非暴力平和隊・日本

非暴力平和隊の提案(2002〜2010)(日本語訳)

A Proposal for the Establishment of the Nonviolent Peaceforce:2002 - 2010

1.概要

非暴力平和隊は、紛争転換のために効果的であり、かつ経済的でもある手段をつくりだすために、協力を呼びかけています。

非暴力平和隊を支援して、数百人の草の根人権活動家から、オスカー・アリアス、ダライ・ラマ、レヒ・ワレサを含む7人のノーベル平和賞受賞者まで、すでに平和隊を支持している幅広い何千もの国際市民たちのグループの仲間にはいってください。

私たちは、非暴力平和隊を実践で試し、評価、設立しようと活動しています。武器を持たず、世界中からの訓練を受けた市民たちから成る世界で初めての大規模な非暴力平和組織です。平和隊は、地元グループからの招聘により、紛争地域に出かけて、立証されている非暴力介入の技術を適用して暴力を減らし、平和をうながすために、地元の平和活動家のための環境を創り出します。

非暴力平和隊は、昨年「実現性の研究(Feasibility Study)」を完成させました。それは、この平和隊をどのように前進させるか、について研究したものです。2003年中頃までに暴力紛争地域の一つに150人の訓練された市民の積極的介入にかかわるパイロット・プロジェクトを発足させるよう現在準備を進めています。

寄せられた寄付は、非暴力平和隊が以下の結果を達成するために使われます。

  • 非暴力平和隊パイロット・プロジェクトの地域の決定
  • 国際的な市民による平和チームのための新人募集および選考方法の研究
  • 平和隊の新人のための、非暴力行動に関するユニークな多文化トレーニングの作成、指導
  • 非暴力平和隊のパイロット・プロジェクトの実施
  • 世界中の各国グループおよびメンバー団体を通して、平和隊に対する草の根支援を拡大
  • 職員の雇用、ならびに事業計画を発展させることによって、平和隊の組織としての能力を強化
  • 2002年11月にインドのスラジクンドにおける設立総会において、非暴力平和隊を正式に発足させる

暴力が、世界を巡って良くない方向に渦巻いているので、非暴力平和隊はこれまでになく必要とされています。私たちの活動を求める要求は、武力紛争地域の中で活動し暮らしている人々から、国際政治を進展させ国際政治に関わっている人々まで、すべての階層の人々から寄せられています。

国連事務局次長兼上級代表のアンワルル・K・チャウドハリーは、平和隊への支持を表明する中で「あなたたちの非暴力平和隊に向けての率先は、『国連の平和の文化のための10年』に大いに寄与する可能性を持っています」と述べています。

あなたのご支援によって、平和隊は、大規模な非暴力的介入の力量を展示できるよう、訓練された国際的な市民の平和維持者たちからなる世界初のチームを発足させます。

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2.経緯、目的、背景

非暴力平和隊は、1999年のハーグ平和アピールによって始められ、支持を受けています。その時ハーグには、130か国から集まった 9,000人を越える人々が、21世紀末までには、戦争を根絶するような戦略を創り出すために集まったのでした。

私たちの使命は、訓練された有給の国際的市民の非暴力平和隊の創設を促進することです。この平和隊は、殺戮と破壊を防止し、人権を擁護し、地元のグループが、非暴力的に取り組み、話しあいによる、平和的解決を求める環境を創り出すために、紛争地域に派遣されます。

私たちは、2003年には150人の訓練された市民の平和活動家からなる最初のチームを派遣し、2010年までには多数の紛争地域で奉仕することが可能な 2,000人の平和活動家たちにまで成長する。

平和隊は、マハトマ・ガンディー、マーチン・ルサー・キング牧師、そしてイスラムの平和活動家アブドゥル・ガファール・カーンの先駆的活動から生まれました。平和隊は、国際平和旅団(PBI)、平和のための証人(WfP) 、バルカン・ピース・チーム(BPT) 、クリスチャン・ピースメーカーズ・チーム、SIPAZを含む小規模な現代の市民平和チームの豊かな実践と経験の基礎の上に構築されています。

1999年のハーグ平和アピール以降、20か国からの60人の人々のネットワークが、非暴力平和隊のために研究と開発の初期段階について、たゆみない活動をして来ました。私たちはいま、

  • 7人のノーベル平和賞受賞者および世界のあらゆる地域を代表する多くの国家首席あるいは元首席からの推薦を確認しています。
  • 4地域で現在活動しているスタッフを雇用し、国際運営委員会を募集しました。
  • 7か国に事務所を設立しました。
  • 小規模あるいは大規模な世界中の紛争介入の歴史を研究しました。
  • 紛争地域における大規模な「第三者の介入」のための最善の運用方法を決定しました。その包括的研究は、ウェブサイト(www.nonviolentpeaceforce.org)で入手できます。

いま非暴力平和隊は、派遣の実施という次の進展段階に進みつつあります。

私たちが望まれ、必要とされている地域はたくさんあります。予備的な調査段階の間だけでも、紛争中の13の国々が平和隊の介入を求めて来ました。ビルマ、コロンビア、エクァドル、グアテマラ、インドネシア、イスラエル/ パレスチナ、韓国、ナイジェリア、フィリピン、スリランカ、チベット、ウガンダ、ジンバブエからでした。

最近、国際運営委員会は上記の地域のうち、さらなる現地調査のため3か所を選択しました。それは、グアテマラ、イスラエル/パレスチナ、スリランカです。

非暴力平和隊の第一次派遣地域は、2002年11月にインドで開催される設立総会において、決定する予定です。

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3.手段

平和を促進し、暴力を減らすために、非暴力平和隊は、二つの活動分野で活動します。すなわち、(a)現地での直接的介入、(b)平和隊の行動を支援し、「全世界が見ている」ということを確実にするための国際的監視です。

(a)直接的介入

紛争地域の一つあるいはそれ以上のグループからの招聘により、訓練された国際的市民平和活動家のチームは、第三者による非暴力介入の中で、現地でテスト済みの多くの有効な非暴力的手段を適用するでしょう。以下の4項目は、いつの時点でも世界中で紛争の中で特にうまくいったと立証されました。

  • 同行:
    平和隊のメンバーは、紛争地域において危険な立場におかれている指導者や交渉当事者に同行します。同行は、グァテマラのような地域で成功裡におこなわれました。人権問題の指導者の暗殺が、市民社会を再構築しようとする活動に恐怖を与えていたのですが、1985年に、国際的な同行が小さな規模で最初に提供されてからは、この活動が用いられている間、同行者も活動家も殺されませんでした。
  • 割込み:
    平和隊の隊員は、暴力を防ぐことを意図して、対立しているグループの間に割って入ることがあります。そして、冷静になる時間を創り出し、地元のグループが彼らの紛争を平和的に解決するための環境を創り出します。
  • 国際的なプレゼンス:
    平和隊の隊員は、危険な状況にある村や国境地帯あるいは非武装地帯で、国際的な巻き返しを創り出すために、国際的プレゼンスをおこないます。そのようなプレゼンスが、1980年代にニカラグアの村で襲撃を防止する助けとなりました。
  • 監視:
    平和隊の隊員は、暴力行為が政治的に受け入れられないようにすることによって、暴力を抑止します。「全世界が見ている」ことを確実にするため、非暴力平和隊は、伝統的なメディアばかりでなく、インターネットを通してデジタル写真を即座に、世界規模の監視システムに発信します。

平和隊は、介入する紛争地域に応じ、これらの戦術の一つあるいはすべてを組み合わせた戦略をつくります。

(b)国際的監視のネットワーク

平和隊の連絡員は、平和隊の行動に関する最新情報が、彼らのコミュニティや国の中のいたるところで入手できるように、世界中の国々の中で活動します。連絡員たちは、最先端技術のデジタル写真、電話、コンピュータ・モニタリング・システムを通して連携しています。

連絡員たちは状況によって、平和隊が配備されている国の中にある自国の大使館、政府官僚、メディア、インターネットのネットワーク、宗教団体等の指導者、自国の国連代表団、その他国際機構、彼らのビジネス・コミュニティというような、彼らの地域の中のグループの一つあるいはそれ以上と接触することがあります。

パイロット・プロジェクトに対しては、20世紀のうちに 500人の連絡員で開始し、2010年までに世界中で 5,000人の連絡員隊にまでふやします。

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4.目標と結果

この非暴力平和隊は、2010年までに 2000人の訓練された平和活動家、という目的に到達するために、9項目の基本的目標をたてました。それぞれの目標は、以下に述べるように、想定される結果の方向に向かいます。

目標 1.

現在暴力紛争を経験しているある一つの地域の中に、150人の訓練された市民たちの最初の大規模なチームを派遣し、実践テストし、評価する。この 3年間のパイロット・プロジェクトは、2003年に開始し、2006年までに最終的評価を完成させることに向けて進める。

ねらい:

  • 各国での新人採用、選考、トレーニングの標準をテストすること。
  • 有給の平和活動家150人を紛争地域に少なくとも2年間派遣すること。
  • 現地での戦略をテストすること。
  • 国際的監視システム、支援ネットワーク、および平和隊に関する国際社会の理解を広げるための戦略をテストすること。
  • パイロット・プロジェクトのすべての側面の評価。

目標 2.

国際事務所、8か所の地域事務所、国別グループ、地域のメンバー団体の世界的ネットワークのための運営ならびに財政的基盤の開発。

ねらい:

  • 非暴力平和隊の発展に取り組む国際理事会の設立。
  • 非暴力平和隊を運営していくための事業計画 (注釈付き) 。
  • 非暴力平和隊の世界的活動を監督するスタッフの雇用および国際事務所の設立。
  • 非暴力平和隊の活動メンバーの採用、選考、トレーニングを実行する8地域の地域事務所のネットワークの樹立。
  • それぞれの地域での平和隊の活動を支援する60のメンバー団体の加盟。

目標 3.

現地運営の評価とともに、紛争地域に最大2,000人の有給の平和活動家たちを従事、あるいは引き揚げさせる規準の開発、テスト、ならびに改善。

ねらい:

  • 非暴力平和隊が介入する紛争地の選別規準。
  • 現地にいる時の訓練された平和活動家たちの支援体制の実証済みの方法。
  • 撤退の条件および平和活動家たちが現地から引き揚げるためのテスト済みの脱出方法。

目標 4.

適切な選考方法と新人募集方法を確立すること。この方法には、現地スタッフ、現役平和隊メンバーおよび予備メンバーを含む。それはパイロット・プロジェクトの期間中に配備された150人の活動メンバーのゴールとともに開始します。

ねらい:

  • 平和隊活動家とサポーターに必要とされる特定の技能の確認。
  • ジェンダーや文化や宗教の違いに配慮した、選考ならびに募集方法の確立。
  • 2003年から2006年までの間の非暴力平和隊のパイロット・プロジェクトの一環として、この選考方法の有効性を立証し、評価すること。
  • 2006年には300人、2007年には800人、2009年には1,300人、2010年には2,000人の現役メンバーという目標に合致するよう新人募集をし、選考すること。

目標 5.

トレーニング・プログラムを開発し、テストし、練り上げて、トレーナー、訓練の場所を選別し、教材を開発すること。複雑な紛争状況は、質の高い能力を必要としています。私たちは、基礎トレーニング、特殊技能トレーニング、派遣先に対応したトレーニングを含めた3部構成のトレーニングを作成し、必要ならば言語トレーニングを追加します。

ねらい:

  • 現役メンバーおよび新人に対する非暴力トレーニングのカリキュラム。
  • 非暴力平和隊のパイロット・プロジェクトの一環として、このトレーニングプログラムによる150人の活動的メンバーのトレーニング。
  • トレーニングについての地域的な関与、多文化的取り組み、ならびに国際事務所の監視を確実にしながら、世界中の活動的メンバーおよび予備メンバーの数の増加に対応するよう、トレーニング方法の改善。
  • 2006年には300人、2007年には800人、2008年には1,000人、2009年には1,300人、2010年には2,000人の活動的メンバーとなるのに十分なだけの平和活動家のトレーニング。訓練された予備メンバーの人材バンクについても同様である。

目標 6.

危機が発生した時に、紛争地域からの正確な情報を国際的な連絡員たちに提供するために、最新のデジタル写真、電話、コンピュータ・ネックワークを用いた国際監視システムを開発する。その情報に基づいて、連絡員たちが、彼らの政府官僚やメディアおよびその他のオピニオン・リーダーたちに警報を発することができるようにするためである。非暴力平和隊の世界的ネットワークは、2010年までに5,000人の連絡員を持ちます。

ねらい:

  • 連絡員の国際的ネットワークに対して即時に通報する非暴力平和隊のためのIT施設。
  • 派遣された地域から、世界各地の支援者に通報する能力を持つ国際的監視のネットワーク。
  • 2004年には500人の連絡員の確保とトレーニング、2010年には、現地の平和活動家から連絡があった時、遅滞無く適切な行動をとれる連絡員を5,000人にまでふやす。

目標 7.

非暴力平和隊について、人々に広報し伝え、平和活動家、サポーター、寄付者を常に募集するための、多地域的事業計画を開発し実行すること。

ねらい:

  • 関心をもった人が、財政的その他の支援と意見を提供できるようにするとともに、平和隊についての詳細な情報まで送信する活動的なウェブサイト。
  • いろいろな文化に適応したインターネット上で入手できる宣伝資料。
  • 平和隊について伝える短編の宣伝用ビデオ、DVD、CD。
  • 国際的なブランドの独自性。
  • 平和隊とともに活動する少なくとも30人の印刷媒体と電子媒体のリポーター。
  • 印刷版と電子版のニュースレターをそれぞれ年3回発行する。

目標 8.

資金集めをする能力を発展させ、2010年までに、長期間にわたって2,000人規模の平和隊を維持するための継続的資金供給を確実にする。

ねらい:

  • EUそしてスゥエーデン、カナダ、ニュージーランド等の協力的政府からの長期的財政支援の確立
  • 国連ならびに他の国際機関からの長期的財政支援の確立
  • 財団、信託、宗教団体からの補助金
  • 世界の市民が非暴力平和隊の活動に貢献できるよう毎年の募金活動の促進

目標 9.

紛争地の1つあるいは複数に平和活動家を派遣する。2006年に合計300人の現役メンバーを派遣し、2010年には2,000人にする。

ねらい:

  • 2006年に紛争地域に300人の訓練された平和活動家を派遣。
  • 2007年に紛争地域に800人の訓練された平和活動家を派遣。
  • 2008年に紛争地域に1,000人の訓練された平和活動家を派遣。
  • 2009年に紛争地域に1,300人の訓練された平和活動家を派遣。
  • 2010年までに2,000人の平和活動家を紛争地域に継続的に派遣する能力をもつ。

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5.予定表

非暴力平和隊は、9項目の主要な目的を実行と達成に導くための予定表を以下のように定めた。

非暴力平和隊発展プロジェクト:2003 - 2010
目標 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1.パイロットプロジェクト 新人募集、訓練、選考を発展させる。設立総会でパイロット地域を決める。 150人の活動家を募集、選考、訓練 150人の活動家 150人の活動家 引揚げと評価        
2.組織的インフラ 最低50のメンバー団体の募集。理事会の設立。 国際事務所と4つの地域事務所の設立 1地域事務所の設立 2地域事務所の設立 1地域事務所の設立        
3.関与の規準 評価
4.選考と新人採用 手段の開発 活動家150人 活動家150人 評価 活動家300人 活動家800人 活動家1,000人 活動家1,300人 活動家2,000人
5.トレーニング トレーニングの開発 150人の活動家のトレーニング 評価 各地のトレーニングする場の設立 300人の活動家のトレーニング 800人の活動家のトレーニング 1,000人の活動家のトレーニング 1,300人の活動家のトレーニング 2,000人の活動家のトレーニング
6.国際監視 ITインフラの開発 ネットワークの開発 500人の連絡員 1,000人の連絡員。評価 1,500人の連絡員 2,000人の連絡員。評価 3,000人の連絡員 4,000人の連絡員 5,000人の連絡員
7.PRとマーケティング 計画の開発 計画の適用。ウェブサイドの完成 宣伝ビデオの制作            
8.資金                  
9.配備         活動家300人 活動家800人 活動家1,000人 活動家1,300人 活動家2,000人

[注]
平和活動家の人数は、新人の人数ではなく、各年度に派遣可能なトレーニングされた活動家の総人数です。

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6. 関わっている主要な人物

この非暴力平和隊は、現時点では「ピースワーカーズ」の一つのプロジェクトです。1950年代に設立された「ピースワーカーズ」は、本部をサンフランシスコに置く非営利法人です。平和隊は、2002年11月にインドにおいて開催される設立総会において、独立した国際的非政府組織(NGO)として結成されます。非暴力平和隊は現在、ブリュッセル (ベルギー) 、オタワ (カナダ) 、グァヤクィル (エクァドル) 、ロンドン (英国) 、ハンブルグ (ドイツ) 、ニューデリー (インド) 、東京 (日本) 、サンフランシスコ (米国) 、セントボール (米国) に、スタッフやボランティアや事務所を持っています。国際運営委員会(ISC)が非暴力平和隊を運営しており、そのメンバーは以下の通りです。

  • チャイワット・サッタアナン:タイの活動家、作家、タマサート大学教授
  • ムバラク・アワド:パレスチナの非暴力指導者、「ノンバイオレンス・インターナショナル」理事
  • メル・ダンカン:米国草の根オーガナイザー・非暴力平和隊プロジェクト理事
  • ディビッド・ハートソー:米国平和活動家・「ピースワーカーズ」理事
  • ドナ・ハワード:「米国プラウシェア」・「カトリック・ワーカーズ」活動家
  • 君島東彦:非暴力平和隊・日本共同代表・北海学園大学法学部教授
  • ノジズウェ・マドラララ・ルートレッジ:南アフリカ防衛次官
  • ユージェニア・ピザ・ロペス:「インターナショナル・アラート」政策部長
  • ヤンネ・ポールト・ファン・イーデン:オランダのメディア専門家・「市民平和サービス・ヨーロッパ・ネットワーク」コーディネーター
  • N.ラダクリシュナ:インドの作家、教授、ガンディ・ダルシャン・サミタの元理事
  • クラウディア・バージニア・サマヨア:グァテマラの活動家・リゴベルタ・メンチュ基金の元理事
  • ハンス・シン:カナダの活動家・PBIの共同設立者
  • ティム・ウォリス:英国の活動家・「ピースワーカーズUK」理事

非暴力平和隊の米国支部には、4人の常勤スタッフと5人のパートタイム・スタッフがおります。米国支部は「ピースワーカーズ」専務理事のディビッド・ハートソーおよび非暴力平和隊プロジェクト理事のメル・ダンカンによって率いられています。ハートソーとダンカンは、国内ばかりでなく国際的領域においても、平和に向けての組織化に数十年の経験を持っています。他の主要なスタッフには以下の人々が含まれています。

  • ラテン・アメリカ・コーディネーターのアルバロ・ラミレス・デゥリニ、地域的な平和維持と人権問題の経験を持つ代理人
  • プログラマーで国連代表のディビッド・グラント、国際友和会(IFOR)の非暴力コーディネーターとしての奉仕を含め、国際的な平和維持と平和構築に数十年の経験を持つ
  • ヨーロッパ・コーディネーターのレイチェル・ジュリアン (ブリュッセル) 、ヨーロッパにおいて草の根組織化の長い経験を持ち、最近非暴力平和隊についてヨーロッパ連合(EU)の教育を始めている
  • 調査理事のクリスティーネ・シュバイツァー (ドイツのハンブルグ) 、著名な平和問題研究者・「バルカンピースチーム」の設立理事・非暴力平和隊の研究チームを率いている
  • アジア・コーディネーターのラジブ・ボラ、老練なガイディー主義オーガナイザー

有給スタッフは、平和隊の専門的、運営的、そして事務的な活動にかかわっている50人を越えるボランティアによって支えられています。非暴力平和隊の発展に多大な貢献をしている主要なボランティアには、以下の人々が含まれている。

  • レイチェル・フォレスト、「アメリカ・オンライン・アンド・ネットスケープ」の元理事プロデューサー
  • バーバラ・ギィー、 MITのMBAを持ち、カリフォルニヤに本拠を置くハイテク・ビジネス
  • コンサルタント・発足時と成長期のビジネスの支援に長い経験を持つ
  • フィル・リター、カリフォルニヤで大規模な非営利組織で活動している広範囲の技能を持つCPA
  • エリザベス・ロバーツ、ジョン・D・ロックフェラー3世の元提携者。年間数百万ドルの予算をもついくつかの国内や国際的NGOの元理事

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7. 予算


2年間の収入予測(米ドル)
収入源 2002 2003
財団/トラスト
および企業
307,990 973,959
政府 100,000 1,613,090
宗教団体 100,000 300,000
個人の寄付者 250,000 605,101
総計 757,990 3,492,150
2年間の支出予測(米ドル)
支出 2002 2003
職員
専務理事 32,000 33,600
主任運営職員 40,000 42,000
ヨーロッパ・コーディネーター 37,800 39,700
宗教者コーディネーター 30,000 39,700
プログラム職員(7/02) 18,000 37,800
ラテン・アメリカ・コーディネーター(7/02) 6,300 20,000
アジア・コーディネーター 12,000 20,000
アフリカ・コーディネーター - 20,000
調査理事(常勤者の1/2相当) 18,900 21,000
ファンドレイザー
(米国および英国、2003年には常勤2人分)
36,000 77,500
設立総会コーディネーター 12,000 -
ITコーディネーター - 36,000
トレーナー - 189,000
「ピースワーカーズ」への手当て - 937,500
人的資源(2003年には常勤3人分) - 113,400
事務所支援(2003年には常勤3人分) 39,600 118,400
事務所管理(2003年には常勤2人分) - 64,000
コンサルタント 35,000 50,000
簿記係 5,000 7,500
手当、スタッフに対し@15% 51,240 103,650
(職員費用小計) (392,840) (1,971,150)
その他の支出
会計監査 5,000 5,000
法定 10,000 10,000
旅費/スタッフ 60,000 40,000
旅費/トレーニングおよび配備 - 70,000
宿泊/食費 - 1,250,000
設立総会 188,000 -
イベント用印刷 1,000 -
運営委員会/理事会 20,000 30,000
レンタル 27,000 27,000
設備 14,000 5,000
保険 2,500 2,800
事務所消耗品 10,000 11,000
コピー/印刷 8,600 9,500
電話 10,000 11,000
長距離電話 8,500 8,500
インターネット 3,600 3,800
ウェブ・サーバー 1,200 1,200
郵便 10,750 11,800
会議/出版 4,000 4,400
ビデオ・モニタリング - 20,000
総計 757,900 3,492,150

訳者注:
この支出表のうち、2002年の職員費用小計の数字が間違っていると思われる。表では392,840となっているが、373,840としなければ計算があわない。

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8.結び

マハトマ・ガンディーは、半世紀少し前にデリーにおいて暗殺されました。シャンティ・セーナ (平和隊) についての集会の準備中でした。

この50年にわたって、非暴力平和隊の構想は、世界中のほとんどあらゆる大陸において、現実のものとなり、成長し続けて来ました。

この11月、ガンディーの孫娘のエラを含めて、世界中からの活動家たちは、非暴力平和隊設立総会において、この構想に命を与え、この構想を形あるものにするためにインドに戻ります。この総会では、パイロット・プロジェクトの派遣先が決められます。

あなたの思いやりのあるご支援によって、私たちは、非暴力平和隊の構想が、1948年の1月にガンディーとともに死んだわけではないし、また暴力を経験している諸地域から受け取っている多くの要請によって死んではいないことを実感しています。そして、私たちは、戦争に疲れた世界に適用可能な紛争転換のための有効な手段を創り出します。

補遺

補遺1. 法的文書

  • 「ピースワーカーズ」理事会
  • 501(c)(3)免税に関するレター

補遺 2. 財務文書

  • 米国の基金贈与リスト(1999 - 2001)
  • 2002年の確定済および保留中の交付金についての交付金最新版
  • 2001年の歳入歳出
  • 2002年の財務明細書

補遺 3. 他の支援文書

  • メンバー団体
  • 非暴力平和隊に関する最近のニュース記事

提案書の本文は以上ですが、提案書にはカラー写真が6葉挿入されています。

写真のコピーは省略して、下に付けられている説明文の訳を以下に列記します。

  • 写真 1.
    アルゼンチンのアドルフォ・ペレス・エクィベル氏は、非暴力平和隊を支持している7人のノーベル平和賞受賞者の一人。非暴力平和隊の共同設立者ディビッド・ハートソー氏 (右側) と並んで撮影。
  • 写真 2.
    韓国の草の根運動のリーダーで韓国女性省職員でもあるハン・ミョンスク氏とディビッド・ハートソー氏 (右側) 。非暴力平和隊に対する要請は韓国からも出されている。
  • 写真 3.
    割込みの例。紛争状況に介入する戦術の一つとして、非暴力平和隊が適用することのある非暴力行動の実証済みの4手段の一つで、コソボで用いられた事例。
  • 写真 4.
    国際運営委員会の委員のクラウディア・V・サマヨア (グァテマラ) とドナ・ハワード (米国)
  • 写真 5.
    エラ・ガンディーと非暴力平和隊計画担当のディビッド・グラント。エラ・ガンディーは設立総会で基調講演をする予定。
  • 写真 6.
    平和隊の設立総会には、世界中からの代表団が参加する。写真は平和活動家のディビッド・グラントがジンバブエで二人の活動家と話している様子。

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