現地の状況
インドネシアについて
インドネシアは、東南アジアに位置する数千もの島々からなる国です。300ほどの異なった言語を話す民族が住んでいますが、ほとんどの人は国語であるインドネシア語(Bahasa Indonesia)を話します。人口は2億280万人(2001年6月現在)で、多様な宗教・信仰を持つ人々が共存しています。その中でも、イスラム教徒が人口のほぼ90%を占める世界最大のイスラム教国です。
1949年にオランダから独立を果たしましたが、政治的・経済的に不安定な状態が続き、様々な問題が耐えません。東ティモールで見られたような独立運動は、各地で繰り広げられており、武装していない一般市民が被害にあっています。その代表的な地域が、西パプア(イリアンジャヤ)とアチェです。
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プロジェクトについて
インドネシアはPBIの初の東南アジアでの活動地域です。現在、ジャカルタとアチェにチームがあります。活動中のボランティアは、アメリカ、オーストラリア、オランダ、スイス、スウェーデン、ウルグアイから参加しています。
【ジャカルタチーム】
2000年9月から派遣され、現在3人のボランティアが活動しています。ジャカルタチームの主な活動内容は、紛争地域で活動しているアチェチームのサポートと、地元住民主体の紛争解決に関するワークショップの企画・運営です。また、広報活動や地元団体や国連組織などとのネットワーク作りも大事な仕事です。
【アチェチーム】
2000年12月から派遣され、現在8人のボランティアが活動しています。アチェチームの主な活動内容はプロテクティブ・アカンパニメント(護衛的同伴) です。現在5つの地元アチェの団体にこのサービスを提供しています。
【アチェについて】
独立運動が激化しているアチェはインドネシアでも特に重大な人権侵害行為が行われている地域です。特に1989年から98年にかけて、GAMと政府軍の対立は激しく、政府(スハルト政権)はアチェを軍事作戦地域(DOM)に指定し、多くの住民が激しい弾圧を受けました。この時期はDOM時代と呼ばれ、数千人(数万人ともいわれる)もの人が殺害され未だに行方がわからない人も数百人に上ります。32年間政権を握ったスハルト政権退陣の98年以降、アチェの人々は本格的に民主化を訴え始めましたが、それを抑圧しようとする政府軍と、それに抵抗するGAMとの争いはやまず、多くの人々が犠牲になっています。2000年になってスイスを拠点としたNGO(HDC)が仲裁に入り、一時的にではありますが、虐殺はおさまりました。しかし、一方が攻撃をはじめれば他方も攻撃をし返すといった状況が続いています。
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