非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(28)2004.7.25

スリランカ通信28号/よくある質問(第一弾)

2004年7月25日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

日本の猛暑は止まるところを知らないようですが、みなさまお変わりありませんか。先日は、毎日新聞掲載の件で大変お騒がせいたしました。記事のコピーをメールでお送りくださった方々、ほんとうにありがとうございます。記者の方から昨日、掲載記事のある新聞が届きました。「あ〜、こんな顔しているんだぁ」と思いました。恥ずかしいですが、日本にいないのが、せめてもの救いです。

きょうはまず先にお願いというか、ペンパルならぬメール・パルの募集についてお知らせさせてください。ジャフナのチーム・メイト、フィリピンから来ているSusanのお嬢さん(13歳くらい)が、日本のアニメに凝っていて、日本語を学びたいので、メール・パルはいないか、とわたしに問い合わせがありました。(みなさまお忙しいので、それどころではないかもしれませんが)どなたかご興味がありましたら、あるいはどなたかのお知り合い(子どもももちろん!)でご興味のある方がありましたら、ぜひわたしへお知らせください。パルになれば、フィリピンに行ったときに、きっとガイドをしてくれますよ!

さて、何度かちょっと問題提起のような便りを書いてしまったようなので、きょうは軽め(?)の、スリランカの生活と人々の一片を紹介させていただきます。もちろんこの便りを読んでくださる方々の中には、スリランカに関しての大先輩が何人もいらっしゃるので、わたしが書くほどのことでもないのですが・・・。それでも、日常レベルのスリランカを多くの方々に知っていただきたいと思います。

よくある質問−その1

「何歳ですか?」―「あ〜、またかぁ」といつも思います。「結婚しているか」という質問と同時に訊かれることもありますが、単独でもよく訊かれます。わたしは日本に居ても、童顔のせいかよく若く見られますが、どうやらスリランカ人にとってわたしの年齢は想像もつかないようです。20歳代前半だと見られることも多く、「とんでもない!」と思いますが、本当の年齢を言うと、また大騒ぎになるので、適当に「秘密です」とごまかします。もちろん病院など、ごまかせない(?!)ところでは、きちんと答えますが、みんな驚いて回りの人たちに言いふらすので、疲れます。なんだか人をだましているようで、若く見られてもあまりいい気はしません。贅沢かもしれませんが・・・。でもどうしてそんなに年齢を訊くのかナァ、といつも思います。ときどき、「女性に年齢を訊くのは、失礼です」と答えると、笑って謝りますが。

よくある質問−その2

「給料はいくらですか?」―これもまた、困った質問です。初対面の人、それも店でジュースを飲んでいるとき、立ち寄った若者から訊かれたりするので、参ります。「おいおい、こんなこと訊くかぁ?」と思いながら、これまた「秘密」とたいていは答えます。もちろんもっと(仕事上など)関係のある人たちから訊かれると、より答えにくいのですが…。スリランカ人の一般の人たちからすれば、わたしたちの給料は高額だといってよいと思います。でも、NPの手当ては、コロンボのビジネス・マンや、政府系の職場、あるいは外国人でほかの国際組織(国連やその他)で働く人たちに比べれば、ほんとうに少額ですし、福利厚生なども特に恵まれているとはいえません。おそらく日本や北米、ヨーロッパから参加するフィールド・チーム・メンバーは、自国で働いたほうがよほど金額的には、稼げるはずです。それでも、スリランカの現地の人々のつつましやかな生活と比べれば、わたしたちの受け取る金額は大きなものになると思います。それを知っていたら(もちろん正確には、わたしも人々がどのくらいの給料で働いているのか、まったく知識不足なのですが)、わたしたちの給料を答えることはできません。わたしにできることは、彼らと同じような生活レベル(もちろん限界がありますが)を保ち、貯めることができた分は、次の活動(それがどんなことであろうと、いつのことであろうと)に活かすことだけです。それにしても、こんな質問日本ではあまり考えられないですよね。年齢にしても、給料にしても、彼らに「失礼」ということばはないのだろうか?と本気で考えてしまいます。「遠慮」ということばがないのかもしれません。あるいは、考えすぎかもしれませんが、『お金を多く持つ人』=『なにか(して)くれる人』という構図がここにもできてはいないか危惧します。わたしの瞑想の先生(スリランカ人)が、「いま人々は、『この人はじぶんに何をしてくれるか』という基準で、友達を選ぶ」と嘆いていましたが、それもこんな質問に現われてはいないか考えてしまいます。これ以上続けると、また深刻な(?)問題提起になりそうなので、きょうは「よくある質問」シリーズの第一弾のご紹介で終わりたいと思います。質問や言い回しや単語というのはおもしろいもので、そこから現地の人々の生活や考え方を知るのに、うってつけの教材なので、これからもときどきみなさまに、わたしが「え?」と思う事例をご紹介できたらと思います。

休暇(キャンディのペラヘラ祭を中心に5日間)とNPスリランカ・チーム全体のミーティング、そしていくつかのイベントが重なり、8月下旬まで通信をお送りすることができないかもしれません。(パソコンを持ち歩かないかもしれません。)どうぞご了承ください。

夏本番のこれから、みなさまどうぞくれぐれもおからだにはお気をつけください。スリランカのほうがまだ涼しいかもしれないので、どうぞ「避暑」にはスリランカへお越しのほどを!(ところで、やっぱりシンハラ語には「夏」というものがないそうです。いつも暑ければ「夏」はなくて当然ですよね。)

大島みどり

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