非暴力平和隊・日本

野田真紀インドネシアレポート:No.5

No.5 2002年4月24日

サポートグループの皆様、いかがお過ごしでしょうか? 桜は散ってしまって、もうすでに暖かくなってきていると聞きました。それに、花粉症の季節ですよね。花粉症をお持ちの方には、つらい時期ですよね。私もその一人ですので、辛さが分かります。気を付けてください。

さて、私の方はというと、あと2週間ほどで、語学学校を終えられそうです。大分上達しました。2ヶ月前のまったく喋れなかった時期を思うと、ずいぶん上達した、といえると思います。先日、宗教と紛争について取り扱っているNGOを訪ねてみました。彼らは宗教間の紛争を解決することを目的とした団体で、おもな活動地域は、マルクだそうです。インドネシアでは、すべての国民は宗教を持たなければなりません。イスラム教、カトリック、プロテスタント、ヒンズー教、仏教、の5つから1つを選ばねばなりません。今では儒教や他の宗教も信仰することが許可されていますが、KTP(IDカード)には先に述べた5つの宗教の中の1つの宗教名が記述されています。政府によって、宗教を義務付けられていることに不満を待つ人も多いようです。

語学学校では、先日アチェ出身の女性を招いて、アチェのシャリア法(Syariat)についてお話をしてもらいました。シャリア法とは、イスラム教の戒律で、アチェでは3月15日からこのシャリア法が施行されています。シャリア法はとても厳格な法律であり、例を挙げると、すべてのイスラム教徒の女性は外出するときは、顔と、手と、足以外の体の部分をさらしてはいけないことや、未婚の男女は一緒に公共の場を歩いてはいけない,また罪を犯せば、このシャリア法にのっとって裁きを受けることなどがあります。これは、イスラム教徒の方だけに有効な法律と言われていますが、私もアチェに行ったら同じように振舞わなければならないかもしれません。今はまだ、施行されて間もないこともあって、イスラム教徒以外の方々には強制はされていませんが、今後どうなるのかは誰にもわかりません。イスラム教徒の方々の中でも、このシャリア法については賛否両論です。

PBIのボランティアのソフィーとウリはすでにアチェにて活動を始めています。彼ら曰く、バンダアチェはとても美しい街で、軍隊の姿は見かけるが、それ以外はとても落ち着いた感じがするそうです。毎日、とても忙しいようで、メールもなかなかできないようです。ソフィーとウリと入れ替えに、スェーデンから2人のボランティアが語学学校に通うためにこの街に到着しました。リナとミナです。今語学学校に通っているのが8人。アチェには6人。ジャカルタには、3人が活動しています。

PBIのトレーニングが4月のあたまにオーストラリアで行われました。6人のメンバーが新たに選抜されたそうです。彼らがいつインドネシアに到着するのかは未定です。また、5月7日から14日まで、ここジョグジャにてPBIインドネシアプロジェクトの今後についての話し合いが行われる予定です。

語学学校のアクティビティの一環で、ボロドゥールに行ってきました。ボロブドゥールは紀元前750-850年に建てられた、大乗仏教遺跡です。しかし、ムラピが噴火し、その火山灰に100年以上も覆われ、その姿は1815年にThomas Stamford Rafflesが発見するまで見られませんでした。ボロブドゥールは大きなストゥーパからなっており、それを覆うように、1212のレリーフが描かれています。そのレリーフには仏教の教えや、1000年以上前のジャヴァ人の生活などが記されています。私たちが行った時は、天候に恵まれ、ボロブドゥールからムラピ(火山)を一望することができました。

最近、とても暑い日が続いています。人々は、このムラピの活動が激しくなっているからだ,と言っています。インドネシア人も、この暑さにはまいっているようです。インドネシア人は暑さに強いのかと思っていたのですが、それは単なる偏見でした。

それでは、また。

野田 真紀

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