非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(11)2004.1.14

スリランカ通信11号/新しい成人のために

2004年1月14日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

みなさま、こんにちは。

昨日のこちらの新聞(マータラで購読できる英字紙は全国紙のみ)に、成人式を迎えた着物姿の日本人女性たちが、ジェット・コースターに乗って、両手を挙げて叫んでいる(喜んでいる?)写真が載っていました。高級な着物と毛皮のショールに身を包んだ成人女性がジェット・コースターに乗って(叫んで)いる姿は、スリランカの人々にどんな印象を与えるのだろう?(もちろん英字新聞なので読者はかなり限られているかもしれないとしても…。またシンハラ語の新聞に同じ写真が載ったかどうかはわからないものの…)決して非難・批判ではないのですが、ちょっと、あるいはかなり不安です。

スリランカでは、そしておそらく他の多くのいわゆる途上国と呼ばれる国々では、日本は「金持ち・きれい(清潔)・平和」な国だという印象を、多くの人々は持っています。たしかにある面そうですし、それ自体悪いことではないのですが…。何をどう書けばいいのか、書きたいのか、うまくまとまりません。が、願わくば、このジェット・コースターの若い女性(そして男性)たちに、スリランカや他の国々の貧困にあえぐ同世代の人々のことを思い描く想像力と、そうした人々の姿を、いまの日本のじぶんの生活・生き方に結び付けて考えることのできる心の広さを持ってもらいたい。そしてそれを導くのが、彼らの先輩である「おとな」の役目であることを、わたしたち「おとな」ひとりひとりが自覚したい…。

スリランカにとって(そしてその他の国々にとって)、日本は決して『物質的に』だけ豊かな国であるのではなく、『精神的に』成熟した国だからこそ、「へぇ日本から?日本はいい国だよね」と声をかけてもらいたいと思う毎日です。

なんて、説教くさいことを書いてしまいましたが、実は前回「今年の目標は『忍耐力』」と書いた直後、買ってきたライト付き目覚まし時計のライトがつかないことに気づきました。「なんでぇ??あれだけお店で試したのに…」とボヤきながら、しかたなく翌日また店へ。店の人も少しだけ(?)慌てて、また3つほど試した後、やっとOKなものを見つけ、交換。「なんでこんなにダメなものが多いの?メーカーに言ったら?」と言っても、「中国製だから」とあまり的を射ない返答。ダメなものが5つも6つもあるのに、そのままそれを売るつもりなのだろうか??と思いつつ家に帰って、ライトがつくのを確かめたのですが…。10分もせずに、気づくとライトが消えている!「え〜〜〜??」アダプターのせいかと電池に変えても、ライトはつかない…。「あぁ、『忍耐力』なんて書かなければよかった…」と今度こそ、本当に忍耐力の限界を超した気分でした。で、翌日暑い中、30分歩いて再再度店へ。さすがにもう同じ種類のものに交換する気はなく、でもお金だけもらうのも気が引けて(わたしの性分?)、ほかに気に入ったものは本当はなかったのですが、ついにアダプターも電池も使わない『昔ながらの』ぜんまい時計と交換しました。ぜんまい式の目覚まし時計なんて、いまどき日本ではあまり見かけません。(というのは、わたしの偏見?)店のおじさんからも、「毎日まかないと、止まるからね」と何度も何度も念をおされたのですが、それでも家に持ち帰った当初数日間は、ぜんまいを巻くのを忘れて、何度か時計が止まりました。が、このライトも何の付属もついていない中国製ぜんまい時計、いまもちゃんと動いています。

「昔はよかった…」なんて年寄りじみたグチは言わないでおきましょう。ただ「忍耐力にも限度がある」という事実を、わたしは素直に認めたいと思います。

お説教とたわいない後日談で長くなってしまいました。仕事のほうは、徐々に地元の人々(団体)とのミーティングの数も増え始めています。ただスリランカで事前にミーティングの予約をとるのは、かなり難しいということに気づいてきました。多くの人々は1週間先の予定まで立てたくはないようです。時間になってもやって来ないこともしょっちゅうです。ここでも「忍耐力」は必須条件です。気長に待つしかないのです。

そんなわけで、きっと日本でみなさんが期待されているほどの目覚しい進展や進捗状況というのは、まだしばらくのあいだ望めそうもありません。どうかみなさん、わたしが体験している「忍耐力」の限界を、一緒に体験してください!もちろん限界を超えて、みなさんに「つまらないから読むのやめた!」と言われないような便りを書いていきたいと思っています。ご質問・ご意見などぜひお寄せください。

もちろんすぐにリクエストにお応えできるとは限りませんが、みなさんがどんなことにご興味をお持ちなのか、わたしも興味があります!(スリランカ・カレーと食べ物のリクエストをいただいていながら、ずっと書けていません。ごめんなさい!もう少しお待ちください。)

大島みどり

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