非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(14)2004.2.22

スリランカ通信14号/選挙監視

2004年2月22日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

みなさまこんにちは。日本はいまいちばん寒い時期を迎えていますね。お変わりありませんか? いまコロンボのオフィスでこの便りを書いています。前回の便りからはからずも2週間がたってしまいました。

その間にスリランカの政治状況が変わりました。大統領が国会を解散したため、4月2日にこの3年間で4度目の総選挙が行われます。3年間に4度というのはかなりの回数だと、もともと政治に疎いわたしでも思います。これについては、わたしたちの周りのスリランカ人の中でも意見が分かれるところです。

大統領と首相が協働できないのであれば、そしてそれが元でストライキが頻繁に起こり、経済もよくならないのであれば(それが理由だとは、わたしにはとても思えないものの)、解散、選挙もしかたがない、という意見。選挙をしても政治状況が変わるわけではない、税金の無駄使いだ、という意見。さて、みなさまはどうご覧になるでしょうか。

もちろん外から(外国人が)見るのと、内から(国民が)見るのではみかたも変わるのでしょうが、少しだけわたしの気持ちを書けば、今回の選挙で『こと』が大改善される見込みは持てません。誰が大統領であろうと、首相であろうと、国民のために、平和のために協働するのが、政治家の務めであるはずなのですが…。願わくば、スリランカの国民ひとりひとりが、政治家に政治を任せる義務と権利を、じぶんたち自身が持っているという自覚を持ってもらいたいものです。(政治家や政治そのものを責めるのではなく…。)そしてそのために、わたしたちNPが何をできるか、いま模索しているところです。

そしてこの選挙期間わたしたちは、スリランカの第一のパートナー団体であるPAFFREL(People's Action for Free and Fair Elections)の選挙監視に協力します。PAFFRELは投票日の1週間ほど前から、外国からの選挙監視団を大量に招聘する予定をたてています。

それに先立ち、来週火曜(24日)の候補者締め切り最終日に、わたしたちNPの10人のフィールド・チーム・メンバー(FTM)が10箇所の地区に分かれて、PAFFRELの地域コーディネータとともに、巡回監視にあたることになりました。話によると、締め切り最終日に大きな政党の候補者が駆け込み、揉め事が起こるケースがたびたびあるようです。

今回わたしたちがコロンボに集まったのは、実はPAFFRELのトレーニングを受けるためだけだったのですが(その前にも実はほかに予定されていたものがキャンセルされて…スリランカの場合二転三転は当たり前。おそらく早くて一日前でないと、最終予定は決まりません)、トレーニングの最中に、「それでは24日にそれぞれの地区に分かれて…」という話になりました。それも金曜にです。慌てて証明書の作成(写真撮影から)やら、事前に読んでおく数十ページの読み物(選挙に関する法律など)、帽子・腕章などが用意されました。これが昨日土曜の夕方です。

実際のところ、火曜あるいは地区への移動が月曜であれば月曜のそのときにならなければ、本当にこの24日(火)の監視・巡回がきちんとできるのかどうか、怪しいところです。

担当地域にたどり着き、PAFFRELの地域コーディネータに会うまでは、そしてその人とコミュニケーションできるかどうかわかるまでは(残念ながらわたしたちは英語に頼るほかないので)、どんなものになるかわかりません。まぁ、成り行きに任せるしかありません。

ということで、わたしはラトゥナプラというマータラの北にある地方に行くことになりました。マータラ以外の3箇所のチームは、チーム内のひとりがじぶんたちの地区を担当するのですが、PAFFRELの要望で、マータラには今回(火曜)監視を置かずに、わたしたち3人ともに別の地区に派遣されることになりました。もともと明日(月曜)にコロンボの日本大使館を訪ねてNPとPAFFRELの協働についてお話させていただくことになっていたわたしは、明日朝のPAFFRELでのミーティング後、おそらく午後に大使館を訪ね、夜か火曜朝には直接ラトゥナプラへ移動することになるでしょう。10人のFTMのうち半数以上は昨日あるいは今日それぞれのフィールドに戻り、そこから再度各地へ出かけますが、何人かはコロンボに留まりここから出発します。

わたしにとって初めての監視活動です。それも初めて出かける場所で、初めて出会う人たちとの仕事で、なにもかもが未定で…。かなり緊張しています。しっかり耳をそばだて(ことばがわからないのが何より残念ですが)、目を見開いて来ます。

マータラに戻った後レポート書いたり、たまっている仕事(わたしは特にチームの会計を担当しているので…)を片付けたら、みなさまへの次回の便りで来週何が起こり、何をしたかをご報告できると思います。どうぞ期待せずに(?!)お待ちください。

もし4月2日のスリランカ総選挙監視にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください!個人の方でもPAFFRELは大歓迎のはずです。(費用についてはわかりませんが…。)3月25日前後からトレーニングに入るはずです。

それではまた!お元気で。

大島みどり

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