非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(5)2003.11.9

スリランカ通信5号/スリランカ雑感(その2)

2003年11月9日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

みなさま、こんにちは。
雑感編(その2)をお送りいたします。

1.不景気(日本?)

きょう日本では選挙ですね。そういえば昨日のBBCでも日本の景気停滞を争点とした選挙のゆくえについてレポートをしていました。

日本の不景気が事実であることに間違いはないとしても、スリランカ南部のマータラ方面では、失業率が35%近くもあると聞くと、それでもまだ日本は世界の多くの国々より恵まれているのかもしれないと思ったりします。もちろん何をもって恵まれているというのか、そして経済的問題が平和にどう結びついているかなど、考えることはたくさんあります。単純な比較はまったくできません。

それにしても、経済的な面から言えば、どこ(発展途上国か先進国か)を基準にじぶんの国あるいはじぶんの生活を計るかで、見方は大分違ってきます。もしじぶんが昨年1年間で1千万円稼いでいたのに、リストラでいまは失職中であれば、おそらくグラフはマイナス10かもしれないし、それでもスリランカの失業している人に比べればプラス10かもしれない…。そんなことを考えていくと、どういう生活を手に入れれば、人は幸せと感じるのだろうと、ため息がでます。でもそんなことを考える余裕のあるわたし自身が、恵まれているということに間違いはありません。

もしコンピュータを持っていなければ、みなさんにお便りを書くこともできませんし、文章を書く時間もなく働いている人々もたくさんいるのですから。ただ少なくとも、そういう「いまじぶんがいる場所」を客観的に見て、比較できる機会を与えられることは大切なのではないかと思います。ですから、日本に住む(特に)若い人々が、今後もっとそういう機会を持てるよう願っています。

2.季節(再び)

モンスーンの季節かと思うくらい毎日雨が降ります。わたしの苦手な雷とともに、たいていはやってきます。でも異常気象は世界各地で起こっているらしく、マータラへのフィールド・トリップに同行したスリランカ人の方も、季節が狂っていると話していました。

昨晩食事をご一緒させていただきました和光大学の澁谷先生のお話ですと、バード・ウォッチングをしていると、やって来る鳥の違いで季節がわかるとのこと。スリランカの微妙な季節の変化を知るには、日本のように待っているだけではいけないのですね。

3.好かれても困る!

残念ながら(?!)「蚊」の話です。7月にタイのチェンマイで行われたトレーニングの際にも、蚊にさされまくっていたのは、カナダからのアンジェラとわたしだけでした。もっとも彼女のほうがさらに好かれているようですが、この蚊に好かれるタイプの偏り(?)についてはこちらに来てからも変わりません。おそらくふたりでわたしたち14人全員が刺されているうちの、90%くらいを引き受けています。蚊帳のあるところでは必ず使って寝ていますが、寝ている時間以外は無防備なので、ちょっと油断していると、脚でも腕でも、10センチくらいの範囲で4−5箇所刺されてしまいます。指や足の裏などを刺すなんて、ルール違反だと思いますが、彼らにルールがあるのかどうかはわかりません。

とにかくかゆみで目が覚めますし(かゆみ止めは枕もとの必需品!)、おまけにずっと素足(ゴムぞうり・サンダル生活、建物の中も)のせいもあって、刺されたところが水に濡れる状況が多く(町中は迂回できない海のような水溜りがたくさん!)、化膿まではしないものの、皮がむけたような状態が続いてしまったりします。アンジェラに分けてもらった水に溶かす薬、ガーゼ、絆創膏で対応していますが、なかなかよくなりません。これもしばらくの辛抱ですめばよいのですが、どなたか蚊に好かれない体質になる方法をご存知の方は、どうかぜひご連絡ください!

微妙な季節の変化でやって来る鳥は違っても、蚊が季節を選んでいるかどうかはたいへん疑問です。彼らに非暴力で抵抗するのは、かなり難しそう。せめてマラリヤやデング熱を運んでくることだけは、避けてもらいたいと願っています。

それではみなさまお元気で。

大島みどり

△スリランカ通信(5)2003.11.9/TOPへもどる

前号を読む|次号を読む