非暴力平和隊・日本

藤村陽子インドネシアレポート:No.10

No.10 2006年4月13日

PBI 藤村陽子

第4回平和ディスカッションの風景1 第4回平和ディスカッションの風景2

第4回平和ディスカッションの風景

皆様こんにちは。寒かった冬も終わり、桜を満喫されていらしゃる頃でしょうか。私は雨季を乗り越え、今乾季をアチェで迎えました。いつもと同じですが、毎日暑いです。

PBIアチェは3月21日にオフィスを引越ししました。1年間住んだ村を離れるのは少し悲しかったですが、今私たちはウレ・カレン(Ulee Kareng)というカフェ(コーヒーを飲む場所)で有名な地域に住んでいます(バンダアチェ市内)。庭にはマンゴー、バナナ、ココナッツなどの木があり、とても静かでいい場所なのでほかのメンバーたちも気に入っています。

さて、前回お知らせした平和ディスカッションについて報告をさせていただきたいと思います。私とエッド(イギリス人)は今回の責任者となったので、本当にたくさんの人に会い、第4回のディスカッションに向けて精一杯努力をしました。最終的に、2人の大学教授(宗教的リーダーでもある)に小さなプレゼンテーションをしてもらうことにしました。トピックは、(1)イスラム教の平和プロセスにおける役割:本当の平和をアチェ¨にもたらすためにはイスラム教をどうとらえ、使うべきか(ジェンダー問題も含む)、(2)宗教的リーダーの平和プロセスへの役割と義務、です。そして、参加者はNGO関係者にとどまらず、教師、イスラム学校の教師、モスクの責任者、そして私たちが以前住んでいた地元の住民を招待し、当日は約40名ほどが参加してとても活気のある、実りあるディスカッションを成功させることができました。

この時から、私たちは地元の人々(NGOや政府関係者でなく)への平和教育が必要であると認識し、現在各地域への移動平和ディスカッションを計画しています。私たちの知り合いの地元NGOのほとんどが、[バンダアチェにはたくさんのトレーニングやディスカッションが行われているのに、それ以外の町や小さな町ではほとんどない。小さな町に住む人々は平和プロセスがどうなっているのかわからないし、平和そのものがよくわかっていない人がたくさんあるのでそういった遠隔地域での平和教育は重視されるべきであるし、必要なのだ。]と私たちにはなしたことが大きなきっかけです。私は、こういったプログラムは草の根活動のPBIだからできることだと思います。そして現在、平和教育チームのボランティアたちが中心となって、ビルン(Bireun)で第一回の遠隔地域ディスカッションをしようと計画しています。地元NGOと協力してこのディスカッションやもっと多くのディスカッションを実現していければと願っています。

2月15日から約2週間、アチェチームのメンバー2名が中心となり、ピーディー (Pidie)で Alternative Violence Project(AVP)という非暴力のトレーニングを2回開催しました。地元のNGOと協力して、地元の人々が今後もPBIの助けなしに開催できるようにトレーニングしながら(Training of Trainers(TOT))、一般の参加者に非暴力とは何か、暴力とは何か、そして暴力のない日々を送るにはどうすればいいのかを参加者全員で考え、学びました。私も2月26日から3日間、AVPトレーニングに参加しましたが、とてもいい印象を受けましたし、とても意味のあるトレーニングだと感じました。知らず知らずのうちに犯している口頭あるいは身体的な暴力を見つめなおし、次の世代へ特に今、暴力で物事を解決している子供たちやそういった子供たちに接している先生に伝えていく価値があると思います。

3月中旬に、また新しいボランティアが平和教育チームに加わりました。カリマンタンのバリックパパン出身の女性です。今現在、平和教育チームは3名だけですので、もう少し多くのボランティアが加わり、いい平和教育プログラムを実現してくれるよう願っています。

さて、私は実は3月21日をもって、1年間のPBIとの契約を終えました。しかし、現在PBIがボランティア不足であること、私がアチェチームに貢献できることがまだたくさんあること、そして私自身もう少しPBIのボランティアとしてアチェでかつやくしたいことから、契約を2-3ヶ月延長することにしました。私の活動を支援してくださっている皆様、もう少しご支援のほどをよろしくお願いします。

藤村 陽子

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