非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(63)2005.10.16

スリランカ通信63号/離職後のNP活動(?)

2005年10月16日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

ご無沙汰しています。コロンボからお便りします。
10月9日にトリンコマリーを出て、コロンボへやって来ました。NPを離職し、スリランカ人の友人宅に間借りしています。とは言え、トリンコマリーからの移動も、来月に控えた大統領戦の選挙前監視活動にNPから参加するふたりのメンバーと一緒で、先週はその選挙前監視活動のオリエンテーションに参加したり、とまだ仕事・そしてNPから完全に切り離される状況(と気分)ではありません。

少しだけNPが関わる選挙前監視活動と、選挙監視活動についてお話させていただきます。

NPの国内協力団体でもあるPAFFREL(People's Alliance for Free and Fair Election、スリランカの選挙監視活動をすでに15年以上続けている大きな組織)は、昨年4月の総選挙時同様、NPに選挙前監視活動の依頼をしましたが、ちょうどNPも新しいFTM(フィールド・チーム・メンバー)がフィールド(現場)に、プロジェクト・ディレクター、チーム・マネジャー、プログラム・マネジャーがコロンボのマネジメント・チームに参加する時期となり、前回の選挙時のように、総力を挙げて選挙監視活動にあたることは不可能と判断、選挙前監視には、FTMの半数弱にあたる8名だけが加わることとなりました。

選挙前監視活動には、国内のPAFFRELコーディネータとNPのみが参加し、選挙活動妨害や違反、そして大衆や政党関係者等による暴力的行動(事件)を監視、報告します。現在8名のFTMは、暴力事件が見込まれる4つの地域(2−3県をひとつの地域にまとめたもの)に、それぞれ通訳・ドライバー・現地コーディネータと共に、送られています。今週末には彼らは再度コロンボへ集り、10日間の報告と、そして今後の活動プランをたてることになっています。

実際の選挙監視活動については、PAFFRELは選挙当日国内で数千人の監視員を各投票所に配置するわけですが、そのほかに昨年同様、国際社会から70−80名の監視員を呼び、監視活動にあたります。

11月12・13日あたりに、国際監視団がコロンボに集り、オリエンテーションを受けた後、数名のチームとなって、22県に分かれます。そして各県内でまた、外国人監視員ひとり対し、通訳・ドライバー・現地コーディネータが付いて、モバイル(移動)・チームとなり、いくつかの投票所を回って監視・報告を行うわけです。NPは、おそらく(現在の8名の選挙前監視活動に)さらに数人を追加して、この選挙監視活動にあたるはずです。

選挙監視活動について書いただけでこんなに長くなってしまいましたが、わたしはすでにNPのFTMではないので、これらの活動に参加する義務はまったくありません。ですが、選挙期間中にスリランカにいるのであれば、監視活動に参加したいと思っています。

2年間の総括について考える間もなく、実はドイツのNPからスピーキング・ツアー(講演会というような大げさなものではなく、各地の小さなNPの集り・勉強会に顔を出し、2年間の体験について話すツアー)に呼ばれました。ドイツ人以外のFTMを希望ということなので、わたしの苦手な大きな集会・会議・講演会等でなければ、という条件で、行かせていただくことにしました。じぶんの頭の中を整理するにも、大変よい機会だと思います。常夏で2年を過ごした身には、11月のヨーロッパはかなり寒いかもしれませんが。

2週間ドイツ(ほか)を回った後、できれば大統領選挙前には、スリランカに戻って来たいと思っています。今後のスリランカの社会を左右するはずの選挙ですから。

そしてその後は・・・?そのあとのことは、またそのときに。なにせ大統領選挙まであと1ヶ月もあります・・・と2年間で培ったスリランカ流ものの考え方が、今後日本に帰ったとき、みなさまに受けいれていただけるかは、かなり不安です。

今週は津波被災支援関係の話しと、友人達に会うために、ゴール・マータラ方面へ出かけたいと思っています。

それではみなさまお元気で。スリランカ通信に終わりがあるのかどうか不安になっている方、あと1ヶ月半くらいは続きそうなので、どうぞしばしのご辛抱を!

大島みどり

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