非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(12)2004.1.24

スリランカ通信12号/野外シャワーで塩浴

2004年1月24日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

みなさま、こんにちは。
水不足に悩むスリランカからお便りします。

温暖化の影響か、雨季・乾季が変動し、全国的に水不足とのことです。コロンボでも給水制限があるとの話。最近朝水が出ないことが頻繁にあり、今朝とうとう階下の大家さんに訊ねたところ、どうやらタンクの水が不足していて、階上まで水が上がっていかないらしいことがわかりました。モーターを動かせばよいらしく、「水が出なくなったら、言いに降りてらっしゃい」ということらしいです。英語があまり通じないので、たぶんそういうことだろうと理解しています。

最近停電も頻繁にあり、長引くと冷蔵庫の中のものが腐らないかも気になります。もちろんコンピュータはいざと言うときに使えるよう、バッテリー使用は極力控えるようにしています。なので、停電もやっかいですが、水不足というのは、もっと直接的に困った問題です。節水を心がけるようにしたいと思いますが、洗濯好きのわたしには、ちょっと厳しい使命です。洗濯機がないのはあまり問題ではないのですが、洗濯ができないというのは、かなり問題です…。
ということで、きょうは水についてもうひとつ。

1.塩浴は楽し!

お湯がない、もちろん湯船もない生活で、水ではせっけんがよく落ちないのであまりせっけんも使っていなかったのですが、(日本の)友人から塩をつかってからだを洗うとよいという話を聞きました。日本にいたときも、何度か試してはいたのですが、本格的にはやっていなかったので、さっそく試してみることに。

ただ、いただいたインストラクションのように、「お湯でからだを温めて…」ということが不可能なので、作った塩水を小さなバケツにあけて、そこにタオルを浸してからだをこする、というかなり原始的な利用法を用いています。もう慣れましたが、これが蚊に刺されて掻きこわした傷跡に滲みること、滲みること……これじゃあ、まるで「因幡の白うさぎ」みたい!と思いつつ、日に焼けた足の甲を見ると、「マータラの茶うさぎ」と言い換えたほうがいいかな、などと思いなおしました。汗とよごれがどれほど落ちているのか、真実のほどは比べようもありませんが、せっけんを使った後のようなベトツキは感じられません。よしよし…。塩水は洗い流すにも、せっけんのときのように大量の水は要りませんから、シャワーを少し浴びればOK。節水にもなります。

それで、実はわたしの部屋からベランダに出たすぐ脇に、使用人用のトイレ兼シャワーがあります。どうやら3つのベッドルームでもいちばん狭いわたしの部屋は、使用人用に作られたようです。なので、ベランダの脇に、半透明のトタンで屋根をかぶせたトイレ・シャワーがあるのです。三方の壁はちゃんとコンクリートで作られているので、ドアと屋根がトタンというか、(名前がわかりませんが)強風が吹けば飛ばされるかもしれないという以外は、それほど心配することのない安全浴室?です。もちろんトイレと言ってもじぶんで水を汲んで流す様式のものですし、シャワーはじょうろを大きくしただけの、人があまり来ない海水浴場にあるようなものです。ドアと屋根のすきまからは、隣の家のココナッツの木が見えますし、風が吹けば気持ちが良いか、寒いか、屋根とドアが飛ばされはしないか心配になるかのどれかです。もちろん蚊の餌食にはなりたくないので、彼らがやって来る夕方より前にシャワーを浴びなくてはなりません。

それでも、室内にあるシャワー(これももちろんトイレと一緒です。日本のようにユニットではないので、シャワーを浴びると、便器からなにからビショビショになります)を浴びるより、よほど気持ちがよいので、1月に入って以来、午後4時ごろ野外シャワーで塩浴するのが、わたしのお気に入りの日課です。もちろんミーティングやなにやらで、この時間を逃すことも多く、その日はがっかりしながら、室内シャワーでがまんします。

一年でいちばん寒い時期を迎えた日本のみなさまには、うらやましく聞こえる話かもしれませんね。野外シャワーと塩浴を試したい方、いつでもお越しください!でも、いまのわたしには、息が凍えて白く見える寒さと、温泉あるいはせめて湯船の暖かさが、身にしみるほど恋しいのです…。

2.塩辛さと甘さ、スタイルのよさ

どうしてこうも極端なんだろうと思わずにはいられないほど、料理が塩辛いことがあります。そしてその上で、スリランカの人たちは、小さなカップに何杯もの砂糖をいれて、ミルク・ティーを飲みます。最近は外で食事をすることはまれですが、外で食事をする際に、うっかり「塩は少しにしてください」と言い忘れると、大変なことになります。何度かあまりの塩辛さに料理が食べられないことがありました。スパイスの効いたカレーなら「辛い!」と思ってもなんとか食べられるのですが、塩辛いスープ、野菜炒め、(日本で考えるものとはまるで違う)焼きそば・チャーハンとなると、もうお手上げです。これじゃあ血圧が高くなるだろうに…と心配します。

そして甘さの極限をいくミルク・ティー。わたし自身はかなり甘党ですが、それでも限度がありますし、このミルク・ティーを毎日何度も飲めば、糖尿になるに違いない…と確信してしまいます。

が、こんな食生活で、しかもわたしが食べる2〜3倍の量を、それもほとんど3食カレーで食べ続けるスリランカの人々は、驚くほどスリムです。もちろん中年になって太った(と思われる)女性も見受けますが、若い人たちはほんとうに細くて、しかもスタイルがよいのです。男性もほとんどの人がやせ細っているというくらいのスタイルです。どうなっちゃってるんだろう?とつくづく思います。

わたしは日本でもからだが小さい方ですが、それでも余分なぜい肉がくっついているので、こちらに来てみると、なんだかじぶんがとても太っている気がします。こちらのSサイズは、わたしには小さすぎます。それほど特に若い女性は細いのです。それでも、スタイルのよさは、からだの機能とは比例するわけではなさそうで、やはり高血圧や糖尿病の割合がけっこう高いらしいという話は、ほかの日本人の方々からも、スリランカ人からも聞きます。

食いしん坊ではないわたしは、ともすると食生活が、いいかげんになります。「良い加減」ではなく「悪い加減」ということです。塩分はもともと苦手なので心配はあまりしませんが、甘さと栄養の偏りには気をつけなくてはいけないと思っています。先ほどもチーム・メイトのリタに「みどりは最近怠惰になって何も作っていない!」と指摘されたところです。

先日"Step by Step Sri Lankan Cookery"という本を購入しました。みなさんに遊びに来ていただくためにも、おいしい(珍しい)料理を少し覚えなくては…と思う日々です。

それではまた。

大島みどり

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