非暴力平和隊・日本

非暴力平和隊実現可能性の研究【第5章 第4節】

第5章 訓練と準備

クリスティン・シュバイツアー

5.4 基本的な選択と推薦

NPの将来像に対する草案を以下に記す。

「訓練:
複雑な紛争の状況は高度な資格と有能さが求められる。平和隊の活動メンバーは2ヶ月の非暴力、紛争解決、文化的に微妙なこと、仲裁技術、そして紛争転換の歴史と理論に重点を置いた一般訓練を受ける。付け加えて、紛争地域に入るときの軍隊の訓練モデルも使われる。

最長2ヶ月の特殊訓練は配置地域に焦点がおかれ、それには言葉や文化、紛争地域の分析と平和的な約束についての適切な方法の話し合いが含まれる。全てのまたは一部の訓練は配置地域で行われ、その地域の紛争解決者と共に行う。

さらに高度なトレーニングは様々な特殊な方法で行われ、その中には守るためにそばに居る事、紛争転換、調停が含まれる。全てのメンバーに対し、教育の継続が求められる。」

この草案に対し、独立した形で考慮と提案がなされている。つまり、「このモデルを実現するのに最も良い方法はなにか」ではなく、「何が一番良いモデルか」と聞いているのだ。そしてこれらの反省を草案と共に比較する。

ATPプロセス(評価、訓練、配置プロセス)を計画する際基本的な幾つかの選択肢がある。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.1 そもそもなぜ訓練し準備するのか

全ての組織が現地に送る要員に特別な訓練をする訳ではないが、訓練ついて広く認識されていることがある。

その共通認識は:

  • 非暴力仲介の方法や知識には一般に大学の平和研究や授業に入っていない重要な部分が存在する。
  • 多元の文化や深く離された社会の複雑な状況に対応する技術が必要であり、それは普通の職業では経験することができない。
  • グループで学習する経験は現地でチームで働くこと絵の重要な備えとなる。
  • それは参加者にお互いから学ぶこと機会を与え、個人的な経験や知識をコースの中に持ち込む事ができる。
  • 訓練は現地での作業に入る前にグループのアイデンティティーを構築する良い機会を与えてくれる。
  • カールシュティーレンの言葉によると、大志あるNPのプロジェクトは以下のことを要求する。「NPのそれぞれのメンバーは非暴力の成功のためとても慎重に選出されねばならず、また訓練はただ単に武器を持たないボディーガードになるためのものであってはならない。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.2 訓練と評価を結び付ける?

PBIは一般訓練と準備と評価を結び付け一週間の授業にしている際立った例である。彼らは訓練と評価を結びつける事は好ましいとしていて、それは「現地では多くのストレスがあり、ストレスの元で人がどのように行動するか見ることは重要だ」からだ。それにボランティアは自分自身を再評価することを常に求められる。もう一つ良い点は課程の簡素化(2つのところを1つにできる)で、組織にとっても受講者にとっても授業数と経費が減る。

その他のプロジェクトの例として、バルカン・ピース・チームは評価の項目は受講者にとって負担であり、学ぶことを妨げ評価に集中し良い印象を与えようとするとして、このような結合はすぐに取りやめられた。(上記参照) 

提案:評価と訓練を分ける。マライケ・ユンゲとティム・ウォリスが6章で提案したように、評価を数日にまとめる。

評価は、BPTが行ったように、NPについての情報と非暴力への導入、参加者の動機付けの反映、より長いロールプレーや模擬ゲームを含むNPの活動の正確についての基本的な事柄を教え、最後に自己評価とNPのスタッフによる評価を行う。

一つの考慮すべき重要な事柄は参加者の文化的な差異である。Berndt/Sternbergの指摘によるとBPTではPBIの評価のように全てのアフリカの受講者が不合格だった。国際的な組織においては、評価の基準を一つの文化に基づいて作るべきでない。

しかしながら、訓練の後にそのヴォランティアとの契約や合意がキャンセルできるような基準は作られるべきであり、なぜなら評価時は気付かなかった新しい局面が現れ、将来のボランティアの適性に疑問を投げかけるかもしれないからだ。もちろんその権利は申込者にも反映されるべきであり、トレーニングの後に制限を受けずに取り消す権利が与えられるべきである。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.3 どのような訓練と準備が必要か?

実務的なこと(得られる資金や時間)以外では、自らの職員を訓練するこれらの組織は訓練と準備を結び付けている。ここで言う訓練とはより基本的なこと、即ち非暴力や紛争転換技術文化や性別に対して敏感であることなどであり、準備とは組織の目的やその紛争、国、言語などを学ぶことである。3つ目の分類はいわゆる専門化で特殊な活動技術である。(下記参照)。もちろんこの3種類には重複する部分がある。

ほとんどの訓練機関は、調査が行われた派遣元の組織と同じ様に、少なくとも理論的には基本的な訓練と準備は分けて行われるべきだと考える傾向がある。準備は一般的な訓練が行われる中で構築される。この傾向はNPドラフト提案とATP課程の両方に一致する。

したがって、提案としては、基本的な訓練は具体的な現地での活動のための準備や全ての人が知る必要のない専門的な技術の訓練とは切り離すべきである。しかし切り離すということは時間的な隔たりである必要はない。準備は休憩なしで基本訓練の後に行われるかもしれない。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.3.1 基本訓練

訓練の基本的な目的はNPのボランティアに後のNPの活動を成功させるための基礎を身につけてもらうことだ。具体的には私はNPの訓練で以下の目的を提案したい。これらは他の訓練機関や派遣組織が彼らの活動のために発展させたものを基礎としている。

  • 参加者のやる気をひろげるのを助ける。
  • 参加者の個人的な強みや弱み、優先準備を深く自覚するのを助ける。
  • 非暴力の姿勢、考え、実践について深い理解を発展させる。
  • 性別や年齢、生活様式、民族や文化や国の違いなどに対しての態度や振る舞いを分析、理解し活動する。
  • 異なる種類の紛争とその原因を分析し理解することを学ぶ。
  • 紛争転換(平和構築、平和維持、紛争解決を含む)の方法にはどのようなものがあるか、またどのような状況で適切に用いられるか知る。また非暴力紛争介入に関する技術を発展させる。
  • 参加者が直接介入/戦争での非暴力活動/内戦で直面しそうな問題や状況を探索する。
  • 多国籍多文化のグループやチームで協力することを学ぶ。
  • 組織の命令や方針について学ぶ。(基礎訓練がNPで行われる場合)

異なる選択肢も数多く存在し、基礎訓練にしたがって選択される。

  • 全てのNPメンバーは同じ訓練を受けるべきか、それとも個人の資格やこれからの活動内容によって内容は多少異なってもよいのか。以下はそれぞれの利点である。

    基礎訓練は同じ異なる訓練NPは全員が同じ知識を持って居ると確信。訓練は各個人に適切に対応している。個人個人に合わせる必要がないため準備が簡単である。より大きなスケールでは多様な人が集まり全員が同じ技術を持つ必要がない。

    提案: 個人が必要なことにできる限り対応するように努力する。即ちそれは例えば初期には3つの選択肢しかないということだ。

    • 国外や紛争地での適当な経験のない者に対して基礎の基礎訓練。
    • 海外での経験はあるが扮装転換の経験のない者のための訓練。
    • 国内で紛争に対して経験のある者に対する訓練。彼らが学ばなければならないことは任務遂行準備の内容だ。
  • NPは公開されている既存の訓練を使うべきか、または自分達で組織すべきか。
  • 以下はそれぞれの長所である。

    既存の訓練を使用 自分達で組織する
    応募者は自分で参加するコースを選べる(もちろんNPが認めるコースである必要はない)ため、準備があまり必要ない。費用も安い? NPは全員が同じ基礎知識を持っていると確信していなければならない
    異なる手法を知ることで後にチームを強化する NPの団体としてのアイデンティティーが早い時期から強化される
    NPは訓練を行っている他団体と競争する必要がない 将来の職員やボランテイアに対して更に査定を行うことが可能だ
    実績のある訓練が行われる(内容の保証) 独自の基準と独自の訓練方法を決めることができる
    どの訓練が適切か判断するため訓練基準を開発し応用しなければならない 自分達の教科課程を決めなければならない
    例:シュタッド-シュライニングでの2週間基礎コースまたはカーブウシュロトウ(10日間)での国際訓練、またはウッドブルック(紛争への対応)やドイツCPSでの長期訓練 もしもNPの役割が紛争状態での人々を訓練することにあり、それが可能ならば自分達の訓練は強力な事例である
      例:NPカナダはカナダ人のための基礎訓練を行いNP日本は日本人のために行う。または世界中の人が集まる中心地をひとつ設置してもよい

    訓練が自分達で行われるかどうかは予定される訓練の長さにも依る。2ヶ月以上の訓練はほとんど市場になく、200人(以上)のNPボランティアを急に受け入れるところもない。したがってこの様な場合は自分達で訓練を設置しなくてはならない。

    もし2〜3週間の短期間の場合、既存の訓練機関を使用してもよいし、地域のNPが追加でそれぞれ訓練を行うかもしれない。(例えばカナダ)。両方の長所を見比べて、私は独自の訓練に一票投じたい。なぜなら独自のコースについての議論が重要であるように私には思えるからだ。

    もしNPが2〜3週間の独自のコースを行うならば、既存の組織にNPに協力してもらえるようお願いする方が、全てを初めから自分達で行うより(講師を探す事を含めて)いいかもしれない。1番目のケースの利点はそこにはすでに基幹組織が存在するということだ。逆に難点は訓練機関ごとに訓練方法による内容の違いが現れることだ。従って統一性というものを教えなければならない。この問題を克服するため、NPがどのような団体であるかしっかりと理解し、基礎訓練での補佐講師として働くNPの講師団を形成するか、または訓練がNPの講師のための訓練を受けNPの特性を理解している講師を少なくとも一人は持っている機関に訓練を依頼すべきである。

    場所:もしNPが独自に訓練を行うならば、どこで行うかが問題となる。異文化・多国籍での訓練が渡航費用よりも重視されるべきだ。

    提案:もし独自で訓練を行うなら、実務に近くお互いから学ぶ事柄が多い多国籍で行うべきだ。世界に2つの鍵となるその地域の中心地を設け、よく協力して訓練を組織する事を推奨する。

    この提案はもう一つの、各国のNPが訓練を行うというものとは反対のもので、また、全てのNPメンバーが共通語を話すということが前提にある。

  • 基礎訓練の長さはNPの中で議論を呼ぶ問題かもしれない。草案では2ヶ月、マレイケユングとティムウォリスの提案では初期訓練は2週間が適当としている。
    幾つかの点が上に述べられている。
    • 2ヶ月の訓練の費用:訓練が行われる場所に大きく依存するだろう。具体的な数字はないが、ドイツ程度の物価では一人あたり、6,650USドル程度見積もられる。この中には2人の講師と一人の補助講師、子供の面倒を見る人、開催する場所、食事、宿泊、(とても少ない)ヴォランティアの給料、事務諸費用が含まれる。さらに、訓練は15人のグループで行われたと仮定している。この人数は多くの講師達から相互的に訓練に参加できる適切な人数であると推奨されている。人数が増えれば当然費用も減る。そうなれば参加者が費用を払う。(?)
    • 訓練の期間中NPが参加者に給料を払ったとしても、時間的な問題で十分な人数が参加できるかは疑問である。参加者が訓練に参加し、その後時間があいて準備と配置があるなら問題となる。なぜなら、2ヶ月間も離れると仕事を失ってしまうからだ。無職のもの、夫や夫人や家族に養われているもの、学生だけが2ヶ月間仕事から離れられるだろう。将来の職員の選択肢を狭めないためにも、NPは雇用を提供することから訓練を始めなければならないだろう。
    • 2〜3週間より長い訓練が必要なとき、一つ別の選択肢がある。週末に1〜2年にわたって訓練を行うと共に、その間何度かまとめて1週間の訓練を行う。すでに述べたように、これは多くの訓練機関で参加者が集まらないためにすでに行われている。
    • とき行われるのはどういう意味があるのだろうか。たぶん志願者ごとに長さを変えるのが適当だろう。経験のないものはより多くの訓練が必要となる。(上記の推奨を参考のこと。) 反対に、ドイツのCPSでの経験は、少なくとも私の目には、4ヶ月のコースでさえ、欠点を克服し、力のない参加者を育てる能力には疑問がある。これらの資格は個人的な特質に関係しており、訓練が何年もかけて行われるのでなければ私の目には参加者がすでに持ち合わせているものに思えた。

提案:
初めは2週間の短期間基礎訓練(続いて準備)を行う。これは費用面と、長期訓練の有効性が見止められない事による。(使命のための準備と必要と考えられる特殊コースが追加されることも忘れてはならない。)

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.3.2 使命に特化した準備

「割り当てられた活動を成功させるため、和平構築者はその活動地の特殊な条件にできる限り適応し活動を一般的な紛争状況とそれに関わっている人々に結び付けなくてはならない。」

全ての調査はチームが訓練を一緒に受けることは大きな利点であると示している。なぜならチームを構築することを訓練が助けるからだ。紛争地が危険過ぎる場合、そこで、またはその近くで、準備を行うことには大きな議論がある。

準備の期間はボランティアがやる仕事の性格により異なるだろう。例えば、PBI講師のマイケル・ヴァリアントは共同作業などは1週間で教えられるが、それ以上の訓練や経験は現地で得られると考えている。私の考えは徹底した準備はもっと時間がかかり、たとえ参加者が自分達であらかじめ準備を、例えばその地域についての本を読んだりその紛争について詳しい人に会うなど、していたとしても、私は少なくとも2週間の追加の準備期間が最低限必要だと考える。

言語訓練はこの準備に含まれるべきではなく、習得には依り長い時間がかかるため準備とは分けて参加すべきである。言語の集中訓練(1日中) を行う機関はそれぞれの国に存在する。NP応募者は受け入れられグループに入ったらこの様なコースを受けることが必要とされる。これはNPにとって必要な出費である。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.3.3 専門化

職員のセクションでの提案に続けるため、専門化についての更なる訓練と可能性について提供されることは有益だろう。2つの可能性が考えられる。(これらは必ずしも矛盾しない。)

  • 現地にすでに派遣されている者への訓練。すでに述べたように大変有効であると実績があり、NPの計画に組み込まれるべきである。
  • 人々に市場にあるコースに参加するよう呼びかける。それらのコースは調停、選挙監視、または簿記のような実践的なことである。

これらの専門コースは1〜2週間である。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.4 一般訓練の内容(T)、使命への準備(P)、そして専門化(S)

訓練の内容は教科課程についての問題であり、この研究の範囲ではない。教科内容は訓練に対して特定の経験を持った世界各国からの講師のチームにより発展させていく事を薦める。それによって一つだけの文化、例えば西洋的な訓練方法が主導権を持つことを避けることができる。

しかし、以下のトピックリストは様々な派遣元や訓練機関のプログラムを基礎にあげられたものだ。誰が教科課程を準備するにせよ、存在する教科課程を読み参考にするべきだ。もしかすると始めから作り直す必要はないかもしれない。上記で述べられた訓練と準備の異なる方法については特に留意すべきである。特にどの程度非暴力についての訓練が行われるべきかは議論になる。もしNPが非暴力介在を主な目的とするなら、使命感に帯びた人を求め、実用的な考え方をする人を排除しているという印象を与えないように注意しなくてはならない。反対に、その活動を行うためには非暴力紛争転換がどのように働くかを理解していなくてはならない。

非暴力訓練モデルは全ての人が非暴力に関しては等しく訓練を受けると仮定している。(その他の事項はその必要はない。)専門的な訓練モデル(IPTなど)はすでにある特定の技能を持った人々に対してその技術をどのように紛争に応用するかを訓練する。その中間ではそれぞれの役割や責任、技術や経験に応じて訓練が行われるかもしれない。その中には全く知識や技能や経験のない人のためのとても基本的な訓練や、とても専門的な技能を持った人や、現地でとても重要な責任を負う役目の人も含まれる。

訓練の一番始めには、現地で何が必要か見極めることであり、その事を実行するにあたり、どんな訓練や準備が必要か問うてみるべきだ。

すでに述べたように、多くの組織では基礎訓練と専門化の訓練は区別されている。もしも基礎訓練の参加者が後に別の組織で働くなら、特定の組織の命令系統や方法についてや一つの紛争地の文化や紛争分析などは訓練に含まれないだろう。もしも全員が同じ組織でそのまま働くが、違う任務に従事するなら命令系統などは含まれるべきだが、紛争については含まれないだろう。

付け加えて、幾つかの職務はより専門化した訓練を必要としており、例えば広報活動やプロジェクトマネージメント、経理、事務所経営などは同じ任務のグループの中でも特定の職員のみが行う。これらの実務的な職務がここで言う専門化にあたる。混乱を避けるため、はじめにはっきり言っておくと、事実シュタッドシュライニングのIPTやドイツのCPSのコースのほとんどが特定の任務、例えば選挙監視のような任務に対応しており、全員が参加する。任務が複雑で大きな物の場合のみ、例えば平和維持、平和構築と選挙準備が異なって分割されているUNの複雑な任務などでは市民社会構築や人権保護に対し、専門化、と言うことは適切だろう。いつかNPもそのような役割を果たす時が来るかもしれない。しかしこれまで小さな(または少し大きな)市民の任務が教えてくれたことを見ると、私には職員はいろいろな職務をこなさなければならず、監視をし、地方の団体と交渉し、NGOに助言するといったことを自分の職務と同時にこなさねばならない。従って、これらのことを専門ではなく、訓練と準備の項目に含めた。

参加の動機(T&P)
  • 動機、例えば人生の旅の共有
  • 死や苦痛に対応する
理論的枠組み(T)
  • 紛争分析、ジェンダーに関する問題を含む
  • 介入戦略
  • 公平さの概念
紛争解決技術(T,すこしS)
  • コミュニケーションと聞くことの技術
  • 調停、進行など
  • 訓練技術
非暴力技術(T)
  • 非暴力の歴史と理論・原理
  • 自分自身と非暴力の哲学の位置関係
  • 和解の概念
協調性と自覚(T、P)
  • 自分の役割の反省
  • 欲求不満やあいまいさ、板ばさみに対応する
  • 緊張を減らし息抜きをする技術;起こりうるトラウマや恐怖に対応する
  • ジェンダー問題についての自覚
  • 年齢問題についての自覚
  • 生活様式について
  • 文化的国籍的差異
特別な非暴力活動技術(P,S)
  • 付き添うこと・プレゼンス
  • 異なる監視技術、例えば選挙監視
  • 暴力の危険があるときの危機仲裁(介在など)
  • 群衆制御
  • 非暴力直接行動
関連した問題に対する知識
  • 人権、国際法
  • 国際団体の命令と方針(UN,OSCE,NATOなど)
  • その分野の国際NGOの命令と方針
  • その地域のまたは土着の組織による平和構築
  • 人道援助
その他の関連ある技術(P、すこしS)
  • 戦略を立てプロジェクトを計画する。
  • 社会運動
  • 能力構築
  • メディアに対応し広報活動を行う
  • 報告書を書く
  • プロジェクトを維持遂行する
  • 経理財務報告
  • 収入確保
  • 死やトラウマに対するカウンセリング
  • 地雷の自覚
  • 無線通信、4輪駆動車運転、地図解読
  • プロジェクトを評価する
チームで活動する(T&P)
  • 決議
  • 生活様式と集団に関する問題
  • 信頼関係の構築
  • 異文化コミュニケーション(チームで)
  • 批判をする・される
  • 指導者の訓練
実際的な問題とロジスティック
  • ビザや入国の情報など
  • 通訳と活動する
  • 情報伝達
  • 伝達技術
  • 適切な衣類
  • その他のその国でしていい事悪い事
  • 医療条件
  • その他の安全に関する推薦事項
その組織、命令とプロジェクトの目的
国と紛争についての知識(P)
紛争の歴史と規模
  • 文化の理解(文化的に敏感であること)
  • その地域のNGO、土着の紛争解決努力
  • 言語訓練

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.5 どうやって多くの参加者に対応するか

NPにとって最も大きな挑戦の一つは多くの職員にどう対応するかである。計画では一度に最大2000人まで現地に派遣する。平均1年滞在すると仮定し 2000人が一度に休まなくてもいいように半年に一度入れ替わるとするとすくなくとも1年間に6000人が訓練を受け準備しなくてはならない。訓練人数が 15人だとすると、1年で200の訓練と200の任務準備が必要になる。

このものすごい数に対応するため、私は一つの訓練の人数を増やすか、もしもそれが100人、200人一度にを訓練するのであれば、軍隊式の訓練方法を導入することを提案する。訓練の成功は困難だろう。それよりはNP職員の訓練だけに対応する小さな機関を世界のいろいろな地域に設立するか、または訓練の中心地をもっと小さな地域単位に移すことも考えるべきだ。しかし例えば100人が一度に同じ場所で訓練を受けることも、それが小さなグループに分かれているならその可能性を除外すべきでない。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

5.4.6 最後に

今やトレーニングはビジネスであり、生き残るために他の競合相手と市場で戦わなくてはならない。NPは他の訓練機関から様々な期待と要望に直面するだろう。多くは彼らを支援するための友情と団結を要求してくるかもしれない。まだ考慮すべき点がある。そしてこれは全く根拠のないものでもないだろう。NP自身で訓練プログラムを設置するということは既存の訓練機関との競争を意味する。ここで、NPは妥協することなしにこのやかんの中の虫を処理する方法を見つけなくてはならない。

△非暴力平和隊実現可能性の研究・
5.4 基本的な選択と推薦/TOPへもどる

第5章 第3節に戻る次はありません