非暴力平和隊・日本

藤村陽子インドネシアレポート:No.3

No.3 2005年3月26日

PBI 藤村陽子

みなさま、お元気ですか。ようやくジョクジャカルタでの語学研修を終え、3月22日にバンダアチェに入りました。現在、バンダアチェに配属されているPBIボランティアは私を含めて5人です。そのうち2人は以前PBIのボランティアとして働いていた者で、今回は4月7日までの臨時勤務のようです。PBIはここに一軒家を借り、それがオフィス兼ボランティアの宿泊場となっています。私は今日でバンダアチェ滞在5日目ですが、心身ともに健康ですのでご心配なく。

バンダアチェの様子ですが、やはりまだ津波の爪あとがはっきりと見えました。壊れた建物、田畑などは上空からもはっきりと見えました。初日にタクシーに乗り、津波の被害の大きかったところへ行きましたが、悲惨な状態でした。大きな建物も家も何もかも壊れてない所もありましたし、半分だけ崩れてない建物、そして床だけが残っている家の跡がたくさんありました。その時、被害者の遺体が発見され、運ばれていくところも見ました。何人かの人々はそこに戻り、自分たちの家のあった場所を探しにきていました。見つけた者は板に「この土地は....の所有物」と書いて掲示しているようです。

町の中心地にあるバンダアチェで一番大きなスーパーにはたくさんのものが置いてありましたが、値段はやはり高めです。ただ、アクアと呼ばれる飲料水は1ガロン4000ルピア(=約35円)とジョクジャカルタでの値段より安く売られています(1ガロン大体8000ルピア)。水道水ですが、ほかのPBIボランティア曰く、衛生状態が悪いので、歯を磨くときもアクアでするようにと言われました。庶民はどうしているのかと少し心配になります。また、大通りにはたくさんの屋台が軒を連ね、食べ物を売っていますが、なぜか蟹だけはにおいがきつく食べられないそうです(1ヶ月前まではほとんどなかったようですが、私がきたときにはもうたくさんありました)。その他、コピー屋、写真屋、雑貨屋なども開店しています。

気候ですが、毎日暑いです。昨日たくさん雨が降りましたが、逆に湿気が増し、余計暑くなってしまいました。ジョクジャカルタでは雨が降ると涼しくなったのでそちらの気候が少し恋しいです。

さて、PBIの仕事のほうですが、その前に少し外国人の滞在期間について触れたいと思います。インドネシア政府は以前、外国人は3月26日までにアチェを離れなければならないと発表していましたが、3月23日付のジャカルタポスト新聞によると、当政府は当初設定していた期限(3月26日)を延期すると発表しました。しかし、新しい期限はまだ未定で、4月27日までに期限を決定するとのことです。私が話した外国人登録係りのスタッフは、3月26日以降、外国人はまた登録しなおさなければならないと話していました。しかし、人によって再登録日や詳細などの情報がばらばらで、国連のほうもよくわからないとのことでした。(国連はOCHAと呼ばれる機関をバンダアチェに置き、週に一度国際NGOを集めて情報の公開を行っています。)

PBIは津波以降、臨時のアセスメントチームを構成し、津波の被害を受けたクライアント(地元のNGO)を訪問し、今後もPBIのサポートが必要かどうかを調査してきました。同チームのアセスメントによると、急を要する護衛的動向(protective accompaniment)の要請はないが、PBIと今後も協力していきたいと答えたNGOが多かったようです。現在PBI・アチェチームはフィールドワークをまだ再開していませんが、今後、インドネシア政府からの滞在許可が出れば、同アセスメントを元に再開を検討していく意思を持っています。しかし、2週間後にはボランティアが3人になるので、新しいボランティアを待ってからになるかもしれませんが。これからはそれまでに仕事をできるだけたくさん覚え、彼らがいなくなってもチームが機能するように努力していくことが新しいボランティアにとって最大の課題となります。

日本ではそろそろ桜の季節でしょうか。それでは皆様、お体に気をつけて各方面でご活躍ください。私もPBI・アチェチームの一員としてがんばっていきたいと思っています。

藤村 陽子

△藤村陽子インドネシアレポート:No.3/TOPへもどる

前号を読む|次号を読む