非暴力平和隊・日本

藤村陽子インドネシアレポート:No.11

No.11 2006年9月3日

PBI 藤村陽子

現在IOMで一緒に活動している仲間と

現在IOMで一緒に活動している仲間と

まだまだ残暑の続く日本だと思いますが、皆様、お元気ですか。私はいつものように元気いっぱいでアチェで活動しています。そして2006年7月下旬をもって、PBIとの契約を無事終了しました。今回はPBIでの活動を振り返ってレポートを書かせていただきたいと思います。


6,7月とPBIアチェチームはほとんど、平和教育活動で忙しくしていました。高校生向けの平和トレーニングを成功させ、その他の活動の準備を主にやっていました。しかし、もう一方の活動であるクライアントの安全の確保のほうでも変化がありました。PBIは6,7月でもう一度、クライアントの安全面とPBIの必要性を確認するアセスメントを行い、ほとんどのクライアントと契約を更新しないという結果を出しました。

その理由は、1. アチェでの平和が定着しだし、クライアントが人権または平和活動に難なく従事できるようになったこと。2. クライアントのほうからの護衛的動向の以来が1年以上なかったこと、そして3. クライアントがPBIのサービスを必要としないでも活動に従事できるだろうと確認したことです。その結果、現在のPBIアチェチームのクライアントは13団体から3団体になりました。この3団体に関しては、過去1年以内に護衛的動向の依頼があったり、安全面に関して疑問を持っている団体であったりします。

この結果に関しては、私はとてもいいことだと思います。PBIの活動依頼がない=平和 ですから! アチェチームのほうも、現在、3名が両方の分野を兼任し、3名が平和活動専任として活動しており(9月3日現在)、活動も平和教育にどんどん重点を置く形になっています。

さてさき程触れました高校生向けの平和トレーニングですが、これは地元のNGOに依頼され、協力して行いました。これは3日間のキャンプを通じて、高校生に平和と人権について学んでもらおうというものでした。高校生はバンダアチェにある高校の中から20名くらいが色々な高校から参加しており、男子と女子の割合は7対3くらいでした。

私はこのなかで、人権という科目を担当し、簡単に、人権とは何か、そして私たちの身近な人権とは何かを高校生に考えてもらいました。それはとても基本的なことだったのですが、参加していた高校生たちはとても熱意を持って私の話を聞いていたり、グループワークに参加していました。そして、キャンプ後のアンケートでは、次はもっと人権について学びたいと回答した参加者がほとんどだったと聞き、とてもうれしかったです。 そしてキャンプ終了後もこの人権を重点に置いたフォローアップてきなトレーニングがそれぞれの高校で行われています。今後、人権に関心を持つ高校生が増えることを期待しています。

PBIとの契約を終了するに当たって、後に残るメンバーに私の経験と知識を残していきたいと思い、たくさんのペーパーワークをしました。そして、なんとかそれを終えることができ、7月下旬に帰国しました。現在は国際移住機関(International Organisation for Migration;IOM)という国際機関で紛争後処理の部門で8月7日から働いています。場所は再び、インドネシアのアチェです。

現在は元反政府組織で活動していた兵士や投獄されていた兵士などの社会復帰を手助けするしごとです。主に彼らの就職面から見た社会復帰を目指しています。再就職したい人への教育を提供したり、自営業を再開、または新しく再開したい人への資金的技術的支援を担当しています。

じつは、PBIで得た知識がかなり役立っています。PBIでアチェの紛争について、人権侵害について、そして平和教育について得た知識が特に役立っています。PBIに感謝しつつ、これからはIOMのスタッフとしてですが、アチェチームのメンバーとも協力していきたいと思います。


皆様、1年と4ヶ月の間、私の活動を応援してくださってどうもありがとうございました。皆様の支援があったゆえにPBIでの活動を途中で投げ出すことなく終了できたのだと思います。これからも活動団体は変わりますが、アチェの平和に向けてがんばっていきます。

藤村 陽子

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