非暴力平和隊・日本

非暴力平和隊実現可能性の研究【第5章 第2節】

第5章 訓練と準備

クリスティン・シュバイツアー

5.2 仲介組織の訓練

一般に第2章で述べられた非暴力や仲介のほとんどの組織では1〜3週間の訓練コースがスタッフやボランティアに用意されている。PBIや‘平和の証人’、マシンガン平和チーム、そして第2章で述べられたほとんどの民間の組織にあてはまり、より大きな組織であるOSCEやUNも同様である。全く訓練や準備を行わないところもあり、少なくとも過去には(例えば以前のOSCEや初期のPBI)そのような例は存在した。

私の知る限りで長期間訓練を行うただ一つの例外は開発業務を行うところで、期間は1年間で、言語の強化訓練を含む。これらの訓練は参加者個人の必要性に応じて組み立てられる。

他で3週間より長いものは(大学での研究などを除いては)訓練を専門に行う機関により提供され、異なるプロジェクトから参加者を受け入れて行われる。プロジェクトを行う組織はスタッフをそのようなコースへ送る(ドイツのCPSのように)か、コースの修了者からプロジェクトへの参加を募る。ヨーロッパのいくつかの機関を紹介すると、ウッドブルックで行われる「紛争に対応する」という1991年から行われている年一回の3ヶ月コースや「市民の紛争解決・平和活動の行動団の資格」というドイツで4〜5ヶ月間年に2回1997年より行われているもの、オーストリアのStadtschlainingで行われる国際平和維持コースは1993年に始まり年に3回2週間の基礎コースと2週間の専門コースで合計四週間になっている。

オランダとフランス、ドイツではそこでのCPSの枠組みの一環として、トレーニングが行われている。オランダでは4週間のコース、フランスでは3つの基本単位でそれぞれ1〜2週間を一年間にわたり行い、ドイツでは4ヶ月の一括コースが行われる。3つの全てのコ−スで海外で活動する準備をしたいという参加者があまりいないという問題がある。ほとんどの経験ある派遣組織では(EIRENEやその他の開発団体、PBIも含め)これらのコースの有用性をあまり見出していない。オランダでは、軍がこれらのコースに興味を示し、フランスとドイツでは政府が自分たちのスタッフのために別のコースを作っている。

北アメリカでは長期トレーニングはイースタンメノナイト?大学やカナディアン レスター B.ピアソン平和維持大学などの教育機関により行われている。ヨーロッパに比べて独立した訓練機関は少ない。(フィラデルフィアにあるジョージ・レイキーの機関はその一つ)

本当に少ない組織が少なくとも訓練の一環としてその国で任務の初めにトレーニングを行う。ウィットネス・フォー・ピースはその一つで自国でトレーニングを行った後3週間の現地トレーニングを行い?????? liased with families and checked in daily with the trainers.

任務特化訓練(準備)は時に一般的な訓練と分けて行われるが一方で小さな組織などでは、一度に行われることが多い。特別な訓練とは現地の情報、文化と紛争、あるいは言語である。いくつかの組織や任務では例えばEMPSA/南アフリカのように、現地で訓練が行われ、その他では現地出発の前に行われる。(ドイツ開発事業)

いくつかの組織では評価と訓練は一度に行われ、例えば国際平和旅団などでは訓練の最後に参加者の自己評価がトレーナーによる評価と共に行われ、訓練を受けた者がPBIのヴォランティアになるべきか判断される。バルカン平和チームは同じようにやっていたが2年で止めた。というのも評価を重視すると参加者の学習の妨げになるからだ。

国際赤十字委員会(ICRC)と国際赤十字連盟、及び赤新月会は1週間(5〜6日)の基礎コースを1993年に導入した。それは全ての国の赤十字で行われている。このコースは新しいスタッフを赤十字と赤新月に紹介し派遣者としての任務を遂行するための準備をしてもらうものだ。コースでは参加者の評価もでき、現地での適切な職位を決めることができる。さらに現地へ出発の前には新しいスタッフはジュネーブのICRC本部で追加の訓練を受ける。

OSCEは最近市民参加者を訓練することに興味を持ち始めた。コソヴォでの任務で適切な人材を獲得することに困難を極めたからだ (第2章第4節参照) 。REACT(迅速な専門家の援助と協力のチーム)計画は2000年から2001年にかけて始まった。REACTは人事に必要な基礎を確立し、募集の過程と任務前の訓練基準を統一した。幾つかの国では将来のOSCEスタッフのための訓練コースを始めている。例えばドイツの外務省は2週間の訓練を開発し、オーストリアとスイスではOSCE職員に訓練を行っている。(以下参照)

軍の平和維持には派遣される国によって軍人がどの程度平和維持のための訓練を受けているかは異なる。訓練を行う時はたいてい1〜2週間国内で行われる。幾つかの訓練は国外からの参加者も受け入れる。幾つかの国では訓練専門の機関が設立されている。例えばカナダのレスターBピアソン平和維持大学(機関)、オランダのマヌエヴェ?訓練センターにある平和維持活動学校、カイロアフリカ地域 紛争解決と平和維持訓練センター、トルコ平和訓練センターなど。他の国では軍の教育機関やそれに準ずるものが訓練を行っている。合衆国スクールオブアメリカ、スウェーデン国立国防大学など。幾つかの軍隊は派兵の前に兵士を集め訓練を行い、派遣地域の基礎知識と任務について情報を与える。その他全く何も行わないところもある。

任務に対する準備は自分たちで訓練を行わず、訓練機関例えばIPT/StadtschlainingドイツのCPSなどに職員を派遣している組織にとって大きな問題になっている。これらの機関で任務に則した訓練を行うことは不可能である。それぞれのコースには、他の任務を行う人もいるからだ。Truger (1995)は準備の必要性をすでに強調しているがIPTはそのような準備を自分たちで行ってはいない。ドイツKurve Wustrow国際訓練は何度かBPTのプロジェクトように(?BPTのようなプロジェクトに?)2〜3日の一般訓練を追加した。ドイツのCPSはもともと派遣元の組織に2週間の任務準備を行わせ、コースの終わりにはGerman CPS had originally expected the sending organisations to organise two weeks of mission preparation after the end of the course, but this has not been realised so far.???

派遣元組織の方法や方針については訓練の中に入っているかもしれないが、その場合はたいていその組織自身によって行われる訓練や、特にスタッフが将来違う任務につく場合だ。

まとめとして、基本的に紛争仲介任務のための職員派遣元の組織には以下の異なる選択肢が与えられる。

  • 自分たちで訓練を行う。例:PBI、WfP、オーストリア平和サービス
    毎年少数のボランティアしか必要でないので年に1‐2度しか訓練は行われない。応募者は長い期間参加と修了を待たねばならない。しかし派遣元は自分たちの都合に会わせて日時を変更できる。
  • 訓練専門期間へ送る。例:ドイツCPS、UN,OSCEは職員をStadschlainingやスイス平和基金やイタリアのピサのScuola Superiore Sant'Annaに送っている。NGOはイギリスの紛争への対応という機関やドイツのKurve Wustrowに送っている。
    この場合派遣元の組織は訓練コースのために時間もエネルギーも費やす必要はないが、日取りについては決定権がない。ドイツのCPSでは数ヶ月もコースの開始を待つくらいなら訓練をしないという組織も少しある。
    一方、訓練を行う機関では、コースに十分な受講者がいないという問題を抱えている。特に長期間のコースで。4ヶ月のドイツCPSのコースでは定員に達したことが一度もない。全キリスト教会のある組織が行う中程度の長さのコースは減少し、かわって働きながら通う定時制のコースが好まれている。紛争への対応という組織は参加者に一度に部分的にだけ受講する事を求めている。先に述べたようにフランスとオランダでも受講者は定員に満たない。
  • Kurve Wustrowはかつて3つの平和チームのトレーニングを一度に行うことをヨーロッパ・ボランティア・トレーニングで試した。1996年の1月、PBIはスリランカに行くことに関心を示しBPTはクロアチアかセルビアでの任務に備え、CPSは2週間一緒に(コースを受けに)来た。
  • 準備コースはそれぞれの受講者に合せ調整でき個人差を埋める事が可能だ。newly hired still has???例ドイツ開発機構
  • 十分に資質のある者のみ雇う。例:参加者は応募以前にトレーニングコースを修了している。(OSCEはかつてこれを方針としており、UNVでもしばしば見られた。)

訓練と準備に加えて、他に5つの関連事項があるかもしれない。

  • PBIが行っているような週末のオリエンテーションプログラム。選考された応募者はすでに受講しており、また将来ボランティアをするかもしれない人たちにも組織の仕事についての情報を与えている。
  • 評価:
    誰を選ぶかを決める事を基本の目的とするトレーニングと共に行われることもある。(例 BPT)
  • 特別コース。例:選挙の監視や調停では現地へ赴く前や何度か訪れた後に受講が必要かもしれない。
  • 反映すること。任務最中のトレ−ニングの中に生かせるかもしれない。
    BPTでは現地で2つ以上のチームが存在するとき少なくとも年に2回は会合を開きそれぞれの経験を検討し比較する。時には外部のトレーナーにも一緒に仕事をしてもらう。
    ドイツのCPSから派遣される職員は年に1度「経験を反映するセミナー」に集まり、4ヶ月の訓練を受けたトレーナー2人と外部のトレーナー(1〜2人)に指導を受ける。
    Kurve Wustrowの国際訓練(所?)は実務経験者の訓練の必要性を強調している。Kublerは「経験者のためのフォローアップトレーニングは大変重要である。」と述べている。
  • 配備後の報告会:
    このような報告会が重要であると多くの組織が強調する中で実際には非公式に行われているように思われる。例えばBPTでは代表者が会合を持ったり、事務所を訪れるなど。一部のボランティアのみが定期的な報告会を持っているように思われる。

理想的には応募時から組織での任務の終了時まで訓練が受けられるとよい

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