非暴力平和隊・日本

藤村陽子インドネシアレポート:No.5

No.5 2005年5月20日

PBI 藤村陽子

アクセルと私とルクサマウェのクライアントの人々

アクセル(左上・ノルウェーからのボランティア)と私(左下)とルクサマウェのクライアントの人々

みなさまこんにちは。私をはじめ、PBIのボランティア全員が元気に、そして意欲的にアチェで活動しています。気候ですが、1週間前までかなり強い風が吹いたり、豪雨が1日に何度も続くという日々が続きましたが(地元の人によると、これはAngin Barat=西の風、と呼ばれているようです)、現在ではまた暑い毎日に戻っています。

今回もまず、国際NGOと国連機関の滞在許可について触れたいと思います。5月10日にまた新しい発表が出、再度30日間の滞在許可が出ました。インドネシア政府はアチェと二アス島の復興のためにBRR(Badan Rehabilitasi dan Rekonstruksi/復興と再建のための専門機関) という専門機関を設立しました。現在は同機関が国際NGOと国連機関の滞在について責任を負っているようで、また新しい書類の提出が義務付けられました。今回の30日の期限もまた延長される可能性があると思いますが、予定では書類の提出後に面接があり、アチェに滞在できるNGOが選別されるようです。

PBIのクライアントのひとつに、現在、大アチェ(Aceh Besar)にあるロン(Lhong)という町で避難民への支援活動をしているNGOがあるのですが、5月10日、彼らについてそこの避難民キャンプの様子を見てきました。ロンはバンダアチェから車で1時間30分ほど南へ行ったところにあります。そこでは家々はテントではなく木でできた簡素なもので、小さな家に何人もの人が所狭しと生活していました。キャンプでの主な問題は、いつもきれいな水が不足していること、トイレと風呂場の設備がよくなく、プライバシーが保護されていないため特に女性が困っていること、そして栄養不足といったことです。常時滞在している医師や看護婦はこのキャンプにはいませんでしたが、最低限の薬はあるようでした。こんな環境の中でも、ここのキャンプに住んでいる子供たちは笑顔を忘れることなく、外国人を見かけるとうれしそうに「Hello!(ハロー!)」と声をかけてくれました。大人たちも話し掛けると嫌そうな顔をせずに話してくれました。津波以降、この町で武装集団によって物が奪われるといった事件は起きていないということでした。

また、この地元NGOのボランティアの中には、津波で母親と2人の兄を亡くした人がいるのですが、津波被害者である彼女自身ががんばって支援活動をしている姿に心をうたれ、私ももっと役に立ちたいと思いました。

そして、5月10日から12日までの3日間は、北アチェ(Aceh Utara)にあるルクサマウェ(Lhokseumawe)という都市へ行ってきました。バンダアチェからルクサマウェまでの移動ですが、車で約6時間ほどで行けます。津波以降も銃撃を伴う事件が少なからず起きていると報じてられており、道の途中で何回か検問があると思い込んでいたのですが、行きも帰りもひとつもありませんでした。話によると、道路の検問はアトランダムに行われているようです。道中、問題は何もありませんでした。

今回のこの訪問の主な目的は、ルクサマウェにあるPBIのクライアントを訪問することです。3日間に渡り、5つの地元NGOと出会いました。北アチェも津波と地震の被害を受け、避難民キャンプも建てられていますが、西アチェとバンダアチェに比べてここの被害は小さいということで、地元NGOへの支援は十分ではないようです。私たちのクライアントのひとつは、オフィス、電話、ファックス、パソコンといった最低限必要なものがなく、十分な仕事ができない状況にあります。支援したい気持ちは山々なのですが、PBIは資金的な支援をするNGOではないので、クライアントのスタッフに支援を相談されたとき、少しつらい気持ちがありました。しかし、それ以外は津波以降も人権侵害の調査や避難民の支援など、どのNGOもがんばって仕事をしているようでした。

ここで皆さんにお願いがあるのですが、できればこの資金不足に陥っているNGOやその他、資金不足に悩んでいる平和と人権の向上に向けて活動しているNGOへカンパをしていただけないでしょうか。PBIからではなく、私を支援してくださっている日本の方々からの支援だということになると、PBIも資金の支援ができるようです。また、PBI自身も資金難に陥っています。日ごろのご支援にも感謝の気持ちでいっぱいですが、できれば資金面でもご協力していただければ幸いです。

カンパ先は下記のとおりです。どうもありがとうございます!!

カンパの送り先
郵便振替口座:00160-5-463412 口座名:PBIサポートグループ

藤村 陽子

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