非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(10)2004.1.4

スリランカ通信10号/今年の目標「忍耐力」?

2004年1月4日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

みなさま、

新年あけましておめでとうございます!
お便りを下さった方々、ありがとうございます!
みなさんはどんな年明けを迎えられましたか?

スリランカでは、ほぼ90%のお店が開いていましたし、休暇をとる人もまれなようで、おせち料理もお雑煮も年賀状もない年明けは、わたしにとっても、まったく昨日と同じ一日でした。日本に居れば、おせち料理もお雑煮もほとんど食べないし、年賀状もいただいた方々へのお返事しか書かないのに、やっぱり長年の習慣というのは、不思議なものだとつくづく感じます。

スリランカに着いて3ヶ月(9月27日到着)以上たった12月31日の夜、やっとスーツケースから最後の荷物を取り出し、キャビネットに収めました!ここまで到達するのに3ヶ月かかるとは、さすがに予想だにしませんでした。そして、チーム・メイトのリタと、初めての野菜パスタを作りました。冷やした紅茶がいつでも飲めるように、30日に届いた冷蔵庫に、作り置いています。明日あたりには、日本から持ってきた五穀茶を作ってみようかと思います。けっして食いしん坊ではないので、食事もあまり気にならないのですが、何が手に入るかわかるようになったら、日本食に近いものを作ってみるのも楽しみです。

28日の夜中にマータラに戻って以来、新居での生活体勢を整えるのが先決になっているため、仕事らしい仕事は12月中旬からストップしたままです。スーツケース生活にピリオドを打つことがなによりの問題でした。今日あたりから、来週のミーティングの予約などをとり始めています。1月は、これまでに知り合ったさまざまな団体のふだんの活動・プログラムを、もっと詳細にわたって見せてもらうことと、2月初めか中旬あたり行われる南部の地方選挙のための事前学習として、主力パートナーとなっているPAFFRELのコーディネータたちから、選挙前の活動や、選挙時のモニタリングについての情報・知識を得ていきたいと思っています。

ところで、3ヶ月たった今でも、スリランカの生活に対応していくのは、決して容易ではありません。家の中の電気コンセントは、使ってみないと、電気が通っているのかわかりません。(たいていは山のような砂とゴミが詰まっているので、電気やさんが来て、掃除をすれば済むのですが。)新しく備え付けたはずの天井の扇風機は、2週間使っただけで、モーターが焼ききれます。1時に来ると約束した家具の配達は、3時になっても来ないので、電話をすると「4時に」。4時過ぎになっても来ないので、再度電話すると、「5時に」。そしてやって来たのは6時前。どこにも出かけられず1日が終わりました。

そして極め付きは、電気のプラグで、どうしてこれほど多種のプラグとコンセントを使うのか訳が分かりませんが、買ってきた電気器具のプラグがコンセントに入らないことがほとんどです。延長コードを買っても、それを使うのに、また別の器具を買わなくてはならないほどで、そして穴の大きさがまた微妙に違っているので、接触が悪いことこのうえなし。何か電気器具を買ってきては、これとあれと、それのプラグを差し替え、使えない穴を見つけるのが一大作業です。いまも、1時間プラグとコンセントと格闘したところです。三つ又、四つ又のコンセントのうち、使えないものがひとつ、ふたつあっても、あるいは1週間で使えなくなっても、決して騒ぐことではないのです。きょうは枕もとの目覚ましを買うのに、店員さんが5つか6つの時計を試すはめになりました。つくはずの豆電気がつかなかったり、電池を入れても時計が動かなかったり…。暑い店内で、若い男性店員が小さな目覚ましのために汗をかきながら走り回るのが、とても申し訳なくて、あきらめて「ありがとう。もういいです」と言おうとしたところで、やっとのこと「きちんと」動く時計が見つかりました。なんでこんなことになっているのか、日本に住むわたしたちには到底想像がつきません。

そう、ですから今年の目標は「忍耐力」です。これまでじぶんがそれほど「忍耐力」に欠けているとはあまり思っていませんでしたが、ここではもうチャレンジしなくてはいけないほどの「忍耐力」が養えるかもしれません。あるいは「いい加減さ」と置き換えてもよいかもしれません。ただし、「忍耐力」はよいにしても、「いい加減さ」を日本に持ち帰ると、タイヘンなことになりそうなので、そのあたりは気をつけなくてはいけません。

なんだか、あまりに身近で些細な目標を書いてしまい、いまスリランカが日本が、そして世界が抱える大きな問題を前に、「こんなんでいいの?」と自問しています。でも大きな問題に取り組むためには、まずじぶんの足元から、じぶん自身の中から変えていくことが最大の力になると思っています。(言い訳?)

それではみなさまの、そしていのちあるすべてのものの心のうちに平和と愛と希望がやどる2004年となりますように。

大島みどり

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