNPSLと現地パートナーは協力して人権認知キャンペーンを行っている。ある人権擁護者は80人の参加者の人権講座を行っている。ジャフナのNPSLはこのグループへの支援者として働き、参加者が将来実行するであろう提言を推進している。

恐怖を軽減させ、故郷に帰る住民の安心感醸成のため、ジャフナのNPSLは治安部隊からの嫌がらせに悩む難民キャンプへの訪問を行った。

トリンコとムートルのチームの合同は上手く行きそうである。加えて、第一歩として、現場チームとコロンボの間の連携の任務をもつ所謂コロンボ対応チームColombo Response Teamの立ち上げを行った。それはまたそれが取り掛かったコロンボの事案をも引き受けることを意図したものである。2人の地域支援コーディネーターDistrict Support Coordinatorの導入は東部のチームの支援に前向きの効果を示しているようである。NPSLは今も新しい基金調達係を探しており、また、新しいコミュニケーション・オフィサー(広報担当)を募集している。

NPSLはその最良の行動の記録に着手した。今後の数ヶ月の間、NPSLはその活動を再検討し、どのような環境下でどのような行動が効果的かを判定する。こうした再検討は自分たちの活動を評価する時間がないチームを支援し、将来NPSLに参加する新しいメンバーを支援し、更には他の地域でのNPの展開のガイドラインとして資するために意図したものである。

NPSLは利害関係者との対話を継続しているし、警察本署、大統領事務局や人権省から肯定的な反応を受けた。

NPSLはUNICEFとのパートナーシップ協定にサインした。また、3月、人権認知キャンペーンを支援するべく長年のパートナーの一つ、PAFFRELから接触を受けた。

オマール(新しい共同代表の一人で,2月のコロンボでの国際理事会会議で病気になり治療中であった)は手術から回復し、帰国待機中である。NPSLプロジェクト・ディレクターはNPブラッセル事務所を訪ね、EUとINGOの紛争地域協調セミナーに出席した。

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スリランカ月報 3月月報 その3 スリランカ以外のプロジェクト(2007年05月)

テーマ:スリランカ他NP月報 −翻訳−

フィリッピン−ミンダナオ

【概況】

ミンダナオの状況は先月以降更に緊迫してきた。3月初め、マギンダナオン地区(コタバタオの近郊)での軍隊とモロ・イスラム開放戦線(MILF)の衝突で兵士1人とMILFの3人のメンバーが死亡した。

フィリッピン政府はミンダナオのイスラム教徒に自決権を提案した。政治観測者はそれが2006年3月以来立ち往生していた和平交渉を再開するための突破口となり得ると見做している。

【NPの活動】

3月、ミンダナオにおける最初のチームの到着に向けた準備作業が続いた。プロジェクト・ディレクターのアティフ・ハミードは3月早々フィリッピンを離れ、パキスタンに帰国し、そこから活動を継続する。

準備のため、我々はコタバトにコンサルタントを雇ったが、彼が将来このプロジェクトのコミュニケーション補佐として留まることを期待している。

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グアテマラ

クラウディア・サマヨアとグアテマラ全国人権運動、人権擁護グループ(Unit for Protection of Human Rights Defenders of the National Movement of Human Rights of Guatemala)から保護的同行の要請が来た。彼らはグアテマラの人権擁護者との勇敢な活動のために多くの暗殺予告を受けているが、NPと国際的な保護的同行が彼らの生命を護り、2007年4月から2008年2月15日までの重要な任務遂行継続を可能にすると信じている。国政選挙は2007年9月7日と11月9日に実施されるが、選挙までの時間と選挙後から新政権樹立までが更なる暴力が予想される期間である。少なくとも2008年2月15日までには状況が“平常”に帰し、NPは同行を終えることが出来るかもしれない。

NPはチーム・コーディネーターを含む4人の同行者のチームを提供している。他の3人はボランティアである(つまり、彼らは他のNPプロジェクトの現場チーム・メンバーと違って、外貨手当てを受けない)、そしてグアテマラで平均3ヶ月活動する。

10ヶ月の予算総額は約US$95,000である。

【課題】

“グループ”は2006年5月の2本の脅迫電話を受けるまでは、低度の直接的な脅迫に対して保護を提供してきた。その後、“グループ”は事務所の前で監視行動が行われているのに気付いた。2007年2月3日、その事務所は侵入され、コンピューター1台が盗まれた。同じ建物の他の事務所も侵入され、コンピューターとビデオ器機が盗難にあった。我々の事務所のドアノブに殺害の脅迫状が残されていた。

数日後、その建物の団体のメンバーの家族を通じてメッセージが届けられ、そこには侵入は軍により行われたと記されていた。その情報には信用できると信じるに足る理由はある。

この“グループ”のメンバーの1人がクラウディア・サマヨアで、彼女は秘密グループ、組織的暴力と社会浄化の存在を非難する団体である人権コンバージェンス(Convergence of Human Rights)のメンバーでもある。この団体における彼女の任務はこれらグループの調査である。

過去選挙の年に、彼女はこの機関とコンバージェンスで唯1人活動をした人で、そのため、多数の脅迫を受け、その結果、国際的な保護的同行と結局は一時的亡命が必要となった。

2007年は選挙の年であるから、機関はグループとして、サマヨア氏は人権擁護者として更なる暴力の対象となることが予想される。非暴力平和隊は今後10ヶ月この機関に対する保護を提供するための介入を求められている。

【目的】

このプロジェクトの目的は、9月と11月の選挙の前、期間中、その後の不安定な期間を通じて、“グループ”の活動家たちが脅迫を受けている政治的動機による暴力からの安全確保である。

NPは個々の保護的同行を提供することによりこの目的に従事している。

【チームの活動】

プロジェクト・コーディネーターのベッツィー・クライツと今のところ2人の同行者(2人ともベッツィー同様米国出身の女性)からなる最初のチームの活動は4月に始まったばかりで、従って、その報告は次のプログラム・デパートメント月報で行わざるをえない。

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コロンビア

【概況】

コロンビアの概況は先月に悪化したこの国で活動した国際機関により報告されている。武装集団の武装解除プロセスが進行中にも拘らず、国の一部での彼らの影響力は増大しているように見えるし、新しいグループが出来ている。更に、コロンビア革命軍ARCはNGOに対する脅威を高めた。

コロンビア南西部では、3月末から4月初めの政府軍とFARCとの戦闘のために、7,000人近くの住民が自分の故郷から強制退去させられた。軍の攻撃は3月23日に始まり、かってコカインを生産していた地方の奪回を意図したものである。

【プロジェクト準備状況】

NPはコロンビアで3ヶ月間、潜在的基金提供者への接触を主要任務として活動するコンサルタントの募集広告を行い、何通かの申込書を受け取った。(この報告書が書かれるまでには、決論が出され、近く公表されることになっている。このコンサルタントが5月から活動を開始すると期待している。)

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ウガンダ

【概況】

ウガンダと神の抵抗軍LRAとの停戦は破局を迎えそうで、戦闘が再開されることの懸念を煽っている。しかし、国連(国連のウガンダ特命全権公使、ホアキン・チャッサノ元モザンビーク大統領の主導による)、国連NGOのキリストの平和(Pax Christi)による3月の国際仲介活動がこれは永続的破綻と言うよりは一時的な段取りとの希望に可能性を与えることになった。政府とLRAとの新たな(非公式な)交渉が3月末にモンバサで行われ、停戦の延長に、キリストの平和に拠れば、“意味ある合意”に達した。

【プロジェクト準備状況】

計画では6月に2人のチームで活動を開始することになっている。

クリスティン・シュワイツァー、プログラム・ディレクター、2007年4月17日

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第2回 スリランカ・プロジェクト 四半期報告(2005年4月)

執行委員会が承認したスリランカ四半期報告(今回は2004年9〜12月と2005年1〜3月の合併報告)です。

【皆様】

2004年9月〜2005年3月の第2回スリランカ四半期報告をお届けします。津波による非暴力平和隊プロジェクトへの影響によりご報告が遅れたことをお詫びいたします。

A.スリランカ進展の概略(政治及びプロジェクト)

この報告書の期間は、2004年12月26日、スリランカ及び南アジア、東南アジア地域の他の地域を襲った津波の影響後の中間報告を含むものである。津波による物理的、精神的な激変の詳細についてはこれまで色々と報じられてきた。津波は国内紛争にも影響を与えているが、その結果についてはまだ十分に出尽くしていない。しかしながら、紛争の将来の解決あるいは激化になるかもしれないいくつかの事柄が明らかになっている。スリランカの紛争の中心にある3つのコミュニティの内の最小であるムスリムが最大の人的被害を被った。内紛の震源地であり最大の少数民族のホームランドと言われている北部ならびに東部、タミール民族は猛襲をまともに受けた。シンハリ・マジョリテイの南部と西部沿岸の被害はそれほどでもなかった。

津波前の段階では、スリランカと国際仲介者たち双方の粘り強い努力にもかかわらず、国レベルでの和平交渉再開へ向けての進展はほとんどなかった。津波がLTTEと政府両者を結合させ、それぞれの相違を脇に置いて国家的非常事態に一致協力しようという望みはまだ実現していない。しかしながら、ノルウエー政府仲介者による救援と復興を管理するための政府とLTTE合同の仕組み造りについては、この報告書作成段階では、まだ積極的に協議されている。もし合意が成立すれば、そのような仕組みがこの国の将来の統治を協力して行う方策のモデルとなり得る希望がある。

このような背景に逆行する形で、南部の政治勢力の変化は再び政府に議会での過半数を失わしめることになり、連合のパートナーであるJVPは政府を支持する一方で、高まる批判にもかからず閣僚ポストから引揚させた。LTTEも同様に、主として非暴力平和隊のFTMの多くが活動しているバチカロアに限定されているとは言え、1年前にLTTEの主力から離反したカルナ大佐の残党勢力による嫌がらせにより弱体化している。例えば、津波以降に、非暴力平和隊のヴァルチェナイ事務所から数マイル離れた所で、LTTE東部政治部門責任者カウシャリアンがカルナの勢力と思われる者によって暗殺された。彼は3年前調印された停戦合意以降殺害された最も地位の高いLTTEのメンバーである。更に、政府がカルナ勢力を使ってLTTEに対し代理戦争をさせているとの噂が和平交渉の双方の当事者間の不信感を増幅させている。

この期間、非暴力平和隊は第一線で実績を重ね、その影響力を一層実証することができた。そのような影響力はこの国で最も不安定な地域である東部で極めて顕著である。ヴァルチェナイ以外のオフイスのスタッフは、減員した一方で、ヴァルチェナイ・チームは、特にバチカロア地区で、続いている緊張に対処できるように6人に増員した。4箇所の現地サイトはいずれも海岸にあるから、いずれも津波の影響を受けた地域にある。そのうち1箇所のオフイスでは津波の日に避難したが、幸いなことにどの事務所も壊されなかった。マータラのフィールド・チーム・メンバー(FTMs)は、不運にも、キャシィ・オロヴィゴー(ナイジェリア)は波につかまって怪我をし、フランク・アニムアピアー(ガーナ)はその後心臓発作を起こしたが、二人とも今はスリランカに復帰の途上にある。

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B.チームの任務と配備

【任務】

スリランカの市民が正義と恒久的平和に貢献できるよう市民の安全を強化し暴力を減少させる。(2004年メキシコの国際理事会で明確にされた線に沿い)

【目標】

暴力のレベルと可能性を減少する。
和平プロセス期間中の市民の安全を増加する。
市民参加の可能性を改善する。
市民参加を通じた正義と平和の可能税を増大する。
市民の安全を改善し市民の自身と創造性を増加する。
暴力的紛争の再発を抑止する。

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C.4チームの活動状況

【バチカロア】

2005年3月末までには、ケレン・アヤッセ(Keren Ayasse、ドイツ)、アティフ・ハミード(Atif Hameed、パキスタン)、チャールズ・オルーオティエノ(Charles Oloo-Otieno、ケニア)、アンジェラ・ピンチェロ(Angela Pinchero、カナダ)、リタ・ウェブ(Rita Webb、米国)は人口の90%をタミール人が占めるこの島の東海岸で活動しているであろう。ヴェルチェナイ現地事務所設立に尽力したスリーラム・サンダー・チャウリア(Sreeram Sunder Chaulia、インド)は学究に勤しむために2月に退任した。

現地事務所はバチカロアより一時間ばかり北にある町ヴェルチェナイにある。この地域は現在の休戦をもたらした覚書調印以降、ムートルに次いでムスリムとタミール人の衝突から生じる暴力と緊張感による被害を受けた所である。周辺の地域はカルナの出生地を含んでいるので、LTTEとカルナ勢力間での継続的な報復的殺害の著しい影響を受けており、LTTEの徴兵の最大の中心地でもある。

この地域でのチームの活動の大半は、罪のない非戦闘員の市民をLTTEの戦闘に巻き込まれないよう様々な方策を講じあるいは、児童徴兵のことで活動している家族や活動家に保護と支援を提供することである。このチームは更に、隔離されているムスリムとタミールの地域で、それらのコミュニティーと共同して保護と全般的な平和構築支援を提供している。

チームはまた、ムスリムやタミールそれぞれの社会に中での暴力を阻止するために仲介に入っている。津波以降、チームは救援に当たっているスリランカ人に輸送手段や保護を提供し、見過ごされた人道支援ニーズを他の機関に知らせ、コミュニティー活動家と協力して地域の救援と再建に市民が参画できる様々な方策を追及してきた。

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【ジャフナ】

スーザン・メイ・F・グラナダ(Susan May Granada、フィリピン)が国の最北端であるジャフナ半島に事務所を構えている。政府軍が1996年にジャフナ半島の大半をLTTEから奪取した。半島の約3分の1の土地を政府がいわゆる厳重警戒地帯(HSZs)として管理下に置いたために、ほとんど100%がタミール人である半島に住む多くの人たちが強制移住させられた。

軍事基地の存在への住民の怒り、事業やこの地域への物資の流入に対するLTTEの課税の徴収やLTTEの強制的徴兵への申し立てなどにより、この地域での緊張は高まっている。

津波以前では、スーザンは主として大島みどり(日本)の支援を受け市民社会グループや個人と共同して、半島におけるこのような緊張を緩和するために彼らの能力を強化するよう努めた。

津波以降は、チームは政府やLTTE支配地域にある数多くの罹災地域を訪れ、非暴力平和隊の新たな監視任務の活動に積極的に携わってきた。この活動のために非暴力平和隊は現地事務所を更に半島の東、津波により罹災した地域や緊張が継続している厳重警戒地帯(HSZs)のもっと近くに移動させることを検討している。

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【マータラ】

すでに述べたごとく、キャシィ・オロヴィゴー(ナイジェリア) とフランク・アニムアピアー(ガーナ)はこの地域の担当である。津波以降、事務所は1ヵ月足らずの期間閉鎖され、リタ・クルス(Rita Cruz、ポルトガル)とリタ・ウェブ(Rita Webb、米国)により再開され、人権活動家たちが津波罹災者を保護し、罹災者の声を救援と再建努力に反映させるよう様々な方法でスリランカの市民社会を支援した。彼らの仕事は今度大島みどり(日本)に引き継がれた。

この地域は国の南端沿岸にありシンハリ人が大半を占めるが、商業分野でムスリム地域が多く点在し、また、主としてこの地域の紅茶とゴム園で働いているインド系タミール人地域も点在している。この地域での主たる緊張は主としてシンハリ人からなる政府と反対政党の対立から生じるもので、時々、民族間暴力も勃発している。チームはここでは地域全般にわたって広範囲にコンタクトを築き上げており、現在、マータラとゴール地域で青年平和倶楽部を設立することに主たる焦点を当てている。

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【トリンコマリー】

トーマス・ブリンソン(Thomas Brinson、米国)が、ムスリム、シンハリ、タミール諸民族がほぼ均等に居住している東部海岸地域を担当している。現地事務所はトリンコマリー湾の南端にあるムートルにある。ソライア・マカームラ(Soraia Makhamra、ブラジル/パレスチナ)もこの事務所所属であるが現在は自宅で医療休暇中であり、最近ブラジルで開催された世界社会協議会(WORLD SOCIAL FORUM)に他の人たちと共に非暴力平和隊を代表して参加した。チームの3番目のメンバーであるリタ・クルス(Rita Cruz、ポルトガル)は帰国した。

ムートル地域は2001年12月の休戦開始以来暴力による最大数の死者を出した。この地域のムスリムとタミール・コミュニティー間の紛争によって緊張がもたらされた。チームは危険に直面しているコミュニティーに保護を提供し、緊張を減少させようとするコミュニティーの指導者たちと共に活動している。津波以前、チームは軍関係の徴兵の脅威に端を発する児童の保護の諸問題やこの地域を支配しているムスリムとタミールのコミュニティー間の対話を構築するために大半の時間を割いた。彼らはまた、ムスリム社会内での異なる派閥間の緊張を減少させるためのあらゆる方策を追及してきた。

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【新たなフィールド・チーム・メンバー】

3月、ピータース・ニャワンダ(Peters Nyawanda、ケニア)、アンディ・メイスン(Andy Mason、英国)、カレン・グリーン(Karen Green、米国)が我々に合流したが、彼らはスリランカにおける豊富な経験をチームにもたらすであろう。彼ら3人ともイギリスのボランテア団体である海外ボランテア奉仕団の一員として最近までスリランカで活動していた。彼らとキャシィ・オロヴィゴー(ナイジェリア)は、4月にスリランカでコア・トレーニングを始めた18名の新たなFTMs採用組みに加えられる。

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【津波以降の活動】

津波がこの国を襲って間もなく、非暴力平和隊はその任務を新たな状況に適応させねばならないだろうと認識した。熟慮検討の結果、プログラム委員会は次の任務に対する適応を提案した:状況の緊急性に鑑み、任務の追加は執行委員会によって策定されたが、それは次の通りである。

暴力を予防し減らし、人びとの基本的人権を保持し確かなものにしようとする個人やグループを支援し、人びとの行動と紛争の平和的解決に積極的に参加する、というNPの全般的使命を維持しながら、2004年12月26日の国家的災害後のある期間は、以下の追加的行動を実行しようと考えている。

A―スリランカ人の救援・再建作業員を含めて、被災したコミュニティやグループが、武力による、または政治的な、あるいは物理的な、実際のあるいは脅迫による干渉や暴力を受けることなく暮らし仕事することができるように非暴力的保護を提供すること。

B―NPが活動的している地域で監視し、定期的な書面によるあるいは口頭により関係者に情報を提供すること。

1)包摂的でコミュニティー参加型を奨励している救援・再建活動を識別すると同時に、党派的で慣習を排除することにより害がもたらされる活動をも識別する。

2)コミュニティを包摂し参加型の原則を追及するよう、NPが活動している地域に来た新らしい機関を支援すること。

3)最近の和平プロセスが目指そうとしている根元的な全国的、あるいは地域的な紛争の中の改善点と悪化を明らかにすること。

C―救援と再建の活動の中に関わっているコミュニティを励まし支援すること。食糧と避難所に対する基本的人権を押し進めるばかりでなく、共同体の調和と平和なスリランカを促進すること。

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津波が襲って間もなく、北東部にいるチームは、現地事務所の周辺において壊滅的打撃を受けたコミュニティーの再建のためにスリランカ人と共同して活動した。当初、仕事の大半は困窮しているコミュニティーを出来るだけ救援しようとしている個人やグループに同行と輸送手段を提供することであった。

しかしながら、多くの地域で救援物資が供給過剰になり、かつ、政府、スリランカ人や国際的グループや個人による活動にほとんど調整がないことが明白になり、一方、人権と正義を伴う平和の推進にコミットした組織の役割が一層明らかにされた。

歴史的にスリランカでは救援、再建、開発は著しく政治的コントロールを受けやすいものとなっている。

早速マータラ事務所のフィールド・チーム・メンバー(FTMs)は、ある地域の活動家から国内難民キャンプのニーズに関して調査するために難民キャンプを訪問する際に護衛的同行を求められた。

政府支配下にあるほとんどの難民キャンプに存在する軍事的プレゼンスのもとでは、その活動家は非暴力平和隊員が側にいてくれることで大変安心できると教えてくれた。

東部ではヴァチェライ地域の被害者に救援物資を持ち込みたいと思っている臨時の市民グループは、政府のチェックポイントで阻止されたが、非暴力平和隊員が同行したときは地域に入ることができた。

全国的あるいは地域レベルのスリランカのNGOやその他の団体と相談した結果、非暴力平和隊の活動任務に監視活動と報告を加えることが有益であることが分った。

ジャフナからマータラにかけて、チームはスリランカで活動する個人やグループの要請により、あるいは彼ら自身の判断で広範囲にわたり罹災地域を訪問した。この結果、FTMsはいくつかの場面で救援物資が平等に配分されていないかあるいは予定された被害者まで届いていない地域を見つけることができた。

国際機関があまり訪れていない地域を非暴力平和隊は訪問しているという評判を生かして、FTMsはこれらの地域で彼らの現場のノウハウを上手く利用することができた。この報告書を書いている段階で、コミュニティーのニーズに最適な監視と報告のあり方についてのまとめが行われているところである。

多分、非暴力平和隊は国連人権委員会が最近開始した監視プロジェクトと緊密に協同することになるであろう。加えて、非暴力平和隊は国連人道情報センターから、センターが人道状況について毎週提出されている報告書の中に人権報告を含めることが出来ないかについて相談を受けている。

バチカロア地域ではFTMsはスリランカのNGOsや影響を受けているコミュニティーを救援や再建についての意思決定に含めるよう提起することを地域の活動家たちと作業中である。

未だに政府、LTTE、国際諸機関が影響を受けたコミュニティーとほとんど相談なしに行動しているのが一般的であるので、この地域における(非暴力平和隊の活動の)成果についてはっきりと見極めることは困難である。しかしながら、すでにFTMsは救援と再建努力について忘れられたコミュニティーの声を宣伝することに成功している。例えば、ムスリム人が著しく影響を受けた地域において、ひとりのムスリムも地域救援、再建調整委員会のメンバーに原案では含まれていないことを発見した。非暴力平和隊の介入により、数人のムスリム人がこれらの委員会に任命された。

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【全般的評価】

チームは首尾一貫して設定された目標の遂行に向かって活動している。状況の輻輳した性格上、確実な成果はまだ見えないが、(主としてチームが共に活動している人々からのフィードバックによれば)非暴力平和隊は正しい方向に向かって進んでいると言うことが出来る。

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【パートナーとの関係】

非暴力平和隊のパートナーであるPAFFRELは、非暴力平和隊スタッフとの話し合いの結果もあって、最近、津波の被害にあったすべての地域で大規模監視プロジェクトを策定した。FTMsは地域開催のトレーニングのいくつかに参加し人権委員会(HRC)のガイダンスのもと、連携して現場でのプログラムの支援活動や調整業務に従事することになろう。

もう一つのNGO、サルボダヤと共同して地方の平和構築能力を開発するプロジェクトは進行中であり、今年中にサルボダヤと共同でパイロット・プロジェクトが開始されるであろう。現在、チームは多くの異なった小さな非公式なグループやコミュニティーの平和志向を持った個人と共に作業中である。

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【規模】

今年9月までにFTMの人員を25名に引上げる計画である。200人以上の応募者の中から、22名のグループが4月に評価とコア・トレーニングのためスリランカに招待された。彼らは7月にはスリランカに特化した国内でのオリエンテーションを受けることになろう。

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【任務の柔軟性】

チームの活動は与えられた目的に焦点を合わせている。しかしながら、それらを達成するためには、人間の安全保障を達成するというより幅広いアプローチが自然と浮き彫りにされ、チームはこのアプローチを実行している。このアプローチは、異なるコミュニティーに属する若者たちがともに語り合うことができるフォーラムを主催するなどの平和構築活動や、非暴力平和隊のビジョンの中核を形づくる平和維持活動を含むものである。

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【効果の源泉】

我々の有効性は我々が政治的立場をとらないことを堅持しつつ強いコミュニティー間の繋がりを築くために邁進している外国人であることから来ている。津波以降の状況では、東部では多くが“正常”に戻りつつあり、即ち、コミュニティー間とコミュニティー内部の暴力の可能性が継続し、個人とグループへの嫌がらせが継続する状態が明らかになってきている。津波被害に起因する、特に土地をめぐる争い、救援や再建一般にかかわる争いは、国の様々な地域において、これまで以上に緊張を高めることになることが予測される。それ故、市民の平和維持のための代替リソースとしての非暴力平和隊の役割は今後数ヶ月間で一層顕著なものとなろう。

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【ERN(緊急行動ネットワーク)】

緊急行動ネットワークは、すでに活動していない者に代わる新たなメンバーを緊急に探している。これまで、ERNを使用する必要はなかったが、一般への認識と抗議に用いる有効な手段として維持し続けることが重要である。参加に関心をお持ちの方、あるいは参加できる友人をお持ちの方は、プログラム局長のクリスティン・シュヴァイツアーまでご連絡下さい。

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