NPNPの活動

ミャンマー(ビルマ)・プロジェクト

ミャンマーにおけるNPの活動

2014年6月10日

NPは2012年、ミャンマー(ビルマ)政府と市民団体に要請され、停戦合意の監視支援と市民保護の活動援助をしています。停戦メカニズムがどのように機能し、日々どのように運営され停戦を監視し市民を守れるのか、これまでにヤンゴンで3回のトレーニングを行いました。参加者は国会議員や紛争地の市民団体、停戦監視員候補者などでした。
ミャンマー政府は現在16以上の武装集団と交渉を進めており、NPは地域状況の把握とともに、市民への支援を行なっています。
「NPは現在、地元団体に専門的助言を提供していますが、停戦合意活動にも関与し ていきたいと思っています。草の根市民が停戦監視に参加することにより、平和プロ セスに正当性を与えることができると考えているからです」とNPミャンマープログラムマネージャーのPaul Fraleighは語っています。

(非暴力平和隊・日本ニューズレター51号 2014年6月10日)

NPミャンマーの活動 のいま

中原 隆伸(NPJ会員)
2014年9月10日

アウンサンスーチー女史率いる野党の2012年に行われた選挙への参加、並びに圧勝にみられるように、近年進展しているとされる民主化と中国・インド・ASEAN諸国を結ぶ地政学的利便さが相まって『最後のフロンティア』と注目され、2014年8月末現在、日本企業の現地視察ラッシュが行われているミャンマー(ビルマ 注1)。しかしこの国には、開発ブームの陰で、NGOによる人権侵害の可能性が示唆される開発プロジェクトの存在(首都ヤンゴン近郊のティラワ経済開発特区など2)や、アウンサンスーチー女史が現行の憲法では大統領に立候補する資格がない3が、その憲法改正のためには軍部が自動的に25%の議席を割り当てられる国会で75%以上の承認が必要(つまり軍部が拒否権を握っている)など、この国が真の民主化を遂げていくにはまだまだ達成すべき課題が多いのが事実である。
 そんな中、同国の抱える重要な課題の一つとして、バングラデシュ国境のロヒンギャに代表される少数民族の権利及び自治の確保という重要な問題が残っている。ミャンマーは7つのRegion(管区:ビルマ族が大多数を占める地域)と、7つのState(州:それぞれ、少数民族が多く存在する)の合計14の地方自治体からなっているが、7つの州の中には、それぞれ存在する少数民族による武装勢力と政府による「停戦合意」により表面的であれ実質的なものもあれ、平和を保っている所がほとんどだ。

これら停戦合意が順守されるよう、NPミャンマーは現在、フィリピンのミンダナオ島で停戦合意に従事した時の経験を生かして活動を行っている。首都ヤンゴンでの議員、反政府勢力の代表者、コミュニティーに基づく団体や25人の停戦監視員を対象にしたトレーニングを実施したり、同国国会議員らがミンダナオ島でのNPの活動を視察するツアーなども計画されている(NPホームページ記載)。

また、2014年1月より18か月の予定で、モン州とチン州で暴力削減、文民の保護と地域情勢の安定化を目標としたプロジェクトが開始されている。EUの助成を受けたこのプロジェクトは、これらの目標が実現されることを通じて、民主化のより一層の進展を究極の目標としている。

NPミャンマーの代表を務めるシャダブ・マンスーリ氏(Shadab Mansoori)も、「我々の活動は、暴力の減少を企図したのみではなく、それにより市民政府がより活発な活動を出来るようになることも目標としています」と語る。また彼は、フィリピンでのNPの活動を有効にミャンマーで生かしている点について、このようにも語る。「ミャンマーでのプロジェクト立ち上げはNPにとって非常にエキサイティングなことです。フィリピンでの経験をミャンマーで活かせることで、NP自身が過去のプロジェクトで非戦闘民の安全を守ってきた過程で培ったノウハウを、別の国で有効に活用でき、応用できることを実証するいい機会となるでしょう」。

今後、同国の民主化がより実現していく前提として、停戦合意の順守を含めた平和の実現並びに民衆個々人の自由な言動が保障される社会の実現が欠かせない。そのような社会の実現のために、NPミャンマーが今後も出来る事は多いであろうし、期待されてもいると感じる。今後もNPミャンマーの活動から目が離せない。

注1

本稿では、NP Myanmarという英文表記に基づき、以下同国を「ミャンマー」と便宜的に表記します。

注2

JICAのホームページでのティラワ地区開発事業、また、メコンウォッチによる問題点の指摘は各ウェブサイトをご参照ください。

注3

外国人を配偶者に持つ者は大統領に立候補する資格がないという規定がある。スーチー女史は英国人の配偶者を持つため同規定により大統領への立候補資格を有しない。

(非暴力平和隊・日本ニューズレター52号・2014年9月10日)