講演会「本当の豊かさと自立の生き方とは」
―百姓暮らしからみえてきたこと―
―自立社会への道 収奪の五〇〇年を超えて― 6月30日開催
工業社会の見せかけの豊かさではなく、自給自足的な生活の豊かさ、搾取のない生活を求めて、できる限り機械に頼らない「昔の百姓暮らし」を目指し、それを実践してこられた筧さん。
すべての人々の生活を根底からくつがえしてしまった原発事故。特に自然とともに生業を続けてきた有機農家にとっては大打撃となり、筧さんもその対応に追われた一年でした。この原発事故に対して「深い憤りを感じている」と述べ、これを機会に浮上してきた太陽光などにも「代替エネルギーという考え方そのものが間違っている」と、今年3月に出した新著『自立社会への道 収奪の五〇〇年を超えて』(新泉社)で述べています。
工業社会の豊かさとは麻薬にたとえられよう。
五〇〇年間も続いている収奪経済を抜け出すことは容易ではないが、
どうにかして近代を超克しなければならないと私は思う(同書より)
四半世紀以上にわたる筑波山麓でのその暮らしなかで、日々さまざまに思考し、百姓暮らしの中から見えてきた本当の豊かさと自立した生き方について、忙しい農作業の合間をぬっておいでいただき、語っていただきます。
日時 | 2012年6月30日(土)午後1時30分から4時30分 |
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場所 | 男女共同参画センター“らぷらす”11階 研修室3 TEL 03-5478-8021 世田谷区北沢2-8-18 北沢タウンホール11階 |
交通 | 小田急線・井の頭線「下北沢」駅 南口徒歩5分 小田急バス「北沢タウンホール」下車 |
参加費 | 1000円 |
講師紹介 |
■お話ししてくれる人:筧 次郎(かけい じろう)さん 1947年水戸市に生まれる。京都大学で言語哲学を学び、仏国留学、花園大学教員を経て1983年に茨城県の八郷町にて帰農、提携販売の会「スワデシの会」を主宰する。「スワデシ」はガンジーの使った「国産品愛用」という意味の言葉。この会では、野菜の代金としてではなく、生産者の労働行為に対する対価として会員は毎月の代金を払い、野菜の多いときも少ないときも定額を払うという、生産者と消費者の間の深い信頼関係を基盤にしてこそ成り立つユニークな方法をとっている。 2002年には「スワラジ学園」を設立し、自給自足の技術と自立の精神の普及につとめた。スワラジとはマハトマ・ガンジーの説いた自治・自立の思想を意味する。学園閉鎖後は「スワラジ・セミナーハウス」農業実習指導責任者。 【参考】 スワラジ・セミナーハウス「百姓の家」 http://swaraj.sakura.ne.jp/?page_id=13 【著書】 『百姓入門−奪ワズ 汚サズ 争ワズ』(新泉社) 『オーガニック自給菜園12ヵ月』(山と渓谷社) 『百姓暮らしの思想』(新泉社)など。 【筧さんの著書より】 ・私は自分の営みを「農業」と言わずに「百姓暮らし」と言ってきた……わずか五十年ほど前まではあった本来の農の営みを、永続性も自立性もない今日の「農業」と区別するために、私は「百姓暮らし」と言っている。 ・工業社会の豊かさは、本質的には帝国主義の時代と同じく、「収奪」によって得られている……われわれは欲望を自制して農業中心の昔の社会へ立ち戻るべきである…工業社会は邪悪な社会……工業文明は、譬えて言えば麻薬のようなものである。 ・スピードがもたらす豊かさとは、長いあいだに地球に蓄積された資源を<速く消費する>という意味の豊かさで……社会全体としての富は少しも増えない。 ・莫大な富の収奪の結果として自然科学の研究が可能になり、機械が発明される……機械は、エネルギーを独占することによって工業国の人間だけが、しかも二十世紀の人間だけが持つことのできるぜいたく品なのである。 ・知識の闇を自覚し、科学にもっと控えめな場所を与えねばならない。そのためには工業国に住む人々が自立経済を回復し……人々の科学信仰を鎮めることが必要だと私は考えている。 ・野菜も私たち人間も同じ生きものですからね、私たちが嫌がることは野菜にもしない、私たちが嬉しいことを野菜にもしてあげるということです。 |
共催 | 非暴力平和隊・日本(NPJ) NPO法人 懐かしい未来 http://afutures.net/ |
申込み・ 問合せ |
ウェブサイトから: http://kokucheese.com/event/index/36080/ メール: 電話: 080‐6747‐4157 (NPJ・大畑) |