非暴力平和隊・日本

スリランカ通信(7)2003.11.24

スリランカ通信7号/2年間の拠点『新居』

2003年11月24日
大島みどり

この通信は私の個人的な感想や考えを述べたものであり、Nonviolent Peaceforceあるいは非暴力平和隊・日本の公式見解を示すものではありません。転載・転用をご希望の際は、筆者あてご連絡ください。

今回は、遅くとも今週末までには移れそうな『新居』探しに関して、そしてスリランカの建築(?)事情について、わたしの独断と偏見で書かせていただきます。評価、厳しいかなぁ???

1.家探しの出遅れ

ほかのチーム(ジャフナ、トリンコマリー、バティカロア)は、すでに2回目のフィールド・トリップで、住まいのだいたいのめぼし、あるいはオーナーとの話を進めていたというのに、わたしたちマータラ・チームは、まだ活動拠点をマータラの町に置くのか、それとも内陸・山間部にアクセスしやすい場所に置くのかなど、広い範囲をどうカバーしていくかで、拠点を定める必要があったため、住まい探しも、先延ばしになっていました。

もちろんほかのチームと比べる必要など何もないものの、なんとなく出遅れているような気分も正直ありましたし、また住まいが決まらないというのは、本当に『よりどころ』とすべきものがないという、腰の落ち着かない状況でした。

第2回目のトリップで、チーム3人とコロンボ・オフィス・スタッフの意見が、「山間部タミル人コミュニティの抱える問題や、そこで活動するシンハラ・タミル組織との関係を保ちつつ、拠点はマータラの町に置き、政治や権威に関係する多くの暴力を扱っていく」という点で一致した時点で、わたしたちマータラ・チームの家探しを始められる準備ができました。

2.家探し、始まり、始まり

さて、13日にマータラに着いてすぐに、協力者になってくれそうな方々に片っ端から電話をかけ、物件紹介をお願いしたわけですが、最初の1週間は、ほとんど情報を得られず、一番初めに見た、いちばん気に入った家は、最大予算の1.5倍の賃貸料でした。こうして3件しか1週間で見られなかったのに、この2日間で、なんと8件もの新しい情報を得ました!つまり10日弱で11件。これは他の3チームが見て回った数を全部合わせた以上の数(何倍か)にあたります。きょうこの11件のうち、わたしたち3人が一致してよいと思った1件を、再度訪問させていただきました。

きょうの夜にはそこの家のご主人がわたしたちのゲストハウスに来て、商談?が成立するでしょう!ただし、最終的な契約と支払いなどは、コロンボ・オフィスの承認が必要なので、わたしたちに書面上の決定権はありません。

3.建物(家)の作り−日本で通用するか?

マータラ以外の物件を見ているわけではないので、一般論を語るわけには到底行きませんが、建物の作りは、概して「とてもずさん」です。ほめことばではないので、繰り返したくはありませんが、日本人の目からみたら、信じ難いくらいひどいものに、たびたびお目にかかります。たぶん使い方も悪いし、メンテナンスも悪いのでしょうが、最初に作るときにもう少し頑丈に、丁寧に、きめ細やかにすれば、もっと長持ちするはずなのに、と思わざるを得ません。

いま泊まっているゲストハウスでさえ、まだ建てられて(たしか)5年くらいのはずなのに、バスルームのタイルははがれ、トイレはときどき流れない、洗面の蛇口はしまらない(ポタポタではなく、流れ続けている!)、カーテンはやぶれ、ゴキブリが出る(う〜ん、きょうは眠れない!)…。あまりにたくさんあって、『文句のつけようがない』わけです。もちろん日本のホテルなどと料金を比較したら、金額的には『安い』ですが、両者を比べるわけには行きません。物価が違うのです。こちらの500ルピーを、日本円にして500円(いまいくらか正確にはわかりませんが)だから、というわけにはいかないのです。

そんな感じで、建物はたいていの場合、破損や設備の不備は激しいと思ってまちがいありません。わたしたちの(!?)家も、安心して住むために、ドアや窓のロックからベランダの崩れ落ちた壁(!?)、穴の開いた洗面台、などなど補修をお願いする項目がいくつも並びます。急いで直してもらってもすぐ壊れるようでは意味がないので、2−3日時間がかかっても、きちんとした修理をしてもらいたいと思っています。

さて、この家が手に入れば、マータラの鉄道駅から歩いておそらく5分程度の距離にありますので、もしコロンボからお客様がくれば、とても便利な地の利にあります。残念ながらエキストラの客室がないので、泊まっていただくには、誰かの部屋かオフィスの端にたぶん置かれるだろうソファ(まだ間取り等なにも相談していませんが!)にシーツ2枚で寝ていただかなくてはなりません。

日本のように寒くて風邪を引くようなことはないと思いますので、快適な寝心地さえあきらめていただければ、マータラのゲストハウスに支払うお金は不要になるということです。

ということで、まだ決まってもいないうちからご招待状を出してしまうような感じですが、(泊まるかどうかは別として!)日本からもみなさまが訪問してくださる日を、心から楽しみにしています!

大島みどり

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